なべて世はこともなし
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2003年01月23日(木) アイルランドに来られる方必見。どのガイドブックより詳しいロンドンヒースローでの乗換え方法(1)

今週はなんだか仕事が忙しいわ、遅番で生活のリズムがかき回されてるわで、更新がおろそかになってます。更新されていなくて無駄足を運ばれた方、申し訳ありません。


まずは業務連絡から。


オフ会ですが、皆様からのご意見を聞き、多数決で決めました。日曜日でないと都合がつかないという方、申し訳ありません。多数決およびもろもろの理由により土曜日とさせていただきます。


場所と時間ですが、現在私の頭の中にあるのは、Clontarfにあるパブ、Yacht、シティセンターからバスで10分程度です。ここ、海が見えて、天気が良ければ日当たりもいい。うーん、アイルランドでいい天気を期待する私はかなりおめでたい人間ですが、ともあれ、ここにお昼過ぎというのはどうですかね。


ダブリン以外から来られて、かつ、その日のうちに戻られるという方、最終のバス・電車がたぶん午後6時とかいう答えになろうかと思いますので、当然の帰結としてお昼過ぎ集合ということになろうかと思います。この件、最終的に確定次第、メールにてもお知らせいたします。






さてさて。掲示板で、アイルランドへの入国審査がちょっとした話題になっております。これ、私の経験をもとにちょっとお話させていただきます。アイルランドご在住の皆様、渡愛経験豊富な皆様、ツッコミ所満載でお届けしますのでどんどん掲示板で突っ込んでください。書いてみて気がつきましたが、長くなったのでシリーズものになります。


まず、イギリスからアイルランドに入国した場合。入国審査があるのかないのか。… 実はあります。


一部ガイドブックには「入国審査はイギリスで行われる」と書いてますが、これ、決して間違っていません。が、説明が足りないのです。


具体的にはこうなります。ロンドンヒースローに日本やヨーロッパの大陸部などから到着した場合。ターミナルの1-4のどこに着こうと、どの航空会社を使おうと、ダブリン行きに乗り換えるには二つの道しかありません。


(1)FCCへ行く。
(2)到着客に紛れて一度外に出て、あらためてターミナル1から搭乗手続きをする。



…ええと、よほどのマニアや、航空会社関連でスタンバイで旅行しているとかいうわけでない限り、フツーの人は(1)になります。(2)を選ぶような人はオブザーバーデッキがどこにあるかを知っているくらいヒースローを知り尽くしている人に違いないので説明は割愛(ちなみにオブザーバーデッキはT2のビルを外に出てT1方向に少し歩いたところにあるやたらと薄暗い階段を上り詰めたところにあります←知ってんじゃねえか)


で、(1)のFCCとはFried Chicken Cookingの略ではなく(…やっちゃった?)Flight Connection Centreの略でして、早い話が乗換えのための建物。セキュリティコントロールなどを一括してこの建物でやってしまいます。T1(ターミナル1=以下同じ)T2からの到着なら徒歩で、T3-4からの到着ならバスで「Flight Connections」という看板に従っていると自然とここに向かうようになってます。


あ、そうだ。書いてて思い出した。「海外初めてなんだけどアイルランドに行く」という方、「老いた両親を一度アイルランドに招待したい」という孝行息子(娘)の皆様にこのお話を捧げます。


日本の空港で、「スペシャルサービス」の一環として、「ヒースローでのエスコートサービス」というのがあるそうです。なんでも特に追加料金等なしで、ヒコーキが到着したそのブリッジのところまで、日本人係員が迎えに来てくれるそうな。


で、これに目をつけたアイルランドに長期滞在中の日本人、仮にQさんとでもしましょうか。Qさんはかれこれ還暦を過ぎ悠々自適のご両親をアイルランドに招待することにしたそうな。


で、彼らはなんと海外初めて。で困ったことには、ご存知の通りアイルランドには日本からの直行便が無い。自然、ロンドンかどこかでの乗換えとなる。相談を受けた私は、「そりゃコペンハーゲンかアムステルダム経由かなんかの方がいいよ」と言ったのですが、何だかんだででロンドン経由にしたそうな。


それでも心配なQさん、悩んだ挙げ句に(自分の金じゃないもんで)両親を説得してエコノミー10万のところ25万円出させてアッパーエコノミーを予約させたそうな。ほら、アッパーエコノミーの方がスッチーさんたちが気にしてくれて、ついでにロンドンでもVIP待遇が受けれて地上でも誰かが助けてくれるかもしれないというふうに読んだわけ。Qさんは何度も航空会社に電話をして万全の体制を敷いたそうな。


で、当のご両親も日本国内である成田空港でも「心配だから」と娘から聞いた「ヒースローでのエスコートサービス」を再確認。で、どうやらこの情報は、Qさんからおよび成田空港にて当のご両親から機内に伝わったようで、なんでも機内では何度となく日本人のスッチーさんが「大丈夫ですか」と聞きに来てくれ、挙げ句の果てにはシャンパン1本お土産にもらったそうな。


というわけで、12時間の長旅を経てロンドンヒースロー着。T4に着いたQさんのご両親はバスに乗りFCCへ行き、さらにはT1のダブリン行きに乗り換えなくてはならない。なかなか難儀な仕事です。特に海外初めての人には。


(1)Qさんからの重ねての依頼、(2)当のご両親の依頼、(3)おまけ(?)、というわけでヒコーキから降りてブリッジを渡った場所にはなんと総勢3名の日本人職員が迎えに来ていたそうな。まさに鬼に金棒状態、ヒースローでの乗換えどんと来い!という感じですね。


さすがに3人はいらんだろうということでその中のひとりがQさんのご両親をエスコートすることに。もう一度手順をおさらいすると、まずバスに乗る。→FCCへ行く→徒歩でT1へ。とおおざっぱに3段階のステップを踏むわけですが、この日本人のエスコート係氏、なんとFCCへのバス乗り場まで来たところで


「私のご案内はここまでとなりまーす」


と宣言しとっとと消えてしまったそうな。


はい。もう一度おさらい。まずバスに乗る。→FCCへ行く→徒歩でT1へ。この3つの手順の一つ目も完了しない段階でQさんのご両親は大英帝国の訳のわからん空港の真ん中に放り出されてしまったわけ。あのー、ここまでならたぶんエスコート無しでも余裕でたどり着けたと思うのですがねえ。


この後どうなったか。大笑いです。内弁慶のダンナさんはまさに借りてきた猫状態になり、さすが母は強し、ニョーボさんの方はずんずんずんずん進み、迷ってはどこの航空会社の職員かなど気にもせずに、自分の搭乗券を指差し


「ディスディス」


と聞いてまわり、身振り手振りでなんと無事にT1の果てのダブリン行きのヒコーキまでたどり着いたそうな。その間、ダンナさんはニョーボさんの小さい背中の後ろに隠れていたそうな。…言うまでもなく、この事件はQ家の語り種になってしまいました。


そう、人間やればできるんです。


ちなみにこれにはさらにもう一段のオチがあり、帰りの便、ダブリンからのヒコーキが見事に遅れ、ご両親はヒースロー近くの空港で1泊する羽目に。詳細は知りませんが、このご両親、ちゃんと元気に日本に到着しております。


そう、人間やればできるんです。


話が訳のわからん方向にそれてしまい長くなったので、この話、後半、あるいはその2に続く。


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