自分のことは棚に上げといて・・・
DiaryINDEX|past|will
2004年12月05日(日) |
「君のぞらじおPresents 萌えのヒットスタジオ」ライブレポ |
アンコールのスポットライトの下。
涙ぐむ栗林みな実の身体を支えたのは、隣に並んでいた彼女だった。 見つめあい、言葉も交わすことなくお互いに笑いあうと、 そろって観客に向き直り笑みを浮かべ、手をふった。
いつしか他のメンバー達も、お互いに身体を寄せ合い、 同じ喜びの時を過ごした家族達へ精一杯の感謝の気持ちを表していた・・・。
『アカネマニアックス第一章』、栗林みな実BEST ALBUM 『 Overture 』の 発売を記念してと銘打たれたイベントではあったが、間違いなく彼女との 合流の場所を作るために用意されたイベントだった。
当然、時期尚早だとか、この間卒業したばかりなのに、とか事務所は何を 考えているんだとか、一部事情を知っている人間は思うかもしれない。
けどさ、僕たちにとっては「早瀬水月」が帰ってきた、いや、やっと彼女が 合流した・・それだけのことさ。
そして、その事実以外の大人の事情は些細なことでしかない。 名前が飾り物だとは言わない、十分に大切なものだし、色々と事情もあるのだろう・・・。 けれど「君が望む永遠」というゲームをプレイした者、テレビアニメを 見た者、そういった人間とって早瀬水月という人物は彼女以外にいないのだ。
名前がどうこうの前に、「彼女」という人間以外に、僕らの水月は存在を 許されないのだ。
イベント前から、予感はあった。 確証は無かったけれど。
イベントはいつものごとく淡々と進む。 谷山さんがヘタレトークをかまし、ジョイマックスがボケをかわす。 浅井さんが吼え、栗林が天然ボケをかわず。
栗林みな実が「Rumbling hearts」を歌う。 バックに流れる映像は、いつもの遥と水月が背中合わせに並ぶ アニメーション。
『小さな花火、消えない・・・』
そんな栗林の歌声とともに、間奏へ。 そして直後、バックステージから新しい花火があがった。
これまで実現することの無かった光景が眼前でひろげられる。
『水しぶき、光あびて・・・』 歌いながら、白稜柊の制服に身を包んだ彼女が光を浴びながら登場した のだ。
遥と水月のツインボーカル。 これまでで、一番会場が沸いた。
色々と意見はあると思う。
でも、みんな彼女に一日でも早くキミのぞメンバーに戻ってきて 欲しかったのだ。
新しい仲間として紹介される彼女に、会場の声援は暖かかった。
『ただいま』 『おかえり』
そんなやり取りが、言葉にされずにおこなわれていった。
ブルーティアーズを歌う彼女の目に涙は無かった。 遠い夏の日、それは彼女にとってまだ終わらない夏、皆と過ごしていく これからの日々。
暗い影はそれを闇に葬るのではなく、明るい光をもってより印象の 強い影をつくりだせばいい。
彼女は早瀬水月。 それ以外の誰でもない。
つまりはそういうことだ。
『何か言いたいことはある? さん、にい、いち、はい!』
今の彼女なら、笑ってそういうに違いない。
13100
|