なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2002年05月02日(木) |
古き良きアイルランドの面影 |
ふう。なんだか知りませんが、今週は忙しいです。ゆっくり日記の更新をする暇すらありません。今日こそはのんびり日記の更新をする予定でしたが、急な来客があり、またのんびりと更新する時間がなくなりました。ここ数日の日記にはなんとなく余裕がないことが行間から伝わってくるのではないかと思います。
で、時間がないながらも今日はちょっといい話。いつもアイルランドの悪口ばかり言っているので、たまにはいいことも書いてみようかと。
昨日の夜。遅い夕食を取っているとノックの音が。ドアー開けるとおとなりの奥さんが。
奥さん:「突然だけど、私たち引っ越すの」
…確かに突然だわ。
確かに去年の一時期、前庭に「売家」の札が出ていたのは知っていた。が奥さんが、「なかなか思い通りの値段で売れなくてねえ」と言い、かつ、売家の札も取ってしまっていたので、私はてっきり売るのを諦めたのだと思っていた。が、蓋を開けてみると、彼女はしっかりと家を売っていたのでした。
私たちと反対となりの家人とのつきあいはないものの彼女とは玄関先で立ち話をするくらい結構仲がよかった。ゆえに、彼女が引っ越すという事実は青天の霹靂でちょっと残念。
奥さん:「で、今度引っ越してくる人たちはね、若い女の子三人組よ」
若い女の子三人?
ここで私が喜んだと思うあなたは私のことをまだ良く理解していない。若いアイルランド人三人………うるさいだろうなあと正直閉口してしまった。
私: 「じゃ、家を貸すんだ?」 奥さん:「いや、彼女たち、家を買ったのよ」
待て待て待て。ポッキー3姉妹だかなんだか知らんが、仲良しグループで家なんかを買うのか?本当に?
奥さん:「彼女たち、4歳の頃から一緒でねえ」
だーかーらー、そういう問題じゃあないんだってば。どんなに仲がよくたって、私は友人と家を買ったりはしないぞ。まったく何が起こるか分からない国だと思う。
まあ、この奥さんに限った話、けっこう私たちはつかず離れずのいいつきあいをしていたと思う。アイルランド人の気さくな部分がいい意味で作用していたかと。
で、「気さくなアイルランド人」というともう一つ思い出す話がある。
ここ最近、同じ時間のバスに乗る私。まあ、日本でもそうだと思うけど、同じ時間のバスに乗ると、乗っている面子の顔も同じ。で、私は知り合いが出来つつある。今日も隣に立っていたいつも同じバス停から乗る女性とずっと立ち話をしながら、町までやってきた。彼女の身の上話から近所のクソガキの悪口まで。話していて気がついたのだが、彼女はうちのすぐ近所に住んでおりまして。
バスの中で人間観察をしていると、とりわけ年配の方は驚くほど気さくです。気さくというか、「誰にでも自然に平気で話しかける」能力があるように思われます。天気の話や来ないバスの話など、そういう当たり障りのない会話から始まって身の上話にいたるまで。傍から見ると、いかにも知り合いのようなのですが、実は赤の他人。そういう光景をよく見ます。きっと、「古き良きアイルランド」というのが確かに存在したのだと思います。残念ながら、ダブリンにいる限り、その「古き良きアイルランド」は絶滅寸前のようですが。
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