なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2001年09月13日(木) |
台風とテロに見舞われた男の悲劇 |
ひでかすの友人ハラボー(仮名=日本人)が11日に日本からわざわざひでかすに会いにやってくるというので、おいらが急遽彼を空港までお迎えに上がることになった。ひでかす本人が行けばいいのだが、ひでかすは残念ながら今週は仕事が遅番なのでどうしてもハラボーが来る時間時空港に行けないのだと言う。
で、ハラボーは11日の朝成田からアムステルダムを経由して、ダブリンに(こっち時間の)午後4時半には着くということだった。おいらが会社が終わるなりに空港行きのバスに乗れば十分間に合うな、などと考えていたのがこの日の午前11時ごろ。するとひでかすから電話がかかってきた。
「東京、台風。ハラボーのヒコーキ遅れる。ゆえに、4時半には着かない」
そう、この日は台風。彼の飛行機は当然定刻に飛べるはずもなく。
すぐにひでかすから続報が入り、
「ハラボー、アムステルダムからダブリン行きの最終に乗るから、着くのは午後9時30分になる」
まあ、ここまではよかった。ところが数時間後、とんでもないニュースが飛び込んできたのだ。
「アメリカで大規模テロ発生」
ひでかすより再度電話。
「こりゃ、今日はハラボー、アムステルダムで足止めだな」
…と言うわけで、仕事の終わったあとおいらは自宅待機ということに。
数ヶ月近寄っていなかったリビングルームへ。理由は簡単、テレビ。普段はテレビ大嫌いで見ないのだが、この日は完全に例外。スカイニュースとBBC1のニュースに完全に釘付け。
で、インターネットで調べてみると、ダブリン空港着のヒコーキは軒並み遅れている。とはいえ、遅れは30分程度。なのに、ハラボーの乗った飛行機だけなぜか3時間遅れ!「到着予定時刻午後11時30分」ふざけんな。
ま、事態が事態だけに仕方がないということで、午後11時ごろ、自宅を出て空港行きの最終バスに乗る。最終バスの運転手は家に帰ることだけを考えているのか、ものすごい勢いで飛ばし、あっという間に空港着。
空港の電光掲示板によれば、
「到着予定時刻0時5分」
待つこと1時間、ハラボーは疲れた表情でやってきた(そりゃそうだわな)
で、実はここからが問題でして。交通後進国ダブリンは、11時30分以降、公共交通がなくなる。で、それ以降は(シティセンター発の深夜バスを除き)タクシーに依存せざるを得ない。で、タクシーの前には30人ほどの行列。「これくらいならまだいいか」と思いきや、実はタクシーが全然来ない。どうも普段11時30分以降に到着する飛行機はないらしく、タクシーが空港の方にやってこないのだ。
なんだかんだで1時間待ってうちに帰りつく。ま、何だかんだ言っても、一番不幸だったのは成田からダブリンまで24時間以上かかったハラボーかもしれない。
んで、このアメリカでのテロはいろいろなカタチでおいらの周辺にも影響が出ています。実はとある航空会社のコールセンターが同じ敷地内にあり、そこは今まさに戦争状態。聞いた話によれば、電話は鳴りっぱなしで、一度出勤したら最後、12時間は帰れないとか。
で、くそ忙しい中にこんな電話がかかってくるのだそうな。
「今、ドイツなんだけど、すぐにアメリカに行けるのはいつ?この騒ぎをこの目で見てみたいんだよね」
…もはやおいらの論評は無意味です。ちなみにこの電話を受けた某欧州系の航空会社、アメリカ行きは来週末まで完全に満席だそうです。
で、明日、アイルランドは臨時の国民の休日になりました。「テロへの被害者へ祈りを捧げる日」だそうな。「休みが増えた。ラッキー」とは素直に言えません。これからどうなるかも分からないし。何にせよ、被害に遭った方のご冥福とご回復をお祈りしたいと思います。
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