なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2001年07月03日(火) |
アル中と戦いつつドイツ語を習いに行く |
昨日、仕事が終わるなり、勇んでドイツ語の初レッスンへ。先週の日記にも書いた通り、チャリンコで街にいくのは自殺行為なので、やむなくバスの1週間定期を買う。
市の北部、Fairviewを経由するバスの多くはO'Connel Streetから1本外れたなんとなく暗いイメージの裏通りに到着する。で、この日もその裏通りに着。ここには、”Dublin County Youth Information Centre”といういまいち何をしているんだかわからない薄暗く小汚い事務所があり、その外にはホームレス(というかアル中)が数人いつもたむろしている。
これ自体いつもの光景なので、おいらの視界にその連中は視界に入っていなかった。そして、いつもの通り通り過ぎるはずだった。ところが、そのうちの50くらいの男が、
“Small change!”
と言ってくる。おいら当然無視。どんな事情があろうと、町中で人にお金を分け与えたりはしない。で、そう言われること自体は珍しいことじゃない。ただ通り過ぎるだけ。ところが、次の瞬間、尋常でないことが起こったのだ。
…なんと、このオヤジ、通り過ぎようとするおいらを後ろから(そんなに強くないにせよ)掴んできたのだ!で、
“give me 10”(10ペンス=14円の意味なのかどうかはよくわからない)
ま、おいらもダブリン在住3年目、そんなことでは驚かない。それでも無視して通り過ぎようとする。すると、よくわからないし、わかりたくもないが、品のない言葉をおいらに投げてきたのだ。
おいらも怒らない。ただ、冷たく、でも大声で
“Shut up peasant” (意味の分からない方は、恐れ入りますがご自分でお調べくださいませ。辞書に書いている意味以上に悪く響く言葉です。)
と言って歩き去る。後ろでなんだか言ってたが、幸いこのテの人間の言ってることはまず理解不能なので、さっぱりムシ(ただし、悪意は言語を超えるから、何かひどいことを言ってるのはわかる)。
そんな訳で、街にいくとたいがい一つはイヤなことが起こる。いいことと相殺できる日が多いから、何とかやっていけるのだけど。
で、「なんだかなー」と言わざるを得ない事態が続く。目的地の学校に殊勝にも一時間も早く到着。で、事務所に顔を出す。
おいら:「ちわー。今日からのコースに登録してたんですけど…」 事務員(多分アイルランド人):「そう、それで?」
「それで」って何やねん?初日なんだしいろいろしなきゃいけないこともあるだろうが!!
おいら:「登録とかはしなくていいの?」 事務員:「お名前は?」 おいら:「…です。(一字一字スペルを言わねばならない)」 事務員:「あなた、授業料払ってませんね?」
お前ナメてんだろう?ちゃんと小切手を先週の半ばに郵送で送ったわい!
おいら:「先週送ったけど、着いてない?」 事務員:「着いてませんねえ」 おいら:「絶対に、着いてない?」 事務員:(机の上を調べ直して)「ないです」
…つまり、アイリッシュポストはおいらの小切手を迷子にしてくれたのねん…。アイリッシュポストのホームページには「アイルランドの都市間の郵便物の少なくとも90%以上は、翌日に到着しています」
ならば問う、アイリッシュポストよ。おいらの小切手はどこやねん?
とかなんとかやっているうちに、授業開始。ま、人数の多いこと多いこと。おいらが知る限り生徒の数が15人を超えることはまずないのに、そこには20人ほどの生徒が。
この生徒、そのほとんどはもちろんアイルランド人。ところが、オーストラリア人からスペイン人、変わったところではマレーシア人なんかも混ざっている。なかなか興味深い混ざり方だと思う。
で、注目の先生。ベルリン出身の60になろうかと思われるじいさん。教室に入るなり、
「(学校名)へようこそ!まずは、私の自己紹介から…」
と、とうとうとドイツ語で自己紹介を始める。なぜドイツ語が分かるのかって?理由は簡単で、先生が、一語一語それこそ噛んで砕くようにゆっくりと話してくれたから。しかも英語に似た、あるいは同じ言葉を気をつけて使ってくれた。それなら何とか分かろうと言うもの。
数分後、英語で、
“Do you understand my story??”
肯く生徒たち。次の一言においらはぶっ飛んだ。
「なんだ、ボクの言ったことが分かるなら、全然初級じゃあないじゃあないか!」
なんだかこの言葉に不吉な予感を感じたおいら。その後授業は、まさに基本中の基本の自己紹介。
“Guten Abend. My Name ist Snigel, und du?” (意味は読んで字のごとし)
それが終わった時点で、30分の休憩。
この休憩の時に、先生は爆弾発言をする。
「あー、今日は、ビールがあるから飲んでいいよ」
をいをい!どこの学校が中休みにビールを生徒に提供するねん!(しかも無料で)
ま、無論、これは例外中の例外の話でして。何でも先週にMid Summer Party(強いて日本語に訳せば「夏至パーティ」になるのかな?)があって、その残りがタルで残っているそうな…。だとしても、恐るべしドイツ人。
で、休憩のあと、2時間目に突入。…と言ってもさっきと同じ先生。で、今度は、数の数え方。ここでおいらは再びショックを受ける。
…みんな既に数え方知ってるやんけ!!!!
ここは曲がりなりにもElementaryのコースのはず。チラシにも、「ドイツ語の経験のない方」と明記してた。なのに、生徒の多くはドイツ語にわずかながらも知識がある。おそらく、高校時代か何かに1-2年勉強してて、最近必要に迫られて(転勤とか)ドイツ語をやり直したくなった奴の集まりのようなのだ。自慢じゃないが、おいら、ドイツ語など、10語も知らない!
バスを乗り継いで帰宅した頃にはへとへと。今日は6時に起きなければならず、寝不足。今も何となくボーッとしてる。この後このコースはどうなるのか。この話は同時進行にて続く。
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