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2007年08月11日(土) 巻き込むな

一週間ほど前のことですが。

きょん、とある犬を拾ってきやがりましてね。
なんでも、朝の犬の散歩をしていたら、桑畑で発見したそうなんです。
桑の株分かれした根元に足が引っかかって動けないまま倒れていた犬がいたそうで。
朝とはいえ既に炎天下の兆しを見せていたその日、捨て置くことができずに救出・保護。

なんてことを知らずに風呂に入っていたワタシは、ガレージのほうから聞こえる「わん!わん!」という犬の鳴き声を耳にしまして。
で、当然「なんだねあの犬の声は」と朝の不機嫌タイムに仏頂面できょんに訊ねたら、上記の説明がなされまして。

股か。 違う。 またか。

犬が吠えているところにのしのしと出向くじょりぃ。
「そのまま鳴き続けると焼いて食うぞこのやろう」と脅しましたが鳴きやみません。当然ですが。

次に見に行ったときは、ぐったりと倒れておりまして。

風通しの良い日陰だったので、暑さにやられたということはなさそうなのですが。
死んでるのかしら。
ああよかった。面倒がいっこ減った(・∀・)-3
なんて冗談でも口にするワタシは確かに非情ですが!

年中年中犬だの猫だのにわとりだのチャボだの烏骨鶏だの拾われてくる身にもなってください。
もうイヤなんですよあたしゃ。

しかし生きてました。でも死にそう。

家に戻ってきょんに「あの子死にそうに見えますが」と言ったら「うん。すごく年寄りで弱ってるみたい」と。

貰い手つかねえじゃねえか!ヽ(`Д´)ノ

「(むすーーーっ)」<じょりぃ
「ちゃんと飼い主見つけるからー」
「どうやって」
「いろいろ。とりあえず、電話帳貸して」 
「電話帳?どうすんの?」
「最寄りの動物愛護関係の団体と保健所と動物病院に、保護している旨を連絡しておく」

その日、仕事が休みだったきょんは、上記に電話かけまくり。

えらいですね。

「でも今日あたし、いろいろと出かける用事があるから・・・」
と聞いた時点で
「ワタシにその犬の世話を頼むのはやめてよね」と間髪入れずに食ってかかるじょりぃ。
「頼まないよ。とりあえず、うちの病院に預けてくる。あの子の健康診断もしてもらわなきゃだし。
 それに今うちで預かってても、目を離すとなんか命が危ない気がするから、見ててもらおうと思って」

とりあえず、ほっ(・∀・)-3

「じゃあ、きょんが帰ってくるまでに、飼い主探すための張り紙作っておくから、情報ちょうだい」とワタシ。

きょんが渡してくれたメモがこちら。

8月6日(月) AM8:00頃
○○市××町 △△川付近で保護

特徴
赤い首輪、女の子、茶色と白
前歯がすり減ってしまってほとんど無い。


女の子だったのか。
ならばもう少しやさしくしてやってもいいです。

さらに、「これは張り紙に書かなくてもいいけど、じょりぃは覚えておいて」という情報が。

後ろ足に狼爪がある。   なんですか狼爪って。

ちょっとボケてる。


ボケてんのかよ!
また面倒なもん保護しやがってーーーーーーーー!


えらいなあとは思うんですが。

迷惑です。

そんなことがあって、2〜3日。
犬は飼い主が見つからないまま、院長が預かっていてくれました。
くれていたんですが。

仕事から帰ってきたきょん。
とってもしょんぼりしております。
訳を訊ねてみましたら。

「院長が怒ってる」と。
「なぜ? あの犬のことで?」
「そう」

無理もあるまい。
しかも。

「あたしが拾った日に院長に預けたじゃない?
 で、お尻周りの毛がからまっちゃってたんで(長毛の雑種なのです)、院長とトリマーの子でそのへんを刈ったんだって」
「うん」
「そしたら、お尻からたくさんウジが湧いてたらしくてさ・・・」

壮絶(°▽°)

「ぐえーーーーー」
「たぶん子宮蓄膿症なんじゃないかと思うんだけど」
「でもウジが湧いてたからって院長怒らないでしょ?」 まあ、何怒るかわからない人ですが。

詳しく聞いてみましたら、他にもいろいろあったんですが。
書くと長くなるのではしょりますが。
でも、話を聞いたら、院長が怒っても無理ないよなと少々ワタシも思ったりして。

でも目の前のきょんはしょんぼりしていてかわいそうです。
自分の手に負えなかったとはいえ、目の前で死にそうに弱った犬が動けない状態でいたら、やはり助けてしまうのが動物好きの人情というものでしょう。

「そんなに落ち込むなよう。きょんは良いことをしたよ」とワタシ。一応。相方として。
「・・・そうかな・・・」
「でもまあ、院長に迷惑かけちゃったのは事実だよナ。
 一時的にとはいえ、世話してもらって巻き込んじゃってるもんね」
「うん。そうなんだよ」
「ワタシは巻き込まないでね」 

慰めているところにひどいことを言い放つじょりぃ。
きょん、心底驚いた顔をして

「なによー! 巻き込まれてくれない気?!!!」

何そのワタシも巻き込まれて当然てな口ぶりは!

「巻き込まれたくないよー。
 ワタシは日頃より、あなたの過剰な動物愛護には閉口してるんですから」非情。
「じょりぃが巻き込まれなくて誰が巻き込まれてくれるのよ!」
「院長(・∀・)」
「ひどーーーい」
「とにかく、ワタシは今回の件にはノータッチとさせていただきますので」きっぱり。

もうですね。
こういうことはキッパリはっきり申し伝えておきませんと。
キリないですから。
ワタシホントに困ってるんですよ!

さて。
院長が預かってくれるのは昨日までのことでした。
ていうか、よく預かって面倒見てくれたなーと思うのですが。
結局飼い主が見つからないまま、ボケ犬は我が家に一時逗留となるわけですよ。

「絶対飼わないからね」 とワタシ、またもや非情。ゴルゴ13のほうがまだ人情がありそうです。
「わかってるよ。あたしももう一頭は無理だし」
「飼い主見つからなかったらどうするの?」
「実家に頼んでみる」

実家も巻き込む気か(°▽°)
でもまあ、ボケ犬ちゃん、ボケてはいてもおとなしくて良い子で、足腰も弱ってますし、きょんの親が面倒見る分にはちょうど良いかもしれません。
数年前に愛犬を亡くしてしょんぼりしておりましたし。

きょんはボケ犬の一時逗留のために、新しいケージを買ったり、その他もろもろかなりの出費を強いられておりました。
いつもならワタシも金銭的な援助もするんですが。
今回はノータッチ。 心を鬼にしてノータッチ。 ていうか、心は天使のままノータッチ。
知るもんか。 ワタシ関係ないもんね。 という天使ぶり。

「でさー、あの子がきてからの居場所なんだけどさー」と、しおらしくきょん。

い、イヤな予感。

「・・・なに?」
「あなたの仕事部屋に置かせてもらえないかと思っ」「イヤ」 即答。
「ダメ?」
「絶対にイヤ。ていうか、無理。悪いけど。お客も来るし。仕事にならないし。困る。ダメ」
「・・・じゃあどこに置こう」
「あなたの部屋。掃除してキレイになったし、置き場にぴったりじゃん」
「・・・わかりました」

きょんの部屋は2階なので、散歩のときなどは抱っこして連れだしたり戻したりしなければならないので、大変なのはわかっていたんですが。

知るか(°▽°)

で、昨日、ボケ犬ちゃんと帰ってきたきょん。
家に入るなり「じょりぃー!手伝ってーー!」と。

なにやらケージを大至急組み立てないと!ってことらしく。
そんなのおまえひとりでやれ と思ったんですが、結局汗だくだくになりながら手伝いまして。

「巻き込まれた・・・」と、暑さに超フキゲンになりながらつぶやくじょりぃ。
「ごめんごめん」 とりあえず低姿勢のきょん。

でまあ、ボケちゃんは快適にきょんの部屋におさまりまして。
すうすうぐうぐうとよく寝て、よく食べます。
このまま元気に回復しそうです。

「一日中エアコンかけることになるけど。この部屋暑いから」

なにーーーーーーー!!!!!!

「・・・・・・」今月の電気代を想像して無言になるじょりぃ。
「あ、余分にかかった電気代はあたしが払いますから」
「んー・・・じゃあまあ、請求見てからその話はしましょ」


そして今日。
きょんはセミナーで東京へ。
ワタシはいつもの犬猫メンバーに加え、ボケちゃんの世話まで。
する気はないんですが。
よく寝てますし。放置放置。

と言いつつ、部屋が暑すぎないか寒すぎないか、ぐったりしてないか、水は足りているかなどやはり気になって、一日に何度もきょんの部屋へ足を運びまして。
家中でいちばん快適な温度のもとですうすうぐうぐうと寝るボケちゃん。
このまま市内のソーセージ製造卸をやっている店へ運び込んでしまおうかとも思いますが、気持ちよさそうに寝ている姿を見るとうかつにもほほえんじゃったりして悔しかったりします。

そろそろきょんが帰ってくるという頃になって、わんわんと鳴き始めたボケちゃん。
なんだよ吠えるなよー。
シロちゃんとぼーちゃんも興奮して一緒に吠え始めますし。
うるせえよおまえら。ソーセージ屋に売っちゃうぞ!

なんてまたひとりでイライラしておりましたら、きょん帰宅。

「ボケちゃん無事?」
「うん。何度も様子見たけど、よく寝てたよ」
「ありがとう(´∀`)。一日中寝てるんだよね。動かないのに、ごはんはすごい食べるの」
「さっき吠えてたんだけど・・・」
「そう」

なんて話しながら、ふたりで階段を昇っておりましたら。

む。くさい。なんだこの匂い。
前を歩くきょんから匂ってくるような。
この人どこで何をしてきたのかしら。くっせーーーー。

と思ったら。

ボケちゃん、すごい勢いでう○こしまくってました。
ケージの中はうん○まみれ。
ボケちゃんも○んこまみれ。
お食事中の人すみませんねえ。
しかしまあ、すごい有様ですよ。ボケちゃん、う○こ踏みまくってますし。
きょんの匂いでなくて、うん○の匂いだったんですね(・∀・)よかったー。って問題じゃなくて。

「だーーーーーーーーーー!」 とワタシ。
「あーー。かわいそうだったねー。ごめんねー」ときょん。もちろんワタシにではなく、ボケちゃんに言ってます。

は(・_・)

「・・あ。さっき鳴いてたんだ・・・。もしかして、あのときに外に出してあげれば良かったのかな。ごめん」
「あー、それはいいの。朝う○こしてくれなかったから、もしかして帰ってくるときにはこうなってるかなーって覚悟してたし。あなたにそれ言うとまた怒るから言わずに出かけたあたしもいけない」

そうだおまえが悪い。
とはさすがに思わずワタシが悪い。

で、ここで「じゃあ、そういうことで」と微笑みながらおいとましたかったワタシだったんですが。

気づけば30分以上ワタシも犬のうん○と格闘することになったわけですよ!!!

ちょっとひとりでは無理そうだったんで。ていうか「手伝ってー」って頼まれちゃったんで。
ああ、やっぱりソーセージ屋に運んじゃえばよかった。

たくさん食べるので、出る量もすごかった。まいった。

格闘している30分のあいだずーーーーっと

「くさいー。くさいー。巻き込まれたー。くさいー」

と、念仏のように言い続けていたじょりぃでありますよ。
ワタシも気の毒ですが、きょんも気の毒です。


まだ2階くさいんですよ。
ええ、ワタシの部屋まできっちりくさい。

早く実家に連れてってくれないかなぁ。
てか、実家で引き取ってくれなかったらどうするんだろう(´д`)鳴きたい わん! じゃなくて泣きたい。


じょりぃ |HomePage