なべて世はこともなし
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2004年01月19日(月) アイリッシュの道徳感について考える

先日の日記を親が読んだのか読まないのか「福岡空港まで迎えに行ってあげるね」というメールが届きました。そうなると私もついと「バスで行くからいいよ」なーんて言ってしまうわけで。


だいたい世も末です。うちの母親。私がコドモの頃は「ボタンが10個以上あるものなんて触らない。例外はテレビのリモコンと計算機」と公言していたくせに、今じゃケータイからメールを打ってきますからね。しかも私のホムペをどこからもなく発見したようだし。あ、ちなみにうちの親、私のが本をだしたことについて何も言わない(=知らない)ようなのでつまりはこのページを最近チェックしていないと仮定してこうやってここに悪口を書いているわけです。はい。


そんなことはさておきまして。だいぶ前の話ですが、ダブリン一の高級住宅街として名高い玉橋地区(仮名)にある四季旅館(仮名)に行ってまいりました。そうです。有名人御用達、アイルランドで最高級の5つ星旅館です。ちなみに1泊500ユーロ程度だそうな。


んなとこに泊まる金が私にある訳がありません。会社のパーティーです。もう時効だと思われるのでここに暴露します。ちなみに今の会社とは無関係ですので念のため。


ここでのパーティー、要はなんだか会社の業績がいいとかでそのご褒美としてのディナーとあいなったわけ。料理は推定ひとり100ユーロ程度。それだけの金を出すんだからさぞかしおいしいものが出たんだろうとお思いの方…出ましたよ。ただ私はグルメレポーターではないのでいかにおいしかったかを説明するだけの語彙がないのでだた「おいしかった」と言うことで話をさらっと流してしまうわけです。


で、それだけならただの自慢話で終わるわけですが、無論そんな終わりかたはしませんよ。ここからが本題。ただし毒の強い日記なのであまりアイルランド人の悪口は聞きたくないという方…今日の日記はパスしてください。前もって警告しておきますがかなりの毒舌です。


この日の会社はなにを血迷ったかやたらと大盤振る舞いでして、100ユーロのディナーのみならず、ひとりあたり6枚のドリンクバウチャー(早い話がバーでドリンク1杯と引き換えできる券)を配りました。6枚ですよ。6枚。ビールが6杯でもウィスキーが6杯でもはたまた組み合わせてもいいわけですが、ともあれフツーの人が6杯も飲んだらそりゃ酔いますよ。しかも、その6枚のバウチャーとは別にディナーテーブルではワインが振る舞われており…。私の感覚でいえば「酒を浴びるほど飲める」機会だったわけです。


この日の私、ちょっと訳ありでお酒を飲めませんで。ディナーの時にワインをちょっとなめた程度で完全にシラフ。これが更に状況を悪化させます。今後の話の展開がわかりました?そう、このパーティーが完全な乱痴気騒ぎになり、それを私はひとり醒めた目で見るという構図になったわけです。


普段の私、自慢になりませんが酒に弱いので酔うとひとりでぼーっとしてるか寝てしまうかのどちらかです(ホントに自慢にならないな)。ゆえに以前もこういう乱痴気騒ぎに居合わせたことがあるのですがあまりよく覚えていない…というか回りを見まわしていなかったわけ。ところがこの日はひとり酔ってなかったのでいろいろなものが見えてしまったわけ。


まず。当時隣に席に座っていたLaura(仮名)という女の子。ぐでんぐでんに酔っ払ってしまい足腰が立たない状況に。それでも飲み続けてついにはみんなにキスしてまわる。私もやられました。ほっぺたとかじゃなく口に。彼女には申し訳ないけどほとんど犬にかまれたのと同次元の話です。シラフの時はいつも彼氏自慢をしているLaura。彼からもらったセンスのあるとは言えない時計を自慢したりいかに彼が優しいか、そしていかに自分が彼を好きかを話して聞かせるくせに酔っ払うとこのざま。しかもそのあと別の同僚にちょっかいを出してなにやら怪しい行動に出ています(詳細は青少年読者を意識して割愛)。


そうかと思うと今度は私のはす向かいに座っている別の同僚(女性)は私たちのスーパーバイザー(男性)にちょっかいを出し始めて二人はなかなか親密な雰囲気に。そのあと二人は夜の帳へと(おお、詩的な表現)消えていきましたとさ。ええ、別に私には関係ないことですよ。たとえ彼が新婚6ヶ月だとしても。


そのほかにも数個の話がある訳ですが書く気にもならないので割愛。ともあれ、私の言いたいことは


こいつらには「道徳」という言葉がないんかい?


「指さし」にはあまりに毒が強くなるのでかなり控えめに書いたのですが、アイルランドの一定の世代からキリスト教というものが消えていった結果、一緒に道徳という言葉も消えていった気がします。


偽善者とかきれいごとを言っている…とか批判する人のために書いておくと、これを見知らぬ人どこぞのナイトクラブでやるというなら私もある程度は妥協できる。でも、どうしてそれを会社内でやらねばならないのか。翌日に同じメンツに会社内で会うという事実をすっかり忘れてしまっている。ましてやスーパーバイザーという管理職が自分の部下を少しでも大事に思うならそういう形で手を出すというのは私には納得できない。ましてや自分が未だ新婚だとすれば。


これはとある人が言っていた台詞ですが、「よくスウェーデンがフリーセックスの国だとか言われるけど、スウェーデン人のほうがよほどアイルランド人よりしっかりした倫理観を持っている」…まさにその通りだと思う。ここまで書いたからはっきり書いてしまうけど、この辺に私が未だにアイルランド人の彼女を持ったことがない理由がありそうな気がする。


言うまでもなく私は「日本人だから」どうこうとか「アイルランド人だから」どうこうという言い方はあまり好きではありませんしそういうくくり方はえてして的外れな方向に行くことも理解しているつもりです。でもそういうことをさておいてもこういう経験を重ねてだんだん不信感を募らせていることも事実です。はい。


さっきのスウェーデン人がどうこうと言っていた彼の発言を最後に引いて今日の日記はおしまい。


「ダブリンの町の汚さは異常だよ。バスの車内も汚い。そんなだらしない連中が男女関係だけしっかりしていると思う?」


一事が万事…ということか。


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