2002年08月11日(日) |
ようやくマグリット。 |
温暖化で「水没」危機のツバル、大企業を提訴準備 骨折に負けるな モスクワで米から嫁いだキリンに声援(以上 asahi.com) 海水浴場に雪が降り注ぐ◆岡山(TBS Newsi)
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スジエビ隊、塩水浴を終えて昨夜からメイン水槽へ合流。エビ度アップ。 今朝またぼーっと水槽を見ていたら・・・なんだか綺麗かも?エビが小さなハサミでコケをこそげては口に運ぶ。「水換えしたばかりでコケが少なくてすみません」と謝りたくなる位の熱心さで食べていた。エビが増えたのに比例して水槽が綺麗になっているらしい。
このエビを見るとシャ−ウッド・アンダソンの「ワインズバーグ,オハイオ」の中の「手」という短編を思い出す。水槽の前でふとブンガク的になる私。
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ようやく、ようやく。
マグリット展@Bunkamuraザ・ミュージアムを観てきた。展示93点のうち日本初公開が52点という贅沢な催し。(但し東京会場では展示されない作品が4点。いずれも日本の美術館所蔵の作品なので、観ようと思えば別の機会にも観られるが。) マグリットが撮影したプライベートフィルム(74分)の上映もある。
確かに図録でしか見たことのない絵が多く、見慣れた絵も近づいてじっくり見るとまた新しい発見があったりする。 嬉しくて薄ら笑いを浮かべて観て回る怪しい黒ドレスの女。
「心の琴線 La corde sensible (油彩・1960年)」は、初めてマグリットの実物を観た、はるか昔の展覧会で買って、長い間部屋に貼っていたポスターの図柄。(私の生まれて初めて買ったマグリット・グッズだ。)今でも好きな絵だ。 #実はこの時、デルヴォーの汽車の絵のポスター(記憶では「la Gare forestière」)も買ったのだが「絵が暗くて怖い」と家族に止められて貼るのを許されなかった幼少のみぎり。(あそこでデルヴォーのポスターを貼れたら今ごろ私はデルヴォーマニアだったかもしれないのだ!)
図録(\2000)はハードカバー(厚紙)で、捲って折り目がつかないように背表紙を止めていない気配りの感じられる作り。なんだかマグリットへの愛が感じられたわ(^^)
難点は。
絵の邦題が・・・合わなかった。「違う違う」と首を激しく横に振りそうになった。私はフランス語は全く分からないし、英語だって義務教育+αで流暢とはほど遠い。が、フランス語->英語で抜け落ちるものより、フランス語->日本語で抜け落ちるものの方が多いような気がしてならない。これは私が英語版の海外の図録やレゾネばかりみているせいだろうか。
例えば"Sensational News"を「大ニュース」と訳すと? 例えば"Spring Tide"を「大潮」と訳すと? 例えば"The wasted footsteps"を「行き止まり」と訳すと?
なんか違う。よね?
マグリットのレゾネは日本語版が出ていないので、題名の日本語訳には決定版がない。(教科書に載っているような絵はさすがに皆同じ題名で呼ぶが。) 展覧会の度にそれぞれに訳されるのは仕方ないと思う。 しかし、絵の題名は意訳よりは、原文が透けて見えてもより忠実な方が良いように感じてならない。
そしてBunkamuraザ・ミュージアムは天井が低くて美術館としてかなり感じの悪いつくりになっている。同じ天井が低くても東京ステーションギャラリーは好きなんだけどな。 #まあ会場については、名古屋へも行くつもりだから挽回できる予定だけどね(^^ゞ
美術館を出たところのカフェ・ドゥ・マゴにて『「マグリット展」開催記念メニュー』のベルギービール+「ソーセージの盛り合わせフラドポテト添え」を頂く。・・・ついてきたフランスパンは口の中が切れそうだった。うーん、パリとは違うぞ、やっぱり。ベルギービールは懐かしい味がした。(願わくば木苺の入った奴とかも置いて欲しかったぞ。) デザートは「アイスプロフィットロールチョコレートがけ」とコーヒー。
いつも思うけど、私は食べ物に関してはベタな選択が大好きみたいだ。
それから1FのBunkamura Galleryで開かれていた「どうぶつたちの夏休み アートになった動物たち」という展示即売会を覗き、秋吉由紀子さんの絵葉書を数枚購入。この人の油彩の猫の絵は、素朴派っぽい感じが好き。中でも緑の背景の絵はルソーみたいでとても好きだ。(パリ旅行のところで書かなかったけど、私はルソーも好きなのでパリで何枚か彼の絵が観られて嬉しかった。)
それからブックファーストで「シャーロットのおくりもの」と「わすれられないおくりもの」を立読みして鼻をぐずぐず言わせ、「くまのコールテンくん」とを立読みして胸を温めてきた。どれも何度読んでもええ話やなぁ。
最後にHMVで押尾コータロー氏のCDを2枚購入。気持ち良く心を動かす音。 この方の生演奏を聴けるどころかお会いできる機会があったのに、諸事情により途中で抜けてしまった時の事など思い返すとちょっと胸が痛むが。
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タニス・リー「死の王」(2002-101)☆☆☆☆
この本は前半がたまらなく面白い。タニス・リーの本領発揮。美しい恋人同士というのは本で読んでも美しいわね。それにしても妖精やら妖魔やらっていうものが好きだな、私は。
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