もう愛だとか 恋だとかむずかしく言わないで・・・...川崎 憂

 

 

「その ひぐらしのなく頃に」〜白川郷探訪物語3 - 2005年09月06日(火)

 平日、しかも天気は雨。
 にもかかわらず、予想外に観光客が多い。
 狭い道路、見つからない駐車場。

『このままだと、いつか人、轢くな・・・』

 と思いながら車を山側の道へ進ませていく。

 で、駐車場を探しながら進んでいると左手側に偶然、今夜宿泊予定の民宿
「大田屋」さんを発見。

 助手席の犬神クンから「車を置かせてもらえるえないか確認してみたら
いいんじゃないか?」との助言もあり、本来のチェックイン時間の5時間も
前に、僕は民宿の戸を叩くこととなった。

 宿のおかみさんの許可を無事とりつけ、駐車場に車をとめ僕は探索を
再開することにした。
(この時点では、犬神くんはただ後から付いてくるだけの存在でた・・・)

 時間はもう午前10時を過ぎ、天気は雨。

 探訪場所資料が入ったノートパソコンを持ち出すわけにはいかないので
記憶を頼りに山の上の展望台とゲーム中に登場する通学路を探すことにする。

「雨はいいなぁ」

 という感じで、同行者はのんきに後ろからついてくる。
 まずは城山展望台を目指したが、一般的な通路とは反対側から上りだした
形になったようで、明らかにただのケモノ道のような道を足を滑らせない
ように歩みを進める。

 小雨にもかかわらず、蝉の声が響きわたる。
 残念ながらひぐらしではなく、アブラ蝉ではあるが(苦笑)

 運動不足の身体に活をいれながら、5分ほど進むと平地の舗装された道へ
ぶつかった。
 どうやら山頂に到着したようだ。

 目の前には駐車場。
 そしてその奥には展望台らしき場所と併設の茶屋らしき建物があった。

 山の上から見渡せば、眼下に広がる雛身沢村の風景(笑)



 19インチのゲーム画面でみたあの村が、今僕の目の前にあった。
 しかし、ここは有名観光地。
 ご多分に漏れず他にも観光客はいるわけで、ちょっと落ち着かない。

 しかし、心落ち着かない理由がもうひとつあった。
 入り口脇にかけられていた「私有地」を示す看板。

 ここからの景色を楽しむなら、お茶くらい飲んでってくださいね、
という感じの土地所有者からのプレッシャー。
 同行の人は店の人の視線とかは気になされていないのか、気付いていないの
かは知らないけれど、マイペースで景色を堪能している様子。

 この場所から景色は、正確にはゲーム中に出てきた景色からは若干ズレ
ているようだった。
 どうせゆっくり楽しむのなら、プレッシャーがなくてゲーム中に出てきた
場所で景色を堪能しようと、僕は足早にその場所を離れることにした。

 すぐ近くにもうひとつの展望台があるらしいので、そちらへ向かうことにした。
 
 ふたつめの展望台にも先客がいた。

 先客は男性三人組。
 あ、なんか今オーラが見えた。
 あれだ、僕とか犬神くんとか良く知ってるオーラだ。

 犬神君に目配せをすると、そこで一旦立ち止まりしばらく彼らとの
間合いを取ったまま様子をうかがうことにした。

 姿を見せぬまま鳴き泣き続けるセミの声が耳の奥で共鳴し、一瞬ツーン
とした感覚が三半規管を揺さぶり平衡感覚をうしないそうになる。

 ぬかるんだ足元が一瞬沈み込んだような気がして、あわてて一歩だけ
あとづさった。

 けれど、足元はきちんとした地面で、雨は上から下へ降り、左手奥には
雛見沢の景色が広がっていた。

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