今日も今日とて
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カタカナで書くとお笑いマジシャンの名前のようですが。 言いたいところは恵方巻きです。 節分の日に食べる、アレです。 最近になってやけにみなさんが召し上がる、アレです。
ちなみにワタシはあまり縁起を担がない、かわいげのない娘ですので、食べたことがありません。
さて。 2月2日の夜のこと。 きょんが「今日の夕飯、○○のお寿司が食べたい」と言い出しまして。
○○というのは、きょんの実家近くにある、持ち帰り寿司のお店です。 ワタシは行ったことないし、食べたこともなかったのですが。 「とにかく安いんだよねー。味はまあ、そこそこって感じだけど、まずくはないよ」ときょんが言うので、 不景気貧乏なワタシとしては「安いとは素晴らしいことだ!」と同意し、きょんとお寿司を買いに出かけました。
お店はご夫婦で経営しているらしく、人件費がかからないせいなのか、ホントに安い。 「こ、こんな安くて食えるのか・・・?」と不安になりましたが、コストを抑える仕入れの仕方してー、人件費かからないとしてー、たぶんここテナント料とかいらなそうだからー、ふむ、ギリギリやっていけるのかなと、わからないなりに原価を試算してちょっと安心してみたりして。 (食べてみたら、確かにそこそこだけど、この値段でこの味なら十分満足!という感想でした)
奥様が注文を聞いてくださいましてね。 ちょっときれいめで、控えめな感じで、かといって暗いわけではなく。 よーするに、感じの良い奥様。年はワタシたちくらいですかねえ。 奥様が小綺麗で感じがよかったので、ついつい追加注文なんかしてみちゃうお調子者じょりぃ。
お寿司ができるのを待っている間、奥様がお茶をいれてくださり。 いただきます。ずずー。 お客はこのとき、きょんとワタシだけでした。
椅子に座って、お寿司について語り合っておりましたら、ふと目に入った「節分に恵方巻きいかがですか?」めいた貼り紙。 なんだか具もゴージャスです。
せっかく目についたので、恵方巻きの具についてあれこれ話しておりましたら、奥様が
「よろしかったらどうぞー。縁起ものですし。おいしいですよ。明日なので急なオススメでスミマセンが」とにっこり。
(*´∀`*)てれ〜〜ん
「恵方巻きか! なんか食べたくなったな!」 お調子者じょりぃ。
別にホントは特に食べたくなかったんですが、奥様の気を引きたかったんですよ。
「え?! 食べたいの?恵方巻き?」
日頃のワタシを知っているきょん、驚愕。
まあ、奥様が小綺麗ということもありましたが、ご夫婦でがんばっている小さなお店ですから。 なんかこう、ささやかでも貢献したくなってしまったんですよ。同じあきんどとして。
「うむ。何事もチャレンジである」とワタシ。 「・・・今日もお寿司で明日もお寿司、でいいのあなた」
日頃ワタシがそーゆーところに細かいですからね。 きょんとしては当然の心配。
「あなた、イヤ?」とワタシ。 「あたしはそういうの気にしないから」
「何か食べるのに、お作法があるんですよね?」とワタシ。奥様に。 「ええ。吉の方角が決まってるので、そちらを向いて食べるんですよ。今年は東北東ですね」 「ああ、そうでしたそうでした。・・・は!」あることを思い出したじょりぃ。
「確か、食べてる間は喋っちゃいけない、とか、苦行のようなルールがありませんでしたっけ?」とワタシ。
「あ、そうなんですよね」と奥様。
「・・・なんかそれって、さびしい食事風景じゃないか・・・(´・ω・`)」とワタシ。 「食べてる間だけでしょー」ときょん。 「でも・・・大きいよ、恵方巻き、ほら。・・・時間かかるよ、食べるのに・・・」
ホント、でかいの。 具だくさんなの。
「あんた、意気地がねぇからなぁ(´д`)」ときょん。 「いや、喋らずにいるのはガマンできると思うのよ。気が急いてちょっとイヤだけど。 でもそれはがんばれる。無言の食事さびしいけど、ガマンできる」 「じゃあ何」 「喋っちゃいけない!って思いながら食べると、絶対ワタシたち、逆に大笑いになるよ」
『笑ってはいけないシリーズ』のようになるのは、火を見るより明らかです。 喋っちゃいけない!と思えば思うほど、なんかもう、絶対笑いが止まらなくなりますよ!
「あ。 それは確かにあるかも」ときょん。
ここでくるりと奥様を振り返り、質問じょりぃ。
「笑うのはアリですかナシですか」 <マジメに聞いてます(縁起担がないくせに・・・)
「ええと・・・喋らなければいいんですから、ちょっと笑うくらいなら・・・七福神様もみんな笑ってますし・・・」と奥様。 「ちょっとじゃ済まないと思うんですよ。大笑いです。バカ笑いです。米粒飛んじゃうかもしれないくらいです」 「・・・ど、どうでしょう・・・(・∀・;)」
ここできょんと、「お互いそっぽ向いて食べればいいのでは?」「でもそれじゃ、どっちかが東北東向けなくなるじゃん!」などと話し合いまして。 でもルール通りふたりで並んで一方向を向いてもぐもぐむしゃむしゃ無言で食べていれば、こりゃ大笑いは必至だよねと。
そんな、笑わなくても食べられるでしょー、とお思いかもしれませんが。 もう、一度、「こりゃ笑っちゃうよね」と思ってしまったら最後、「笑っちゃう」と思ったことがおかしくて笑っちゃうと思うんですよ。 笑わずに食べていられたとしても、今度は笑わずに食べられているという事実がおかしくてやっぱり大笑いしちゃうと思うんですよ。 ワタシなんてもう、その場を想像してこれ書いてるだけで笑っちゃってますからね。 みんなはどうやって食べてるのかな! 笑うのはアリなのかな! などと話しておりましたら、奥様が言いました。
「あ!じゃあ、別々の部屋で食べればいいんじゃないですか?(*・∀・*)」 <ナイスアイデーア私!みたいな顔
それってそもそもの「黙って食べるとさびしいよ」という問題がまったくクリアされていないばかりか、さびしさもひとしおな食事風景だと思うのですが、 そのときは「おお!その手があったか!」と、その話に乗りまして。
「いいですね! 別々の部屋で!」 「別々の部屋・・・で・・・わはははははははははは」 「別々の部屋で同じ方向を向いて無言でわはははははははは」 「隣の部屋で、あなたがもくもくとマジメに寿司食ってるのかと思うとわははははははは」 「こりゃ笑いが止まらんわはははははははははははははは」 「あははははははは」<奥様もつられ笑い
ふう。 笑った笑ったと。
と、落ち着いたところで、もう一度奥様に確認。
「あの・・・笑うのは大目に見るってことにしていただければ予約できるんですけど・・・」とじょりぃ。
「それは・・・そのせいで何かあったら申し訳ないので、私が大目に見るわけには・・・」とマジメな奥様。
結局大騒ぎするだけして、予約しないで帰ってきてしまいました。 ささやかでも貢献したいとか言ってたくせに、まるっきり冷やかしのようです。 小綺麗な奥様に嫌われてしまったかもナ・・・(´-ω-`)ガッカリ...
みなさまは、どんなすました顔をなさって、エホー・マキ、召し上がってらっしゃるのでしょうか。 無言で平らげるの、気持ちが焦りませんか?
来年の節分までに、上手な恵方巻きの食べ方、ワタシに教えてくださいませ。
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