なべて世はこともなし
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2002年01月16日(水) インターネットバンキング…アイルランドで始めるまでのひとかたならぬ苦労とは?

思い立って、「インターネットバンキング」なるものを始めてみようと思った。理由は簡単で、まともに昼間働く私が午後4時(木曜日は午後5時)に閉まる銀行に行くのはほぼ無理なので。くだらない送金や公共料金の支払いを全部ネット上で済ましてしまおうと画策したわけ。それに、残高がいつでも確認できるのもいい。


で、先週他の用事があって銀行の窓口に行った時、どうやったらインターネットおよび電話で取引ができるか聞いてみた。すると、窓口ではできないので、電話でやってくれとのこと。で、専用の電話がロビーに設置してあるとのこと。


ロビーの片隅に確かにひっそりと電話はあった。ただし、何の説明書きもなく、ただうちにあるのと全く同じ家庭用の電話機がぽつんと置いてある。普通の人はこれは内線電話だと思ってまず触らない。で、受話器と取ると…おお、何もダイヤルしないのにどこかにつながった。


「XX銀行テレフォンバンキングへようこそ。通常お取り引きの方は1を、新規のお客様は2を…」


例によってテープの案内。2をダイヤル。すると、


「こんにちは。XX銀行テレフォンバンキング担当XXです」


…おお、すぐにつながった。


新しく、テレフォンバンキングとインターネットバンキングを始めたいのですが…」
「かしこまりました。口座番号を頂けますか」
「XXです」
「お名前を頂けますか」
「Snigelです」
「ミスタースニーゲルさん、いつもありがとうございます。それでは本人確認のため、いくつかの質問をさせていただきます。まず、お取り引きの支店名を頂けますか」
「XX支店です」
はい。ではお手元のデビットカードのカード番号を頂けますか」
「1234567890です」
「ありがとうございます。それからミスタースニッゲルさんは投稿に他の口座をお持ちでしょうか」
「はい。残高はともかく定期の口座があります」
「それから、XXさん(大家)宛てに毎月自動引き落としがあるかと思いますがその金額をいただけますか」



あのー、私はあんたの銀行の支店から電話しとるんじゃ。こんな質問を何個も電話でするより、支店でサインでも書いた方がよほど信憑性が高いと思うのだが…。で、次のオペレータの一言。


「はい、それではミスタースニーゲルさんのご住所…あれ?
「はい?」


なんだ?電話の向こうのお兄さん、なぜか凍ってしまった。


「あのー、お客様のご住所、東京になってますねえ。」
「はぁ?」
「ご登録のご住所はアイルランド国内じゃないといけない規則でして」



何を血迷ったことを言ってるんだこいつは?


「って、いつも通帳や小切手、ダブリンの住所に間違いなく送ってもらってますけど。なんで、ここで東京の住所が出てくるんですか?」


お兄さん困った声で、


「いえ、このシステム上ではミスタースニーゲルさんのご住所は東京になってまして。いえ、あの、投稿の住所登録は2ヶ所ありまして。で、大元の方をアイルランド国内に変更していただかないことには…。あのー、この変更はすぐに支店の方でできますので…。」
「ああそう、今支店にいるから今すぐにしてかけ直すわ」



というわけで、再び支店内に戻り、住所変更。窓口では、ただ新しい住所(というか2年以上住んでいるダブリンの住所)を口頭で伝えただけ。本人確認も何もなし。これならなんで電話でできないんだ?


で、再びロビーに戻り、電話。さっきのお兄さんとは別のおねえさんが出たものの、まさにマニュアル通り再びさっきと全く同じ質問が繰り返される。


「それではご住所…」


…おい、同じところで同じように凍るなよ。


「住所、東京なんでしょう。さっきそういうふうに言われて、たった今変えてきたところなんだけど」
「そうですか。いえ実は、いまこのシステム上ではお客様のご住所は東京になっておりまして…」
「だーかーらー、今支店で変えてきたんだってば!」
「いえ、あの、その、システム上で何らかの変更が行われた場合、その変更が実際にシステムに反映されるまで数時間かかりまして…」



なんでそれを早く言わんのだ?というわけで、撃沈。


で、翌日、再び電話。また別のオペレーターさんと全く同じ問答を繰り返す。


「…それではミスタースニーゲルさん、暗証番号を郵送しますので、その暗証番号が届きましたら、またお電話いただけますか」


…脱力。いつになったら電話とインターネットで取り引きができるようになるの?


で、週末を挟んで翌週(今週なんだけどさ)、ようやく暗証番号が届いた。さっそく電話。


「はい、ミスタースニーゲルさん、お客様のご登録は問題なく済んでおります。実際にお取り引きができるようになるまであと10日ほどかかります」
「って、おめえ、『暗証番号が来たら電話しろ』って手紙に書いてあるじゃないか!なんで暗証番号を聞いても来ないで、あと10日もかかるとかいえるんだよ!」(←キレかけ)
「あの、そのような規則になっておりまして」



…いったい私がインターネットバンキングができるようになるのはいつ?


で、ここから先は全く蛇足なのだが、どうもこの私の口座のある、アイルランドの最大手の銀行の一つは評判がよろしくない。


「クレジットカードを申請したのに3回も拒否された」

とか

「ローンを組んでくれなかった」


とか。特に、クレジットカードの申請時、あるオペレーターは、


「アイルランドで6ヵ月仕事をしていれば大丈夫」


と言ったり、


「最低でも1年が必要」


と言ったり。


で、ある外国人がクレジットカードの申請をしたところ見事に拒否されたそうな。で、電話をしたところ、


「一度クレジットカードの申請が拒否された場合、最低1年待たないと次の申請も自動的に拒否されるわよ」


と脅されたそうな。で、彼女、その2ヶ月後に再び申請を出したところ、見事にクレジットカードをもらえたそうな。…いい加減もここまで来ると立派です。




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