なべて世はこともなし
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お知らせ:6/18の「世界一周その1」の続きです。もし、そちらをお読みでないならば、まずは6/18(つまり、この上にある日記)の「世界一周その1」をお読みください。
こうして、ファーストクラスでゆうゆう飛ぶはずが、エコノミークラスでニューヨークくんだりまでやってきたおいらたち。間髪をいれずニューヨークからロンドンまで飛ぼうとするが、この区間も混んでおり、運がよくてエコノミークラス、運が悪ければ、空港の長いすで一泊という事態になってしまった。ひでかすはもろに不機嫌だったが、一方のおいらは至って平静。おいらの人生の経験上、「ここ一番」という時に、おいらはとんでもない強運を発揮するのだ。まあそう信じることができる能天気さで、いろんな問題を乗り越えてきたことは事実だと思う。
定刻まであと10分。そろそろ呼ばれるかなー、という頃。搭乗口の職員が突然日本語で、
「XX(おいらの名前)サーン、イラシャイマスカー」と呼ぶ。
さあ、判決は?エコノミークラスか?はたまた空港で1泊か??
そのおいらの背より20センチは高いだろう黒人男性職員、おいらたちに2枚の搭乗券をくれる!ということは、乗れるのだ!次の瞬間、ひでかすが、突然「おおお」と叫ぶ。
そこに書かれていた座席番号は「1C」と「1E」
そう、ファーストクラスのチケットをゲット!!
アホ二人(おいらたちのことねん)はその職員に耳から耳への笑顔(満面の笑顔ね)を浮かべ、飛行機へとつながるブリッジへ。
そして、いざ機内へ。おおお、機内最前部のファーストクラスのシートが二つ空いている。この会社のB767の場合、エコノミークラスのシートが、2-4-2配列(左右の窓のほうに各2席、中央に4席ということ)に対し、ビジネスクラスのシートは2-2-2。そしてファーストクラスは2-1-2。単純計算すれば、ファーストクラスの席の横幅は、エコノミーの1.5倍近くということになる。
そしてシートピッチ(前の席との間隔)は、前の席にどんなにがんばっても足が届かない、前の席のシートポケットにある雑誌等にはベルトをしている限り手が届かない。
別の例えをあげると、エコノミークラスの場合、窓際の人がトイレに立とうという時、通路際の人は、席を一度立たねば通れない。ビジネスなら通れるけど、ちょっと通路際の人に気を使ってもらわないといけない。それに対しファーストクラスは、通路際の人に気兼ねなく席を立てる。これが違いだろう。
というわけで、おいらは2-1-2の中央の席を、ひでかすはその右の席をゲット。
実は、まだ安心してはいけないのだ、ドアが閉まるまでは。というのも、後からちゃんとしたチケットを持った人がやってきて、「悪いけど、お客さん来たから降りて」と言われる可能性があるのだ。実際にそれで、一度乗った飛行機から降ろされたかわいそうな人をおいらは知っている。
そんなわけで、ウェルカムドリンクのシャンペンをしっかりもらいつつも、おいらの視線はどうしてもドアの方に行く。
…はたしてドアは閉まった。こうして9回の裏の大逆転で、おいらたちはまんまとファーストクラスのシートをゲットしたのでした。
どうもおいらたちふたりに専属のスッチードさんがつくらしく、40くらいであろう、豊富な経験を感じさせるなかなか男前のスッチードさん(作者にそっちのケはないので念のため)が、シャンペンをどんどん注いでくれる。…ということは離陸しないのだろうか?というのも、ウェルカムドリンクは、おそらく安全のためだろうけど離陸の際に一度回収されるのだ。
結論から言うと、おいらたちの飛行機は1時間遅れで離陸した。なにやら、トイレに若干の問題があったのと、飛行場がやたらと混雑していたらしい。とはいえ、広い席でシャンペンを優雅に飲んでいたら、そんなことはまったく気にならない。
で、機は定刻より1時間遅れで離陸。しばらくすると、おいらたちに機内食のメニューが配られる。ああ、知らなかったよー、おいらが、いつも揺れるエコノミークラスの狭いテーブルで、チキンかビーフか悩んでいるときに、金持ちどもは揺れないファーストクラスで、こんなにいいものを食ってたのか!(単にひがみ)
頃合いを見計らって、別のお局スッチーさんが、おいらたちに何が食べたいか聞いてくる。そう、選択の余地があるのだ。エコノミークラスのように、
“Can I have chicken please?” “Sorry chicken is all gone!!”
なんて言われて、食べたくもないビーフをつつく羽目になる、ということはあり得ないのだ。
そして、真っ白なテーブルクロスがテーブルに敷かれ(そこまでするんだねえ)まずは、ビーフカルパッチョから。…うまい。よく見ると、ナイフとフォークも銀製だぞ。以下、サラダに、ダックにと、高級レストランのディナーよろしくフルコースで出てくる。で、デザートに、アイスクリーム。これがおいしかった。
その後は、パーソナルビデオでビデオ鑑賞。驚いたことに、まず、ヘッドフォンの音がよく、しかも、機内が静かなので、映画が楽しめるのだ。エコノミークラスでは、まったく楽しめなかったのに…。で、一眠りした頃には、もう到着間際。再びおいしい朝食をいただき、8時間のフライトは、本当にあっという間に終わってしまった。
正直に書くと、実は、これがおいらのアッパークラス初体験ではないのだ。数年前、某イギリスの航空会社のロンドン−成田間のフライトで、ビジネスクラスで飛んだことがある。この時も、まったく疲れなかった。エコノミークラスと雲泥の差を感じたのだった。
ちなみに、このニューヨーク−ロンドン間をファーストクラスで飛んだ場合、大体片道80万円くらいなんだそうな。で、エコノミークラスなら、うまくすれば3-4万で飛べるはず。とすると、20倍の値段ということになる。さすがに80万は払えないけど、ある程度の割増でビジネスクラスやファーストクラスに乗れるなら、それは払う価値はあると思う。ああ偉くなりたい、などと、アホなことを考えてしまうのでした。
(そのあとは、ロンドンで半日過ごし、Ryanairの格安航空券でダブリンまで無事に帰ってきました。)
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