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| 2009年01月16日(金) |
ひとり暮らしメモリーズ |
DVDを借りに行った帰りに、とある最近できたマンションの前を通りましてね。 ふむふむ、マンション、あー、部屋借りてぇー、とか思っていたら、ふとワタシときょん、それぞれがひとり暮らしをしていた頃のことを思い出しましてね。
「きょんの住んでたアパートってさー、家賃いくらだったっけ?」とワタシ。 「ん? ○万○千円」 「安いね」 「あたしの住んでたところは安いアパートだったし。じょりぃのところは?」 「○万○千円」 「ふっ。 一部屋しかないのに、カッコつけたとこ住んでたからあたしより高いね」
きょんは2DKでバスとトイレが別の間取りに住んでおりました。 ワタシは1Rで廊下に申し訳程度のキッチン、ユニットバス。 なのにワタシのほうが家賃が全然高かったんですよね。
「角部屋だったしなぁ」とワタシ。 「まあ、あの部屋、良かったよね」 「おまけに、すぐ下にはセブンイレブンが!」 「あなた必需品だもんね」 「きょんの住んでたとこってさー、マジでまわりに何もなかったもんね」 「あたしだって車で1分もしないところにセブンあったわよ!」 「へ? どこだっけ?」 「よくみんなで飲んでた店のさー、向かいのさー」
はいはいはいはい。
なんてことで、つい懐かしい話になりまして。
「あの頃、通い同棲だったね。 ふふふ」 とワタシ。いやらしそうに。 「ははっ(照乾)」 「お互い車停めるところに苦労したよねえ」 「したした。良い路駐場所探すの大変だったよねえ」
盛り上がり期(というものがワタシたちにもあったのですよ)には、ほとんど毎日、どちらかの部屋に泊まり、 泊まった方は朝早く起きて「じゃあ会社でー」なんて言いながらちゅっとかしちゃって、いったん自分の部屋に戻ってシャワー浴び直してそれから出社、なんて毎日でありました。 残業が鬼のようにある会社でしたし、体力的にかなりキツかったです。 盛り上がり期でなきゃできませんわあんなこと。
きょん、ワタシと正式につきあい始める前(ワタシがまだまりあに振られる前、ということですが)に、ひとり暮らしをとっとと始めていたのですが、 ワタシはしばーーーーーらくそれを知らされておりませんでした。 ずっと、実家で生活していると思っていたのです。
で、きょんの誕生日に、サプライズ的にきょんの実家に花束を送ったのですが。(ワタシったら派手にロマンチストなもんで!) 翌日きょんが、何か歯切れ悪い感じで「あー、ありがとうございました。もごもご」なんてやってるもんですから「あ、迷惑でした?」みたいなことを聞きましたら
「あー、あの、今あたし実家にいないから、親が驚いて・・・」と。
え! 実家にいないって! じゃあ
「じゃあ、どこにいるんですか?(・.・)」
ワタシの質問もとんまですが。 だって、今までそんな話全然したことなかったですし。 当時、携帯がまだおそろしくデカくて高かった頃でしたので、電話といったらイエ電しか思いつかなかった頃でしたが、 きょんは「電話はかけないでほしい」って言っていたので、『実家に電話したら、きょんはもう家に住んでいないことが判明』というハプニングもなく、ずっときてしまっていたのです。
「ええと、実はひとり暮らしを・・・」ときょん。 「えー(・∀・)知らなかったー。 なんで家を出たんですか? お姉ちゃん一家が帰ってきたとか?」 「あー・・・うーーん・・・」
な、なんだろう・・・。
「言いづらいことだったら言わなくていいんですよ?」とワタシ。 「言いづらいというか・・・」 「(・∀・)???」 「実家にいると、じょりぃさんに会いづらいかなと思って・・・」
へ?
「え? どういう意味?」 <本気でわからなかった 「うるせー!」 「え?え? それって、ワタシがきょんさんちに遊びに行っていいってことですかね?」 「来なくていいです(怒)」
まだきょんの態度が「じょりぃさんて人間として最低」みたいな感じで頑なだった頃だったもんですからね。 なんだかやりとりがちぐはぐというか、きょんが素直でなさすぎるというか、きょんがそういう態度を取らざるをえないようなアレなワタシだったというか。
「来なくていいです(怒)」と言い切っただけあって、その後もなかなか部屋に寄らせてもらえなかったんですが( ´_ゝ`) そんな状態の、あるクリスマス、きょんはひとりぼっちで部屋で過ごしたらしいんですけどね? なんか、クリスマスだし、ワインとチキンとケーキくらいはひとりで盛り上がろう、と、用意して部屋に戻ったらしいんですよ。 それを聞いた当時、きょんはお酒が好きでなかったので驚いたものですが。自分用にワイン1本だなんて!と。 ワタシがきょんをたぶらかすために必死で作る、甘ーーーくてお酒の匂いがしないようなカクテルを飲むくらいだったんですよ、きょん。 (しかしもちろん、アルコール度数は高いものを作りますよワタシだってホントに必死で酔わせてましたからね!) で、ワインの開け方がよくわからないなーと思いつつ、ワインと一緒に買ってきたコルク抜きで、えっこらやっこらやったらしいんです。 しかし、コルクはしぶとく、そして脆かった。 コルクの下半身は粉砕し、コルクのカケラがワインにイン。 おまけに、コルクの上半身は残ったまま。引っ張っても出てこない。崩れていくばかり。
「・・・結局飲めたんですか?」と、当時のワタシ。 「残ったコルクをワインの方に押し込んで、ラッパ飲みしました」 「(°▽°)悪酔いしたでしょう」 「酔いましたし、コルクだらけで飲みづらかったです」 「それがきょんさんのクリスマスですか・・・」 「けっこう楽しかったですよ(怒) あたしはひとりでも平気だし」
最後のひとことは「ひとりになれないじょりぃ」への痛烈なイヤミです(´∀`)
まあ、今となっては、ワタシよりもずっとコルク抜きが上手になったきょんですが、ワタシはワインを開けるたびに、きょんのひとりぼっちのクリスマスと、コルクだらけだったらしいワインを思い浮かべて、懐かしいやら申し訳ないやらな気持ちになったりするわけですが。
さて、話はレンタルDVDの帰り道に戻りまして。 ワタシとしましては、そんなことを思い出したり、盛り上がり期のエロエロしいワンシーンなんかを思い出して遠い青春の日に思いを馳せていたのですが。 助手席のきょんから出てきた言葉がこちら。
「それにしても、あのセブンイレブンめーーー(怒)。ああ、あたしも若かったな・・・」
さっぱりわけがわかりません。
「あのセブンイレブンとは、どのセブンイレブンだ?」とワタシ。 「あたしのアパートの近くだったほう」 「何があったのだね」 「冬にさー、ひとりで部屋に帰る前にさー、セブンでおでん買ったのよ」 「うん」 「で、いろんな具と一緒に、ウインナー巻きを頼んだんだよ」 「ふむ」 「あたしのその日のメインだったわけ、ウインナー巻き」 「うん ??」 「そうしたらさ、店員の野郎、ウインナー巻きを取り出すときに、中のウインナーを落としたのよ!おでん鍋の中に!」 「???ほう」 「あたしはさ・・・まだあの頃は若くて初々しかったからさ・・・『ウインナー落としましたよ!』って言えなくてさ・・・」 「・・・もしかして、ウインナー、そのまま?」 「そうよ!」 「じゃあ、ウインナー巻きじゃなくて、それ、『巻き』じゃん、ただの。わはははは」 「笑い事じゃないのよ!あたしのメインだったのよそれ!」 「はあ」 「あなたがさっき話したひとりぼっちのクリスマスの時なんかより、ずっとわびしかったわ・・・今なら『ウインナー落としましたよ!』って言えるのに・・・」 「そ、そう・・・」 「言えないあたしはかわいかった」 「そうだね」 「でも本当にあのときのことは、何度思い出しても悔しがれるわ!『巻き』だけ食べたあのときの悔しさったら!」
ワタシが甘い思い出に浸っているとき、この人はおでんくさい上に貧乏くさい思い出に浸っておりました。 なんかさー、どうせなら初期のエロとかロマンスとか、思い出せっつーの(´д`)
でも。 「あ・・・あ・・・ウインナーーーーー・・・(つд-。)」 と思いながら言い出せずに部屋に帰り、『巻き』だけ食べたきょんは、確かに若かったと思います。
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