なべて世はこともなし
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2004年07月01日(木) リクエストにお応えして...LUAS乗車記

なんだか知りませんが、LUASなる路面電車が開通したとかしないとかが、現在のダブリンの目下の話題となってます。ダブリンにお住まいでない読者さんからのご質問に答える意味も兼ねて(←どこか言い訳がましい)、行ってきました。開通二日目(通常運行一日目)のLUASに乗りに。


しかも、朝の8時から夕方の7時までしっかり仕事をして、かつ、翌朝は5時に起きてドイツに行くという完全な強行軍。実を言うと、今だって、さっさと荷物をまとめて寝なきゃいけないのだが、こういう「季節もの」の商品は鮮度が命。何とかがんばって突貫工事ながら更新してから寝ます。


ともあれ、話題になっているとはいえ、夕方遅くまで店が開いている木曜日とはいえ、まあ、こんな路面電車に乗ろうとしているようなアホタレはいないと思っていた。…甘かった。




推定500人超の長蛇の列。
(ちなみに、昼下がりはSt Stephens Greenの反対側まで列が伸びてたそうな)

暇人どもめ…と自分のことを棚に上げて思う私。


じゃじゃーん、これが噂のLUASの勇姿(終点のSandyford駅にて撮影)。




アップにて。




LUASの定員はおおよそ300人だそうな…二階建てバス4台分。かくして、500人の列とはいえ、20分待ち程度。…まあ、テーマパークでもあるまいにたかが路面電車に乗るのに20分待つのは十分酔狂の域に入るような気もするけど。


で、ほぼ最後のほうに乗ろうとすると、「前のほうの車両に乗れ」と係に誘導され、行ってみると、鉄ヲタ御用達の運転手席の真後ろが空いている。陣取る私。読者さんに報告するためです。誰が何と言おうと。


運転手さんは、黒人さん。このLUASを運行しているConnexという会社、イギリスのあちこちで路面電車を運行しているらしい。推定、イギリスからやってきたのではないかと思う。


車内がぎゅうぎゅう(と言っても隣りと肩が触れる程度で十分雑誌が読める程度)になったところで、出発。…ちなみに、日曜日まで運賃は無料。


市内のHarcourt Streetを慎重に徐行するLUAS。確かに人などがいつ飛び出してくるかわからない。




最初の駅、Harcourt 駅に到着。場所は、昔のイミグレーションオフィスのすぐ近所。ちなみに、St Stephen’s GreenからSandyfordまでの駅で、一面二線だったのはこの駅だけだったような気がします。あとはすべて二面二線。…よーわからんという方、要は、この駅以外は、ホームが方向別に二つあるのに、この駅だけホームがひとつしかないということです。…私は鉄ヲタじゃあありませんが何か?




Harcourt駅を出て数百メートル行くと、LUASは専用軌道に入ります。ここから終点までずっと路上を車と共用することはありません。それもそのはず、このSt Stephen's GreenからSandyfordまでの通称Green Line、1950年代まであったHarcourt StreetとBrayを結んでいた私鉄、Harcourt Railwayの線路跡をほぼそっくりそのまま使っているんだそうな。そんな便利なもんがあるなら、もっと前から路面電車を復活させておけば良かったのに…と思うのは私だけでしょうか。




ほら、この切り通しも昔の線路跡をそのまま使ったといえばすごく説明がつくでしょ。たぶん、この路線の95%は専用軌道です。




そうこう言っているうちに、このGreen Line唯一といっていい巨大建造物のDundrumの橋まで着きました。早い早い。




ちなみに最高時速は70キロに設定されているようです。




で、Dundrumの次の駅、Balallyで、私は素朴に驚きました。多摩ニュータウンよろしく、新しい街を作ろうとしているのですが、なんと線路の上に新しいアパートを建ててます。この土地の有効利用策は、アイルランド人のものとはとても思えません(アイルランド人の皆様、あくまで冗談です)。


で、終点のSandyfordまでの所要時間は22分。早い。素朴に感心しました。それにしても終点までお客がほとんど降りなかったのが気になる。暇人が無料なのをいいことに全戦走破しようとしてたわけね。…私もそのひとりなのですが。


車内の様子。



LUASとはゲール語で「スピード」の意味だそうな。確かに、この早さはその名に恥じないと思いました。沿線の住民には、確かに市内までの交通の救世主になり得るなと思いました。

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