なべて世はこともなし
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2004年02月02日(月) Lost in Translationを見て新宿に行く

たまに帰る日本っていいですね。たった1週間ですが楽しかったです。


日本に帰国する本の数日前にLost In Translationという映画を見てきました。最近何とかとかいう賞を取ったようですし、評判もいいので御存知の方もいらっしゃると思います。この映画、一言で言うとアメリカのちょっと落ち目の俳優がCMの撮影のために東京を訪れます。


そこで言葉の壁、文化の違いに思いっきり戸惑い、さらにダンナに連れられてやってきた、でもダンナが忙しくて相手にしてもらえない女性と出会い…。書き方が悪いのでこう書くとただのできそこない失楽園のようですがそうではないのです。まともな書き方をした私の言いたいことが半分くらい書かれている朝日新聞のコラムはこちらへ。


まず面白いのは、この映画の半分は大げさだけどかなり多くのシーンで日本語が話されている点。それには字幕も何もついてません。つまり日本語を話さない観客には何がなんだかさっぱり分からない。かくしてこの単身日本に渡った俳優と同じ気分が味わえるわけです。


さらにこのテの「ガイジンが見た日本」という視点の映画は日本文化の変わった部分が恣意的に強調されたり、ややもすると話されている日本語がルフトハンサの日本語の機内放送並みに不自然だったりして、日本人は冷めた目で見てしまうことがあると思うのですがそれがない。ほらルフトハンサの「ごきげんよう。さようなら」なんて誰も言わんぞと突っ込みたくなるような放送は英語など日本語以外で書かれた原稿を無理矢理日本語に直訳するからだと思われます。


ともあれ、話されている日本語はすごく自然ですし、撮影された東京の新宿や渋谷は「確かにこんな街」だと納得できます。あともう一つ、映画の終わり方も例えばハリウッド映画なら私が期待した方向のハッピーエンドに終わりめでたしめでたし…となるのですが、その期待を見事に裏切ってくれます。


私は友人に「ラストサムライとLost in Translationどっちが見たい」と聞かれて迷わず「Lost in Translation」と答えた「いつでも少数派」ですが今回はその選択がいい方向になりました。


何が言いたいかというとですね、この映画を見て撮影された夜の新宿に行って来たんですよ。夜の歌舞伎町に。…あ、と言っても怪しいフーゾク店などに行って来たわけではありません。出版社の方・イラストレーターさんと飲み屋さんでお会いしてきたのです。その話は別の機会に譲るとして(私信:お礼メールまだ書いてません。すいません)あの新宿のきらびやかな夜を見て「ああ、日本ってヨーロッパとはまったく違う国だな」と再確認させられました。そしてあの映画の通りの街に思わず笑ってしまうと同時にLost in Translationの完成度の高さにうなってしまいました。機会があればぜひどうぞ。


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