なべて世はこともなし
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2001年11月25日(日) 一夫多妻制について考える(あ、ここは小沢昭一のページじゃないっすよ)

どんよりと曇った(もしかすると雨が降ってるのかもしれない)日曜日の朝でございます。こんな日は、きれいに部屋を掃除して、心静かに読書でもしようと思いつつ、コンピュータの電源を入れるバカ。仕事で使っていることもあって、もはやコンピュータのない生活は考えられないとすら思う。


で、昨日のお話でございます。


実は昨日、うちの同居人のチェコ人に連れられ、市南部のNatgrove Avenueまで行き、チェコ人の友人宅でお昼ご飯にお呼ばれするというちょっとしたイベントがございました。


彼はこの家に住み始めてもう半年以上経ちますが、彼はテレビゲームの隠れキャラ同様、私にとって出会うことがとても難しい人です。朝の7時から仕事をするため、夜早く寝る私に対し、彼は毎日11時か日付が変わる頃にならないと帰ってこない。週末は、毎週のように友人とどこかに泊りがけでどこかに行ってしまう。そんな訳で、彼と会うことはほとんど私にとって不可能に近く、考えてみると、彼と出かけるのはこれが最初。


Natgrove Avenueに午後1時30分。…ということは16番のバスで所要1時間といったところか。12時30頃家を出ればいいな…と考え、12時30分頃出かけようとすると、彼は一言。


「あれ?チャリで行くんじゃないの?」


えええええ?マジっすか?ちょいとあなた、片道20キロ近くありますよ。ダブリンの北の果てから南の果てまで行くんですよあなた。


実は私、昔はチャリンコ少年だった。中学・高校とチャリンコ通学で、高校にいたっては、大嫌いな場所だったにもかかわらず、片道15キロの道を毎日通学してた。今考えると、よく登校拒否にならなかったもんだ。まあそんなわけだから、片道20キロくらい昔を考えれば大したことないのだが、


…思えば高校時代ってもう10年近く昔の話なのよね。


で、イナカの20キロならともかく、ダブリンの気狂いとしか言いようのないドライバーが闊歩する道を20キロ。心配になる。


まあ、しょうがないからチャリのタイヤに空気を入れて、いざ出発。


このチェコ人は毎日私の通勤の倍の距離を通勤してる。慣れているのか早い早い。しかもバイク便の兄ちゃんのように車と車の間を擦り抜けてゆく。


そう、アイルランドでは(っていうか日本以外のおいらの知るほとんどすべての国では)チャリは車道を走る。右折をしたかったら、車と同様右折レーンからどうぞ。そんな世界。


てなわけで右折をしようとして、頭の悪いアイルランド人の運転手と怒鳴り合いをしつつ(再現自粛)、1時間近くかかってNatgrove Avenueに着。久しぶりに汗をかいた。


で、行ってみると、このランチの主催者の方は日本人(まるっきりの偶然)。女性6人に対し、男は私たち二人だけ。市北部からチャリできたと聞いて半ば呆れている人たち。


まあ、この人たちがなかなか面白い人たちだった。


その中でもひとり、見た感じどう見てもアイルランド人なのに


「私スワジランドから来たの」


「はぁ?」



と思わず私は言ってしまった。


何たる偶然。スワジランド。ご記憶でしょうか。この日記に2回ほど登場した国です。南アフリカに程近い国で、国王が、「17歳以下の女性は5年間セックス禁止」と決め、そのすぐあとに国王自身が17歳の女性と婚約したことが発覚し、王宮に抗議に来た女性たちに「罰金」として牛1頭を納めたというあの国。


で、ランチも終わりみんなが打ち解けてきたところで、私はコドモの時からずっと考えているとんでもないぶしつけな質問をしてみた。


「一夫多妻で男女のバランスが取れるんですか?」


こういうふうに考えて欲しい。国によって若干の差異はあるものの、おしなべて人類の男性の比率と女性に比率は同じかそれに近いはず。男性3割に対し、女性7割とかいう極端な差はないはず。だとすると、一人の男が3人の女性と結婚したりしたら、一部のかわいそうな男性は女性がいないから結婚できない…ということにはならないのだろうか。


たとえば、男女20人ずつのグループがあるとします。で、この中の10人の男性が二人ずつの女性と結婚したら10人の男性は女性がいなくて結婚できない…という事態になるはず。いったいこの問題はどうやって解決されるのか?


こんな風に考えたことはありませんか?はいはい、どうせ私はアホタレですが、この疑問、コドモの時に「世界には一夫多妻の国がある」と聞いて以来の疑問なんです。


この質問に対する彼女の答え。


「うーん、多くの男性は結構外国、南アフリカとかに行くし、あとは、一夫多妻制自体、都市部の方では崩れはじめているところもあるみたいだし…」

と言いつつ、「今までそんなこと考えたこともなかった」そうで、ついに満足の行く答えは得られませんでした。ま、私としても初対面の人間にこんな馬鹿な質問で問い詰めようとは思いませんしね。それにしても、男性陣は「結婚ができないから」南アフリカに行くとは思わないのですが。


彼女は代わりにこんな身近でおきた「悲劇」を教えてくれた。


スワジランド出身の男性がオランダに行き、そこでしばらく住んでいた。で、オランダ人の女性と出会い、恋に落ち、二人はゴールイン。女性は悩んだ挙げ句にスワジランドに行くことに。


で、彼の豪邸に着いて言われたこと。


「これがボクの家。それから彼女たちがボクの妻たち


即離婚だったそうな。女性からすれば、まさか「一夫多妻」なんて夢にも思わなかったんだろうなあ。


この日はそのほかにも、イタリア人の女性などもいた。私はいつもの癖でイタリアワインを買ってお土産にした。で、


「みんな『フランスワインがいい』一番とかいって誰も同意してくれないけど、私はイタリアワインがいちばんと思う」と持論を展開。(注:ワインの味なんてそんなに分かりません。銘柄も知りません。でも、なぜかイタリアワインのファンなのです)するとイタリア人の女の子から、いきなり


「アイラブユー(はあと)」


と言われてしまった。…聞けば、そのワイン、彼女の出身の村から来たワインなんだと。こうして、私は「出会ってからアイラブユーといわれるまで数分」というハレンチ新記録を更新致しました。言うまでもなく、彼女は冗談で言ってますけどね。ははは。


というわけで、おいしい日本料理を作ってくれたこと、それから快く私を迎えてくれたAさんに感謝を致しております。ま、こんなページの存在はご存じないでしょうけど(ご存じなくていいのですが)、この場を借りて御礼申し上げます。





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