2002年09月15日(日) |
花の都の蜜は甘いぞ オペラ座のミツバチ、パリを飛ぶ |
三宅島の植生、回復進む 一時減少した鳥も戻る(以上 asahi.com)
表題のニュース。 たしか五木寛之氏の「僕のみつけたもの」か「ちいさな物みつけた」かどちらかで紹介されていた気がする。・・・うーん、パリへ行った時買ってくればよかった!
いかにも"私好み"な上記題名は、五木寛之氏がみつけた古今東西の「もの」を写真入りで紹介する本。 私はこういう本が大好きで、谷村志穂/飛田和緒「お買物日記」とか原田宗典「こんなものを買った」とか、題名に惹かれて手にとった本は枚挙に遑がない。みんな小説家なのに小説を主に読んだことはない(^^;
ということで、パリへ行かれる方はオペラ座土産にぜひ。
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ブックオフへ。 教訓)行く時は要らない本を持っていこう。
ドン・キホーテへ。 教訓)要るものは昼間のうちに買いにいこう。
コンビニで「苺のこころ」(冷凍いちごの周りにアイスとチョココーティング)を買った。味はまぁまぁ。常々冷凍いちごって玉葱の匂いがすると思ってるんだけど、私だけ? 関係ないけど六花亭のストロベリーチョコ(アイスではない)は激ウマ。
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讃岐典侍「讃岐典侍(さぬきのすけ)日記森本元子訳」(2002-123)☆☆☆
堀河天皇の崩御までの様子(脚気だったんじゃなかろうか)は時間を追って冷静に書いてある。神璽(三種の神器のひとつ)の箱を胸に乗せたのにちょっと驚いた。(効果はなかったらしいが。) 天皇崩御のあと、讃岐典侍が天皇の汗を拭いた檀紙を顔に当てながら傍に座り「皆のように声を立てて泣き騒げないのは自分がお慕いする思いが劣っているのだろうか」と思うあたり、淡々としていてぐっとくる。泣くのは簡単だし楽だし、平安時代は男も女もすぐ泣くのを良しとされていた筈だが、それでも泣けないこともある。900年経っても、人間はあまり変わらないことよ。 回想に出てくる堀河天皇の気配りに、二人の間にあった愛情が伝わってきた。
志賀直哉「城の崎にて・小僧の神様」(2002-124)☆☆☆
ちょっと読みたくなって。「城の崎にて」は国語の授業でやらされた嫌ぁな思い出があったのだが、授業で解釈などしなくて良ければ悪い話じゃなかった。
・母の死と新しい母 悪阻でなくなった母と、若くて美しい母 ・清兵衛と瓢箪 これは清兵衛という子供と瓢箪との話である。 ・正義派 都電が轢き殺した子供。工夫。茅場町の大きい牛肉屋。(この神経は凄いぞ。) ・小僧の神様 仙吉は神田の或る秤屋の店に奉公している。(鮪の鮨。一つ6銭。) ・城の崎にて 蜂と、鼠と、いもり。生き物の淋しさ。 ・好人物の夫婦 「−いやなことをおしんなっちゃあいやよ」(忠実な口語体。)滝の悪阻。 ・雨蛙 誠に美しい、目に光のない田舎娘。隣町の講演。雨蛙。 ・焚火 湖でボート。白樺の皮で火を熾して焚火。不思議な話。 ・真鶴 水平帽。月琴を弾いている女。 ・山科の記憶 妻と他の女をどちらも愛する男。妻と若い医者。 ・痴情 祇園の仲居との別れ、妻の手紙。(いじらしさと苛々は紙一重。) ・瑣事 京都には妻に隠れて会いたい人間がいた。 ・濠端の住まい パンとバタと、紅茶と生の胡瓜と、時にラディシの酢漬け。 (簡素な暮しぶりはちょっとあんまり頂けない。) 雛も可哀想だし母鶏も可哀想、猫も可哀想。箱の中で暴れる猫の声。 ・転生 気のきかない細君。鴛鴦と狐。「何という馬鹿だ!」 ・プラトニック・ラヴ いかにも厚みのあるトロリとした肌ざわり。東京の芸者を吹雪の山陰で思う。
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