なべて世はこともなし
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2003年01月12日(日) もう驚かない?アイルランド恐怖の産婦人科医

O'Connell Bridgeから徒歩1分というとんでもなく便利な場所にアパートを借りている私の同僚の女性。実は私の元主任さんで、年齢不詳ながら推定30代後半。アイリッシュの彼氏がいる。この方他のどの主任さんに比べて話が分かるので私は好き。何か間違っても「いいよ、いいよ」と言ってくれる。でもしっかりポイントをついて教えてくれる。彼女のおかげで今の会社でのスタートがうまくいったといってもいいだろう。


で、彼女のアパートに、ドイツ人の同僚ともどもディナーに呼ばれる。数日前に…


彼女:「うちでディナーをするけど来る?」
私:「遠慮しとく」
彼女:「なんで?」
私:「今、おダイエット中なのだ」
彼女:「じゃあ、ダイエットメニューにする」
私:「行く」



…というわけ。で、彼女いわく、もうすぐこのアパートから引っ越すんだそうな。その理由とは…


妊娠


…うん、今年になってからなんだか出てきたお腹が気になっていたけどやっぱり妊娠していたのね。だって女性に聞けないでしょ?「あなた妊娠してますか」って。こんなことになったらどうなるのだろう。


私:「あれ、もしかして妊娠してる?」
女性:「……………してないわよ



…ああ、引っぱたかれるか、二度と口をきいてくれないかのどちらかだな。


とはいえ、妊娠5ヶ月にしてはお腹の出っ張り具合が目立つ。彼女は爆弾発言をする。


彼女:「実はねえ、双子なのよ」










双子っすか?まじっすか?


双子…これ、全くシャレにならないと思います。当たり前ですが、養育費2倍。誕生日プレゼントには同じ物をふた使う必要があるし、子供が大学にふたりとも行くとか、下手したら留学するとかいわれた日にゃまさに金がいくらあっても足りない。…他人事ながら心配になる。


で、彼女の話を聞いていると、いろいろ驚愕の事実が判明。


アイルランドでの産休は18週間


18ヶ月じゃあありません。18週間です。つまり、出産予定日前に1ヶ月産休を取ると、残りは3.5ヶ月。そんな短期間でお母さんが会社に戻ってこれるとは思えません。


というわけで、他は知りませんがうちの会社、2ヶ月間なら「給料を払わない」という前提で産休を延長することができます。それでも半年。彼女の場合、両方の両親が他界および、アイルランドにいないので頼りにすることすらできません。


私:「で、どうするの?」


まあ、私でなくてもだれしもがこう聞くと思うのですが、これがまたとんでもない話でして。いわゆるベビーシッターさんを雇うと、ひとりにつき月800ユーロ。双子で1600ユーロになるか、割引があるかは知りません。が、大金には違いありません。


で、今いるアパートが手狭なので郊外に新しいものを借りるそうですが、当然金がかかります。で、出産費用等も考えると…前途多難どころの騒ぎじゃないですよね。前途真っ暗です。


しかも私が前に聞いたところでは、例えばドイツ。双子のお産と分かっていれば医者は最初から、9ヶ月目くらいに帝王切開で赤ちゃんを取り出してしまうそうです。その方が母子ともに安全。


理にかなってます。私の知り合いの女性に双子の女性がいるのですが、彼女、左半身に障害を持ってます。これが信じられない話でして、なんと、彼女のやぶ医者、出産直前まで双子であることに気がつかずに、彼女を危険な状態に晒してしまったらしい。死産すら免れたものの、彼女には障害が残ってしまった。ちなみにアイルランドでの話じゃありません。ただ、某先進国で30年前とはいえこんなことが起こったというのが信じられない。


ともあれ、そんな不測の事態を事前に防ぐという意味でも帝王切開は理にかなっている。多くの国では、母親が自然分娩を希望しても有無を言わさず帝王切開してしまうそうな。


翻ってアイルランド。彼女が産婦人科医に言われたこと


医者:「うーん、やってみないと分からんね」


というわけで、現状だと、自然分娩に挑戦するそうです。あのー、正しい年齢は知りませんが、彼女、立派に「高齢出産」の部類に入ると思うのですが。ついでに言うと初産。はっきり言って私の方が心配になっています。


で、ディナーですが、前菜サラダ、メインはナスと完全ベジタリアンメニュー。控えめに食べましたので、体重には影響ないと信じてます。



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