なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2004年08月10日(火) |
リフィー川など埋めてしまえ |
この日記、タイトルを読まれている方ってどのくらいいらっしゃるんでしょう。ちなみに、作者はタイトルは書き終わった後にテキトーにつけるのが常ですが、たまにはじめにタイトルありきのときもあります。今日がそうです。
読んでいない方のためにタイトルをもう一度書きます。
「リフィー川など埋めてしまえ」
そう、ダブリンのシンボルともいえるリフィー川。あれを埋めてしまえというのが今日の私の提案です。まったく荒唐無稽とも思える案ですが、それなりの根拠があります。
この案の根拠は、ダブリンの慢性的な交通渋滞解消の解決策になり得るからです。よくわからないと思われますのでもうちょっと突っ込んで説明します。
ダブリンの「南側」と「北側」を移動するのには例外なくリフィー川を渡る必要があります。そりゃそうだ。北と南の境界がリフィー川なんだから。で、手許に地図がある方は見てほしい。この、北と南をつなぐ橋が何本あるかと。
数えてみます。以下、車が通れるEastlinkとWestlinkの間の橋です。
Eastlink Bridge(有料) Talbot Memorial Bridge (南行のみ) Butt Bridge (北行のみ) O'Connell Bridge Grattan Bridge (南行のみ) O'Donovan Rossa Bridge (北行のみ。北側は直進すると路地裏になる) Fr. Matthew Bridge(常時大渋滞してるN2とN4の交点) Mellowes Bridge (南行のみ) James Joyce Bridge (橋の南詰はT字路=通過のためにはあまり役に立たない) Rory O'More Bridge (南行のみ) Frank Sherwin Bridge (北行のみ=ヒューストン駅の脇のN4の橋) Sarah Bridge(関係ないけどSnigelが抜け道として毎日使う橋) Chaperizod Bridge (狭小な橋で、特に朝夕は大渋滞) Westlink Bridge (有料)
つまり、EastlinkとWestlinkの間の10キロ超の間にある橋の数はたったの 14。しかも、一方通行の橋が多く、例えば、北から南へは11。南から北へは10。しかもそのうちの2つは有料。
橋は交通が集中し、交通阻害(いわゆるボトルネック)になる要素のひとつです。で、その橋が100万人超の住む街の南北の境界にたった14しかないんだから、渋滞しないほうが不思議なわけです。さらにはヨーロッパ1の広さを誇るPhoenix Parkがででんと横たわっているから、さらに状況は悪くなります。
しかも、です。このリフィー川の北と南にはダブリンからアイルランドの南部と西部を結ぶ交通の要衝N4がリフィー川の河口のダブリン港からごていねいに走ってます。ゆえに、橋のたもとは必ず大きな交差点になっていて、最悪なことには、信号のサイクルはN4に優先権が与えられています。これで、さらに渋滞が悪化するわけです。
ここまで書けば、おおよそ私の言いたいことは理解してもらえたと思います。そう、リフィー川にかかる橋のたもとで東西方向と南北方向の交通が交差するのがダブリン市内の交通渋滞の根本原因なわけです。
なら、東西方向と南北方向の交通を立体交差で交わらなくしちゃえばいいじゃないか。
…というのが、私がリフィー川など埋めてしまえという根拠なわけです。例えば、パリ。セーヌ側の両側に大通りがありますが、地下を走っていて直接交差しません(ダイアナ妃が衝撃的な交通事故で亡くなったあそこ)。ダブリンも同じようにリフィー川を埋めてN4を地下に通せば交通渋滞が一気に改善されると思われるわけです。
市内を歩いていておかしいと思いませんか?なんで、一国の首都の市中心を大型のトラックが排気ガスを撒き散らしながら通過交通として走ってるんだって。あのトラックとついでに乗用車がいなくなればどんなに市内は安全になるだろうって思いませんか。リフィー川を埋めてしまえば問題は解決に向かうわけです。
実はですね、ご存知の方も多いと思いますが、アイルランド政府も一応同じような危機意識はあるようで、リフィー川を埋める代わりに、この東西方向の通過交通をダブリン港からM1(高速1号線)、M50(高速50号線=ダブリン市の郊外をC字状に結ぶ半環状高速道路)を経由させるべくて、ダブリン港からM1までのおよそ5キロ間に「ダブリン港トンネル」を現在建設中です。
5キロの地下トンネルはまさに国家プロジェクトなのですが、問題はこのトンネル、トラックの通行は無料ですが、乗用車の利用料金は5ユーロ程度になるのではないかという話。…私なら使いませんね。さらには、高さ制限が4.5メートルに設定されており、1割以上のトラックが利用できないとのこと。これらの原因は、その巨額な建設費。建設費の関係で、どうしても利用料を高めに設定せざるをえないわけ(ついでに言うと、トンネルの高さもそうだと思うのが、これはトンネルを掘るシールドの機械がその大きさだからかもしれないのでちょっと自信がない)。
ともあれ、かくしてダブリン港トンネルがダブリン市内の渋滞の特効薬になるかどうかは疑問。それをするくらいなら、リフィー川を埋めて、排気ガス防止のためにフタをつけて(つまりトンネル状にして)道路にして、南北方向の交通に道路の主権を渡せば、ダブリンの交通渋滞はかなり解消されたと思うのですが。しかも、私はその筋の専門家じゃありませんが、リフィー川を埋めるほうが、建設費ははるかに安上がりな気がする。
確かに、リフィー川はどんな気に汚くてもダブリンのシンボルだし、そんなことを企画したら猛反対をされそうな気がします。ただ、ある程度の水を残すとか、緑あふれる遊歩道にするとか工夫によっては何とかなったような気もするんですがねえ。
アホな与太ばなしはこれくらいにして、SASの後編の話は次回です。
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