なべて世はこともなし
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2003年04月29日(火) ちょっとした事件から見るアイルランド人とのつきあい方(その1)

月曜日の朝。小雨の振る中私はいつもと同じように家を出た。そしていつもと同じように車に乗り、いつもと同じように渋滞の始まった朝のダブリンを走っていた。


そしていつもと同じようにLUAS(現在急ピッチで工事が進んでいる路面電車)の工事のため車線が規制され渋滞している某通りへ。今日も例外ではなく渋滞中。左端の車線を進んだり止まったりしながらのろのろと進んでいると突然エンジンが止まる。


あれ?

あれ?

あれ?


エンジンがかからない(素泣)


どうしていちばん渋滞しているところでエンジンが止まるのよ?トヨタさんそりゃ古い車だけどあんたんとこToyota --- the best built car in the worldと盛んに宣伝してるじゃないの?なんで何の前触れもなくエンジンが止まるのよ?


イグニッションを回してみるも反応なし。うーん、困った。路側帯の車を止めるスペースすらない。絶体絶命。


意を決して押しましたよ。車を。


人には言えないくらい恥ずかしかったです。はい(でも日記には書いている)。


で苦労することおよそ50メートル。ようやく左側に路地があったのでそこに入れようとするが路地に入ったとたんに車が全く動かなくなった。理由は簡単。路面が石畳で凸凹してるから。そこに目に入ったのは工事現場のおじさんふたり。


私:「おじさん!悪いんだけど、車、押して!」

で、おじさんふたりに車を押してもらいついでにエンジンを押し掛けしようとするがダメ。仕方がないのでおじさんの許可を得て工事現場の出入り口の邪魔にならないところに車を停めて誰かを呼ぶことにする。で、日ごろ全く使わないケータイ、こういう時こそ役に立て…と思ってケータイを使おうとすると


で、電池がない(も一度素泣)


とりあえず会社に電話を入れようと公衆電話を探すが、ない。公衆電話って必要な時に絶対に見つからないですよね。最近の日本は公衆電話が減っているそうでして。アイルランドで減っているかどうかは知らないけれどアイルランドの場合あっても壊れているということが多数。


で、ホテルを見つけてそこの公衆電話を使おうとするが…クレジットカード専用。クレジットカードは持ってたけど使いたくなかったので他を探す。


さまようこと数分、ガソリンスタンドの中にようやくまともな公衆電話発見。8時になったのを見計らって会社の上司に電話を入れる。


私: 「かくかくしかじかで遅れます。あ、ところで誰かレッカーの番号知らない?」


で、数分後、いくつかのの電話番号をもらった私。


私:「XX通りで車が故障したんだけど、ひっぱりに来てくれる?」
相手:「XX通り?遠いからやだ。電話番号あげるからここに電話してみ。その近所の会社だから助けてくれると思うよ」



で、言われた番号にかけると


相手:「え?どこで故障したって?」
私:「XX通りなんですけど…」
相手:「道が混んでるからやだ



…断るにしてももう少しまともな言い訳はないものか(ため息)


私:「誰か知ってる人はいないの?」
相手:「ああ、この番号なら…」



といわれた番号。


相手:「今日は昼までは予定がいっぱいだねえ」


昼までレッカーの予定がいっぱいねえ…。確かにさっきよりはまともな言い訳だが。


私:「誰か知ってる人はいないの?」
相手:「ああ、この番号なら…」



といわれた番号は


一番最初の番号やんけ!


出ました!アイルランド名物、たらいまわし永劫回帰の刑!


私:「これ、さっきもらった番号なんですけど(怒)」
相手:「あっそう、そりゃ悪かったねえ。でもそれしか知らない」



脱力


で、会社の上司からもらった番号も同じように全滅。


私はもう一度会社に電話をかける。


私:「もらった電話番号全滅だった…」
上司:「わかった。いまゴールデンページ(日本で言うところのイエローページ=職業別電話帳)で調べるから」



再び電話をかけること数件。ロールプレイングの要領でようやく


私:「XX通り。来てくれる?」(←あいさつ抜き)
相手:「30分くらいで行ってあげるよ」



という業者を発見。電話を切って思ったこと。


あれ?そういえば車のナンバーも聞かないで本当に来るのかよ?


で、まあこれ以上はどうしようもないから車に戻り来るかどうか自信のないレッカーを待つことにした私。むろん30分と言われて本当に30分でアイリッシュがやってくると思うほど私はおめでたい性格をしていないのでのんびり待つことに。


さてさてレッカー車はやってくるのか。そしてSnigelの運命はいかに?続く。



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