◆読書
荻原規子「空色勾玉」
ああー、泣いた泣いた。久しぶりに再読。稚羽矢(ちはや)が魚になり、鹿になり、馬になる解放感に、甦りを続ける闇の一族の別れに、輝(かぐ)の大御神と闇(くら)の大御神の逢瀬に。松虫草の原の美しさにも泣いた。このお話を読むと、死はそれでお終いのエンドマークではなくて、ほんのひとときの変化じゃないかと思うんだ。
後悔がひとつ。鳥彦が出てきた時に「風神秘抄借りてくるの忘れた・・・!」
荻原規子「白鳥異伝」
この話が一番痛々しくて苦手なんだけど、菅流とその仲間の陽気さと何事にも真剣にならない様子が好きだ。あと熱烈なラブストーリーであるところ。これも最後泣いた。
荻原規子「薄紅天女」
この話は竹芝の二連と千種と異装の皇女がいいのだな。「あのシーンはまだ出てこないのか?」と記憶を辿りながら読んだのは、やっぱり姿を変えるシーンが好きなせいなんだと分かった。同じく泣いた。あとこの三部作通してジョイ・チャントの「赤い月と黒の山」に通じるものがある気がする。
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