なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2003年06月27日(金) |
ついに来た!同時進行、アイルランド入院体験記(3) |
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さあ、お約束通り、救急治療室の廊下で一晩明かす羽目になるのかと思いきや、看護婦さんはたった今の今迄使われていた担架のシーツを手際よく替えはじめる。で、私の向き直って、
看護婦:「あ、ちょっとそこの2つめのドアの小部屋で待ってて」
彼女に指定された部屋は6畳程度の部屋で、推定急患でかつ特に必要のない患者を一時的に軟禁滞在させておく部屋らしい。壁に2組の酸素用のバルブがあるところを見るとどうやらふたりを収容するらしい。…そんなことを考えていると先ほどの看護婦さんが担架を新しいシーツで整えて戻ってきた。
看護婦:「はい。じゃあここでしばらく休んでて。あ、この部屋手術まで使ってもらうから。あと、もうひとりここに来るからよろしく」
しばらくすると、サッカーのユニフォームを着た30半ばの男性が松葉杖をついてやってきた。ここまで何が原因でここにいるかが分かる人も珍しい。
彼に話を聞くとやはりサッカーの途中でかかとを剥離骨折したらしい。ただしどういう理由だかは知らないがギプスや包帯をしていないので外見上はあまりよくわからない。彼いわく
彼:「勝ったからいい!でも今ごろ他のメンツがパブで祝勝会をやっているかと思うと悔しい!」
とのこと。
彼の本業は何と警察官。しかも私がEastwallに住んでた頃、そこの担当だったそうで、世間は狭い、あの「ダブリン家がない」に出てきたヤクの売人の件の話をすると
彼:「ああ、その話なら覚えているよ。たしか一階に3部屋あるアパートだろ。よくあんなところに住んでいたねえ」
…今にして思えば私もそう思います。
そんな雑談をしていると看護婦さんがふたり入ってきて、警察官に向かって…
看護婦:「ええと、あなたが盲腸の手術をする患者さんね」
そして私に向かい
看護婦:「そしてあなたがかかとの剥離骨折の手術をする人ね」
わずか1分30秒で手術を決定した次は患者の取り違えですか?幸いにしてというべきか、さすがに看護婦さん、私たちの唖然とした表情から患者の取り違えに気がついたようで…
看護婦:「あーら私ったら嫌だ。逆じゃないの!」 警察官:「何?俺の盲腸取っちゃうつもりだったの?」 私:(引きつり笑いをしながら)「オレの足を開けちゃうつもりだったの?」
看護婦さんは笑いながら
看護婦:「間違えないようにここに『この足を手術』と書いておきましょうね」
と言いつつ、警察官の右足にボールペンで大きなバツ印をつける。すると警察官氏は
警察官:「骨折したのは右じゃなくて左なんだけど。(私を見て)おい、今晩、絶対寝ちゃだめだぞ。寝たら最後。何が起こるか分からんぞ」
…確かに。腎臓の一つくらいなくなってるかもしれない。おいアイリッシュ。何でも笑ってすると思うなよ(怒)。
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