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2004年08月26日(木) 「戦争コスト時計」NYに 経費をリアルタイム表示

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1日読書。

ローズマリー・サトクリフ「落日の剣 真実のアーサー王の物語(上)(下)(2004-104〜5)
原書房(2002年12月)

また山本訳なんだけど・・・。アーサー王のモデルと言われるアルトスの生涯とブリテンのともしびが消える前を描く。「ともしびをかかげて」と「夜明けの風」の間かな。と書くと題名にも深い感慨がわく。
大人向けの本なので大人向けに書き分けてあってサトクリフさすが。アルトスとその妻の関係や、戦やその他の理由での死の描写も大人向けに(残酷に真実に)なっている。アーサー王伝説を知っていて読むと(どの部分をとりあげ、どの部分をサトクリフが補ったのか)また面白い。
冬の終わりにはただ飢えに耐えるしかなかったことや、飼葉がないと馬の世話ができないことなど、当時あたりまえだったことがいちいち書かれてないと思い至らない現代の私達。これ読むと「ナマコの眼」で出てきた最初ナマコは飢饉食だっただろうという話などにも考えが飛ぶ。

ローズマリー・サトクリフ「ケルトとローマの息子(2004-106)
ほるぷ出版(2002年12月)

原題は"outcast"(宿なし/見捨てられた)。出版当時はあまりの悲惨な境遇に厳しすぎるとの声があったそうだ。
以下あらすじローマの船が難破した時、両親の間に縛られていたために助かった赤ん坊が、ケルト人の村で育つが、やがて不作と疫病のために追放される。ローマ人の住む町へ仕事を探しに行くがだまされて奴隷として売られ、ローマへ。そこから逃げ出した先で運悪く盗賊宿に宿を乞い、盗賊の一味としてつかまってガレー船を漕ぐことになる。ガレー船の中で鞭打ちにあい意識を失い、海へ捨てられる。またブリテンに流れ着き、ローマの奴隷時代に会った百人隊長に偶然助けられ、干拓を手伝うことに。実は百人隊長は亡くなった妻によく似ていたため主人公を自分の息子ではないかと思っていたのだが、彼の生い立ちを聞いてそうではないことを知る。しかし百人隊長が主人公が逃げ出す前に彼を買い取り解放していたので、実はもう奴隷ではなかったのだった。ということで、冤罪も晴らすことができ(奴隷時代に親切にしてくれた主人の娘のおかげもあり)、晴れて自由の身に。偶然自分の村から来た竪琴弾きにも再会し、母に元気だと伝言をしてもらい、自分は百人隊長の息子代わりに農場を手伝うかローマ軍に入るか明るい未来が開けるところで終わり。
今回はアクイラ家の子孫の話ではなかった。確かに次から次へと災難に見舞われる主人公は可哀想だったわねー。


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