なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2002年04月20日(土) |
アノ事件再来!ダブリンバス事件簿その...いくつだっけ? |
金曜日。午後6時。この時間の利用するバスは結構混みます。満員で途中のバス停をすっ飛ばすこともしばしば。が、たまに前のバスか運行されて間もなく運行されたりして、夕方のラッシュ時にも拘らずバスがすかすかということもあります。この日もそうでした。
私がバス停に着くと、バス停で待ったいるのは15人程度。で、私が着くやいならバスがやってきました。で、私は空いていたので運転席のすぐ脇の席に座り、読みかけの文庫本を開く。
で、お客が乗ってくるのだが、なんだか40代半ばかそれ以上のごっつい運転手の言うことが心もとない。
お客:「XXには行きますか?」 運転手:「え?XX?どこだっけ?」 お客:「OO通りのとこ」 運転手:「え?えーっとたぶん行く」 お客:「いくら?」 運転手:「え?」
思わず私は口を挟んでしまう。
私:「行くよ。1.05」(1ユーロ5セント)
別のお客登場。
お客:「XX病院には行く?」 運転手:「ちょっと自信がないなあ。実はボクこのルートの運転手じゃないんだよね」
私の頭の中にさっと過ぎる思い出。それは忘れもしない………だいぶ前。スパニッシュ系の運ちゃんが道を知らないままバスを運転し、ついでに観光客をはねるという事件(拙ページ「ダブリンバス事件簿」をご参照くださいませ)、あの事件の再来か?
で、バスはたぶん30人か40人くらいの乗客を乗せて発車。発車時刻から推察して、どうもこれは臨時便らしい。私は文庫本に視線を落としたのだが、すぐにいつもの風景と何かが違うことに気がついた。ん?なんでこのバスは右側のレーンを走っているんだ?
見ると確かに左側のレーンの流れが悪い。でもねえ、それだけの理由で左側のレーンに入らず、途中のバス停で手を上げているお客を拾わずに行ってしまうというのはいかがなものかと。しかもバスは満員じゃあないのに。
で、走ること数キロ。文庫本から目線を上げると、なぜか信号待ちで止まった運転手がこっちを見ている。で、このひとこと
運転手:「ここ、左(に曲がるん)だよね?」
やはり…この運転手は道を知らなかった。
それ以降、交差点が来るたびに私の顔を見る運転手。私は…
私…「次の大きな交差点を左ね。それから4つめの信号を右。……わかった、終点まで一緒に行くわ」
というわけで、うちから数キロ離れた終点までドライブしてきました。途中、XX病院の場所を案内したり、自分でも何をやってんだか。
で、終点到着。
私:「町に帰るの?」 運転手:「いいや、今日はこれでおしまい。車庫に帰る」 私:「あんた、Summerhill(営業所)の人じゃないでしょ?」(言うまでもなく、Summerhill営業所がこの系統の担当) 運転手:「よく分かったね。ボク、Donnybrookなんだよね。」
…そうですか。数年前とまったく同じパターンだわ。
私:「じゃ、とりあえず、XXまでのっけってって」
というわけで、回送のバスでうちの近所まで送ってもらうことに。たぶん、外国人としては私がダブリンバスの回送バスに最も頻繁に乗ったことのある人間だと思う(威張れた話じゃない)。で、私は運転席の脇に立ち雑談開始。
私:「良く、道がわかんなくて運転できるねえ」 運転手:「いやー、だって、ボク、このルートの担当じゃあないし。でも、だいたいのところは分かるよ。だいたいの。でもやはり細かいところまではわからないねえ。これは恥ずかしいよ。道がわかんないなんて」 私:「こういうことはたまにあるの」 運転手:「うん。たまにね。でも、お客さんのなかには必ず親切な人がいて、道を教えてくれる人がいるんだよね。いやー、キミはジェントルマンだ。助かったよ。ありがとう」
ダブリンご在住の皆様、ダブリンバスは皆様の善意によって運行されております。協力してあげてくださいませ。
で、このあと、会社主催の飲み会に参加するのだが、その話はさらに明日の日記に続く。
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