なべて世はこともなし 日記アーカイブ(インデックス)へ|前日の日記はこちら|翌日の日記はこちら |アイルランド真実紀行へ
ご無沙汰しております。ここ数週間、土曜日や祭日も含めて仕事仕事仕事仕事で疲れ果てておりまして、木曜日に思い立って、半日休みを取り、そのまま金曜日も年休にして、勝手に3連休半の休みを取りました。アイルランドから脱出したことは言うまでもないのですが、行った先はここ。 瀬戸大橋じゃあありません。ええとですね、ダブリンからヒコーキでのりかえなしでやって来れて、橋のたもとに大きな空港がある。で、橋のたもとの都市はわりかし有名。そう、この橋は、デンマークはCopenhagenとスウェーデンはMalmöを結ぶ、Öresund Bridgeだったりするわけです。 私、Snigelへの100の質問にも書いているとおり、その昔、スウェーデンのファンでした。なぜ過去形かというとですね、かれこれスウェーデンには5年くらいご無沙汰してるんですよね。5年も訪問してなくて「俺はスウェーデンのファンだ」なんてほざくのはあまりにおこがましい。かくして過去形なわけです。 ともあれ、「元」スウェーデンファンの私、コペンハーゲン空港を足がかりにして、海峡を渡ってスウェーデンによく行ったものです。その昔は、コペンハーゲンの中央駅まで行き、そこから路線バスで港まで行き、さらにはフェリー(免税店付)でスウェーデン…とか、バスごとフェリーに乗る路線バスでスウェーデンとか、距離にして10キロないような海峡を渡るのに一苦労してましたが、まさに今は昔の物語。今じゃ空港から直結の駅で、中央駅方面とは反対方向の列車に乗れば、お次の駅はすでにスウェーデン…所要15分という本当に隔世の感があります。 で、このÖresund Bridgeは瀬戸大橋と東京湾アクアラインを足して2で割ったような橋です。というのもですね、この橋、瀬戸大橋同様上が高速道路で下が鉄道という2層構造。で、この橋、アクアラインと同様、半分がトンネルで半分が上の写真のような橋。途中に人工島があってそこから地面に潜るわけ。 トリビア的ですが、これ、当初は人工島ではなく人工島からほんの少し離れた湿地帯でトンネルと橋をつなげる予定だったらしいのですが、この湿地帯が野鳥の楽園とかで環境保護団体だかなんだかの運動もあって人工島ができたらしい。 んなことはどうでもいいのですが、ともあれ、この橋を渡ってスウェーデンはMalmöに行きました。ここには昔からの友人が住んでます。で、まあ、ここを足がかりにコペンハーゲンに遊びに行ったり、パーティーに行ったりしたわけです。 私がスウェーデンがいいなあと思うその理由は社会の寛容性にあります。「社会の寛容性」とかいうと小賢しく聞こえますが、別に難しい話じゃないんですよ。 私がかれこれ5年も住んでいるアイルランド。未だに私はアイルランドではガイジンです。この先10年住もうと、50年住もうと、多分私はガイジンのままです。これは日本も同じかもしれませんが。 この点、スウェーデンはちょっと違うような感じを受けます。というのも、意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、スウェーデンには「移民」が多いです。今回お邪魔したパーティーでも母親はポーランド人、父親はフィンランド人…とか、両親はロシア人で育ちはイランとか、父親はスウェーデン人だけど母はアイルランド人とか言うのもいたなあとか…なんだか知らないけど、いろんなのがいました。(これにはMalmöという地域の特性もあるらしいですが) さらには、子供の頃に養子としてスウェーデンに住むようになった人なども多数。当然、彼(女)らはスウェーデン語を流暢に話し、完全に社会の中に溶け込んでいるように見えます。社会の中に溶け込んでいるということは逆に言えば社会に受け容れられたわけで。彼(女)らは、スウェーデン人になってます。とどのつまり、外見で判断されない国なんですよね、スウェーデンは。 残念ながらアイルランドで悲しくなるときがあるんですよね。「こいつはガイジンだから英語を話すまい」とか決め付けられて敬遠されたりとか、例えば通りで流しのタクシーを待っていたら、アイルランド人の前には止まったけど自分の前には止まらないとか…。 何かいやなことが起こるたびに人種差別に結びつけて考えるのは間違ってると思います(この話は翌日の予定)が、そう思うのが自然だということもままあります。スウェーデンを深くは見てませんけど、こういうつまらないことがなさそうな印象を受けます。 あとは、言葉の垣根の低さ。はい、社会に受け容れられるためにはその国の言葉を話す必要があると思います。つまり、スウェーデンで受け容れられるためにはスウェーデン語が必須だと思うのですが、いちいち観光客レベルでそんなことを言ってはおれません。 で、観光客としてスウェーデンに行くと、私がスウェーデン語を話さないと分かると、スウェーデン人同士の会話でも英語でやってくれます。これ、ドイツでは起こらない現象です。つまりドイツ人は私がいようといまいとドイツ語で話しますよ。この辺が私をしてスウェーデンがいいなあと思わせる理由だったりするわけです。そりゃ、住んでみたら、いろいろ嫌なこともあるかと思いますが…。 日記才人の投票ボタンです(ご協力感謝) |