今日も今日とて
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とある海外ドラマのワンシーンなんですけども。
おばあさん・・・と言うと、こう、元気なくてよろよろしてそうになっちゃいますので「比較的高齢の、超お金持ちの、しゃっきりした淑女」と申し上げましょう。 その老淑女が、敵に追われるんですよ。 で、逃げるわけですが、彼女、走らないんですね。 年齢的にがっしゅがっしゅと走って逃げるわけにもいかないのかもしれませんが、淑女としてのプライドみたいなモンもあるのかもしれません。 走って逃げることで、敵や周囲の人を刺激したくない、ということもあるかもしれません。 しかし焦ってはいるわけですよ。ものすごく焦ってます。 捕まったらえらい目に遭わされるのは、ワタシたち視聴者にもよーくわかってまして、彼女にはもっとよーくわかってるわけですよ。 なので逃げる。 けど、慌てふためいて走って逃げるようなことはせず、ヒールをカツカツ言わせ、背筋をしゃきっとし、ひたすら前を見て歩きます。
いよいよ追いつめられて、人の多いビルに入りまして。 ここからはカツカツもスピードアップしますが、それでも走ることはしません。 もはや振り返って追っ手を確認することすらしません。 「いたぞ!」みたいな声が聞こえますが、正面にあるエレベーター目指してカツカツカツカツ、です。 ガタイの良い男どもが走って追いかけてくる中、画面を見ているワタシたちは、果たして彼女が追っ手を振りきってエレベーターに乗れるのかどうか、もうドッキドキなわけですよ。 お願い!間に合ってアンジェラーーー!!!(<これで何のドラマかわかったあなた様は超能力好きでちょっとオタクの気があります) ああ!ダメかも!追いつかれるかも!
・・・ドラマをご覧になっているかたで、さらにこのシーンを未見のかたのために、ドラマの描写はここまでにしておきますが。
そして話は全然変わるんですけども。
マシマロにも書きましたが、きょんに「早起きして健康的な生活を送れ」と説教されたワタシったらものすごく素直で良い感じの人なもんですから、言われた次の日には4時45分に起きて早朝散歩をしたんでございますよ。 けど、どうもイマイチ、きょんが言っていた「日の出前って気持ちいいよー」という感じが味わえず、しかもひたすら早朝の景色と空気が怖くて、ビビりながら蒸し蒸ししたなか歩いてきて「ちぇー」とか思っていたんです。
が。 この日は日の出に間にあっていなかったので、そこはワタシがいけなかったのかもと反省しましてね。 ものすごく素直で良い感じの人なじょりぃは、次の日も早朝散歩にトライしたんです。 今度は4時30分に起きました。 てか、ほとんど寝ないまま散歩に出かけました。 これ、健康的なんでしょうか。よくわからないんですが、まあ、朝というのは気持ちが良いし健康にも良いってことなので。
で。 確かに昨日よりも気持ちがいいかもー。なんて思ったんですよ。 昨日と同じくらい蒸してはいましたが、やはり日の出前はなんだか気持ちいいみたいです。 えへへ、やった、なんて思いながらてくてくと歩き、ワタシの家のある住宅地エリアの入口にあたる道を左に曲がり、 「よーし、歩くぞー( ^ ω ^ )」なんて張り切って10歩ほどてくてくしましたら、
「おはようございます!!!!」
突然背後から、男性の太くて大きな(絶叫のような)声で挨拶が。
ワタシ、ものすごくビックリしちゃいましてね。 大袈裟でなく、3mmくらい体が浮きました。ビックリして。 こういうマークΣも顔のあたりから出てたと思います。
ビックリしてる間に、その声の人は自転車をワタシの前にキキーっと停めましてね。
ワタシ、年中「今日は耳がよく聞こえません」なんて書いてますが、聞こえるときはたぶん、普通の人よりも耳が良いんです。 なので、自転車が来ることに気づかないことにまずビックリなんですが(徒歩でもたいてい気づきます)、気づかない状態で絶叫挨拶をされたので、ホント、心臓がキュってなるくらいビックリしちゃったんですよ。
・・・って、なんであんた、自転車をワタシの前で停めるのだ? ワタシにご用かしら?
自転車の男性は、スキンヘッドにサングラス、身長は180手前くらいありそうで、細マッチョなすごく良いカラダしてまして。 服装はタンクトップに短パンだったので、しなやかな筋肉がよくわかります。 全体的に、ボクシングの亀田長男を細長くしたような感じでしょうかね。 で、自転車はロードバイクって言うんでしょうかね、ハンドルがU字型になっててどっち向いてんのかわかんないような、なんか速そうなソレ。
こんな人に道を遮られ、ちょっとビビるワタシ。 んで、「へ?」と思ってましたら
「あさがおqzwx?」
突然話しかけてきましたが、あさがおしか聞き取れない。 しかもなんか、声が大きくて、怖い。 さらに言えば、無表情なのでもっと怖い。
「あさがおですか?」
もしかして、自転車で旅をしている人が、「このへんにあさがお見られるところある?」って聞きたいのかな?と思って、とりあえず聞き返してみました。
そしたらその亀田似男、
「あさがおみる?(無表情)」 と。 さっきよりも顔を近づけつつ。
意味わかんない。
「は?」 「あさがおみる?(無表情)」 至近距離で。
これは。
ちょっとヤバい人なのでは( ´;゜;ё;゜;)
と、真剣に怖くなってくるじょりぃ。 濃いレンズの、マトリックスキアヌ風のサングラスしているので、彼の目を見ることができなくて、ヤバイのかそうでないのかが読めないんですよね。
どうしよう、と思っていたら、もう一度「あさがおみる?(無表情)」と聞いてきました。
顔の前で右手をふるふると振って、「みない」と無言で伝えてみるじょりぃ。
しかしさらに
「あさがおみる?(無表情)」
また聞かれたーーーーー・゜・(ノД`)・゜・。怖いようーーーーー
「いえ。 けっこうです」
と答え、くるりと彼に背を向け、来た道を戻ることにしたじょりぃ。 だって道塞がれてて進めないですし。 てか、逃げたい。怖い。逃げなきゃ。
こんな早朝の、しかも散歩コースから外れているような場所、見渡す限り誰もいませんが、とりあえず住宅地に戻れば近くの家の人をたたき起こして助けてもらえるかもしれません。
「頼む!追いかけてこないでくれーーー!」と、ここ最近では堂々一位にランクインする勢いで祈りながら逃げました。普通に歩いて。
そうなのです。走って逃げることができませんでした。 相手はロードバイクですよ。そしてガタイが良いですよ。 ワタシがどんなに走ったって、彼が追いかけてきたら逃げられるはずがありません。 なのでとにかく彼を刺激しないように、静かに歩きました。 とにかく彼を刺激しないように、振り返ることもしませんでした。 とりあえず、あの角を、元来た方へ曲がるのだじょりぃ。 走るな。振り返るな。動揺を見せるな。
角までの10歩ほどの長かったことと言ったら! そして心は、冒頭の老淑女でございますよ。 心臓はなんだかドキドキバクバクしておりますですよ。
角を曲がってもまだ振り返ることも走ることもできず。 最初の家に飛び込める距離になってから、おそるおそる振り返りましたら。
ワタシのすぐ後ろに、彼はいました。 そして言いました。
「あさがお みろ」
・・・ってことはなくて、彼の姿はありませんでした。 ワタシがどんだけ安堵したか。
こ、こ、こ、怖かったーーーーー・゜・(ノД`)・゜・。
彼は単に、ワタシにあさがおを見せたかっただけなのかもしれませんが。 自分の思考枠にないシチュエーションで、思考枠にない問いかけを何度もされる、というだけのことが、こんなに怖いだなんて。 彼の無敵っぽい体つきも恐怖の一因だったかもしれませんが。 あの見事な筋肉、「キレられて殴られでもしたら、一発でノックアウトだなこりゃ」って、ホントに怖かったんです。
罪のないまっすぐな心で、ワタシをあさがお観賞に誘ってくれていたのだとしたら、申し訳ない話なんですが。 「見ます」って言ってついていったら、どうなっていたのかしら。
きょんにことのなりゆきを話しましたら、「そりゃ怖かったね。でもあたし、その人、犬の散歩のときにたまに会うよ」と言われました。 けっこう広い範囲の同じ場所を、ぐるぐると何周もしているらしいです。
「いつも大きい声で挨拶されてビックリするけど、話しかけられたことはないなぁ」ときょん。 「大きめの犬を二頭連れているからかもね」と言いましたら「そうかもね」と。
「せっかく早起きして散歩しようと思ってたのに、これじゃもう怖くて無理だ」 「じゃあ、明日からあんたが犬の散歩しろ、な?(´∀`)」
やぶへびでした(・_・)
それにしても。 走りたいのガマンして歩いて逃げるのって、ホント怖いですよ!
前日の早朝散歩の「なんか怖い」感は、このことを示唆していたのかもしれません。 あー怖かった。
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