なべて世はこともなし
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2001年11月16日(金) ワールドカップに出場を決めたアイルランドのクレーム処理

昨日、ワールドカップ出場を決めたアイルランド。来年のワールドカップは「日本と韓国の共同開催」にもかかわらず、なぜか、日本ばかりにがぜん注目が集まっている模様。で、今日になって同僚から同じ質問を何度も受けます。


「おい、Snigel、日本には『カプセルホテル』ってのがあって、それが一晩7000円もするって本当か?!」


「おい、Snigel、日本ではビール1杯1000円以上するって本当か?!」


聞けば、ラジオか何かでそんなことを言ってたそうな。とある日本人の女の子の発言。


「これを機会に日本が知られるようになるのはいいことだ」


それはそう思うけど、なんだか実物とかけ離れた日本が紹介されていくような恐れも…。ま、「フジヤマサムライハラキリゲイシャ」なんて理解されるよりはマシでしょうけどね(そんなばかはもういないか)


で、昨日予告していた通り、今日はクレームのお話。


数日前、月に一度定期的にやってくる不幸の手紙、別名「クレジットカード利用明細」がやってきた。


んほげぇ


と、北斗の拳でも使われなかったような擬音でその請求合計額に驚いたおいら。ショックを受けつつ、じっと請求書の金額を見ると…


ん?


と思うものがあった。


それは、先月借りたレンタカー会社からの請求。ん?同意した額の2倍もふんだくってるじゃあないか。


ご存知ない方の為に解説すると、レンタカーを借りる時(少なくともアイルランドでは)契約書にサインし、その契約書の請求額のところはサインした段階では空白。で、レンタカー会社が車の返却後に請求額を書き込み、クレジットカード会社に請求する。ま、何はともあれ、その金額が予想していた額の2倍だったのだ。


なんじゃあこれは?


早くも戦闘モードに入ったおいらは、レンタカーを借りた時の封筒を見ると、でかでかと電話番号が赤字で書いてある。さっそくそこに電話。


「もしもし、今日受け取ったクレジットカードの請求書に異議があるんですけど」
「はあ?」
「はあじゃなくて、請求額に誤りがあると思うのですが…」
「どちらのレンタカー会社ですか」
「って、あんたんとこに決まってるでしょう」


…どうも話がかみ合わない、ふとその封筒を見ると


「故障の時はこちらの番号へ。」


教訓。怒ってる時は深呼吸をして自分が何をしようとしているか確認をしよう。


その電話先のおねえさん、ご親切にも相手先の電話番号を教えてくれました。すみませんでした。


で、正しい電話番号に電話。


「もしもし。請求された金額に異議があるんですが」
「少々お待ちを」



…たらいまわし…。


「もしもし、請求された金額に異議があるんですけど」
「伝票番号は?」
「1234567890です」
「Snigel様、10月20日の夜10時にお借りで、お返しは10月22日の朝7時30分でしたね」
「ちげえよ」
「こちらの記録によりますと、朝の7時30分に返却とありますが」
「21日の午後10時に返したよ」
「しかし…」
「しかしじゃない、ちゃんと調べて」
「かしこまりました。では、明日必ずお電話差し上げます」



この時点の翌日は昨日。昨日、電話はありませんでした。ま、アイルランドの常識から考えたら当然ですが…。


今考えていることは、今日か月曜日もう一度電話をかけて満足の行く回答を得られない場合、クレジットカード会社を通じて、この支払い自体を止めてやろうと思っています。幸か不幸か、クレジットカードの支払い争議が自分の仕事の一部なのでやり方はよく知っていたりするのです。


で、この電話の後に昨日の日記に書いた通りUSITに行き、航空券を買い、そのあとオコンネル橋を見下ろす某パブに行き、一杯。2杯目を頼むと、グラスの側面にリップスティックがついている。


おいら、田代OさOではないので、グラスにリップスティックがついていても嬉しくない。むしろイヤだ。てなわけで、「悪いけどグラスを換えて」と頼む。


で、その時点でふと思い出したのだが、どこでかは忘れてしまったが、やはりどこかのパブで同じようにグラスが汚かったことがあった(もっと言えばグラスが汚いことはあまり珍しいことではない)。その時、バーマンに文句を言ったところ、何も言わずにビールを汚いグラスから比較的きれいなグラスに移した…ということがあった。言うまでもなく、これでは何の意味もない。


で、その一件以来、そんなクレームをつけても何の得にもならないと思ったのだが、今日はなぜか言ってしまった。


すると数分後、きれいなグラスに新しいボトルのビールをおねえさんが持ってきてくれた。笑顔と一緒に。この瞬間にこのパブのファンになったことは言うまでもないかと。


「クレームはチャンスである」とおいらがよくお邪魔する「電気売場店員のクレーム日誌」のEach Timeさんもおっしゃってますが(リンクのページからたどれます)、本当にそのとおりだと思いました。レンタカーのA社さん、あなたは今、常連客がもっとファンになるかそれとも常連客を失うかの瀬戸際に立ってますよ。




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