今日も今日とて
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今日、某所でちらりとバーベキューの話が出まして、思い出したのでまた昔話を語らせていただきます。 ちなみに「恐怖の」ってついてますが、バケオとかの話ではないので、怖い話がダメなかたもご安心ください。ちゃんと怖いですから。(ウソですよ!)
20代の頃はホントにしょっちゅうやってました、バーベキュー。 ワタシの住んでいるところは川に困らないということもありますが、何かっつーと「バーベキューやろう!」と言っては休日の昼間にみんなで集まってじゅーじゅーごくごくやってました。
さて、そんな、バーベキューマニアと言ってもよかったワタシたち。 ワタシたち、というのは、最初に勤めた職場のメンバー(女ばっか)です。 きょんもなっちゃんもまりあもタマリンもナルミさんもいました。 が、今日話すのは、たぶんまりあはもう退職していて、なっちゃんはデートに忙しくて不参加だったバーベキューの話です。 8人くらいのメンバーで行った、泊まりがけの楽しいプランでした。 タマリンのおじいさんが住んでいたド田舎の家が今空き家で、親戚で別荘代わりに使っているんだよーという話だったので、ならばワタシたちも使わせてもらおうじゃないかということで
「別荘!別荘!」
と興奮しながら出掛けていきました。 その別荘のすぐ下には川が流れているという、「ここでバーベキューしてくれるのがじじいの願いじゃ」と言わんばかりの好条件です。言われてませんが。
高速も使って山へ山へと走ること約2時間強。
タマリンじーちゃんズ別荘につきましたよ! ここが!ここが憧れの別荘というものか!
・・・・・ワタシは平行四辺形になっている民家を初めてみました・・・・。
「これ、家の中入って平気なの? 崩れない?」 タマ「へーきへーき。いつも入ってるし」 「今日、重量オーバーにならないかしら」 タマ「へーきへーき」 <失礼なことを言われているのに気にしないタマリンが大好きです 「柱、これ、ナナメだよ・・・」 タマ「へーきへーき」 <少しは気にしてほしい気もしてきます
おまけにですよ。 タマリン一族って小さいんですが、一族の体の仕様に合わせたのか、家のつくりが小さいんです。 何しろ天井が低い。昔の民家だからってのもあると思いますが、それにしても低い。きょんなんてつっかえちゃいそうです。
小さく寸詰まった平行四辺形のボロ家。 これがその日、私たちを迎えてくれた別荘でした。
しかし、最初に驚いてしまえば、こういう滅多に体験できないことって楽しいではないですか! 一生ここに住むわけではないですし(・∀・)失礼ネー そのうちみんなできゃあきゃあ言いながら探検しまして。
「おー!地下室があるよ!怖くて入れないけど!」
ヒミツの入口〜 みたいなところから、地下に行けたのです。コンクリでできた、立派な地下室でした。 でも 怖い・・・。 何しろ天井が低いし。
「わー、この階段、狭くてちいさーい」と、はしゃいだきょんの声が上から。
どうやら2階もあるようです。 外から見ると平屋サイズだというのに。
「ふとんはたくさんあるから、2階でみんなで雑魚寝すればいいかな?」とタマリン。
当時、美人でスタイル抜群だったのでかわいがってご贔屓にしていた後輩Jちゃんと、きゃはきゃは言いながら2階の座敷に寝転がってみました。
ん・・・?
「Jちゃん。なんかさ・・・」とワタシ。 「ええ、私も感じました」
霊 とかじゃありません。 ある意味もっと怖いです。
寝てるとごろごろ転がっていってしまいそうなほど、床がナナメなんです。
一階に戻ると、ナルミさんが「ねえ、ここ、仏壇があるんだけど・・・」と。
誰も住んでいない空き家に、仏壇がどどーんと。奥の間に。
「ああ、気にしないでー」とタマリン。
しかし一応、お盆休みだったので、みんなで「今日はお世話になります」と手を合わせたりして。 お線香もあげて。ろうそくも灯して。チーンもして。 「今日だけは家が崩れませんように」とかもお願いしておきましたよワタシは(°▽°)
早く支度しないと日が暮れちゃうよねーということで、2班に分かれることにしまして。 別荘をお掃除したり食材を支度する別荘班と、バーベキューの場所を探したり火をおこして準備する川辺班に分かれました。
で、日も傾いてきて、火もおきた、ということで、バーベキューを始めるワタシたち。 飲んで食ってまた飲んで、食って飲んで花火して。なんて具合に楽しくて楽しくてですね! ワタシは花火を水平に持って「ロケット!ロケット!」とか叫びながら河原を走り回りまして。愛らしいですね( ^ ∀ ^ ) 別荘班がカレーも作っておいたので、食べ物も豊富です。
が、まずここで私たちを恐怖が襲うのですよ。
恐怖の正体は霊 じゃなくて、虫です。虫ども。しつこい虫めら!
夜のとばりがおりてくるにつれ、河原で唯一の灯りを所有する私たちを、おもにこいつが集団で襲ってきます。
 ヤマトクロスジヘビトンボ
4〜5cmあるんで、割とでかいんですよ!しかもすんげえ数です。
これらが鉄板には飛び込んでくるわ、花火には飛び込んでくるわ、人間にはたかりまくるわで、そのうち阿鼻叫喚の地獄絵図になりまして。大袈裟ですが。 でも実際、こんなのに体にたかられたりばさばさと飛び回ったりされてごらんあそばせ? そりゃあもう、恐怖のあまりみんな踊ってましたよ。 たかられては叫んで踊り、払ってはまた踊り。それも炎のまわりで。何の宗教の集会かという感じです。 まあとにかく、ヤマトクロスジヘビトンボ(長い)の来襲がとどまるところを知らないので、人間様はあっけなく「家に戻ろう!」「落ちついて飲み直そう!」ということになり、ぎゃあぎゃあ叫びながらその場を片づけ、平行四辺形の別荘に戻ったのであります。
平行四辺形で寸詰まりの別荘で、ワタシたちは虫から守られ、安息を手に入れました。
となるはずだったんですが。 うっかりしていたんですよ。ワタシを始めとする、別荘班が( ´_ゝ`)
窓、あちこち開けっ放しで河原に出てしまいましてね。 何しろ真夏で、エアコンなんてない家でしたから。 避暑地にもなっているくらいなので、外界よりは涼しいんですが、それでも暑いですからね。窓、開けていってしまったんです。 おまけに、風呂場周辺の電気が着けっぱなしでした。 ここは山の中。ということは虫が豊富。その中で煌々と灯る明かり。さあここにおいで虫さんたちよ、とばかりに開け放たれた窓。
もうね、虫屋敷ですよ。 畳の方の部屋は灯りを消していったからまだよかったんですが。 風呂場から風呂場へ続く土間みたいなところ、壁一面、虫だらけ。大袈裟じゃないんですよ! 乙女ども、叫びまくりました。いやホントあんなの見たことないですよワタシ。 壁一面、主に蛾。甲虫もいます。さっきのおそろしいヘビトンボももちろん。
みんなでぎゃあああああとか叫んで、どうしようどうしようと慌てふためいたんですが、こういう場合誰しもそうしちゃうと思うんですが私たちがとった行動は。
「とりあえず、飲み直そ」
というものでありました。 電気消しておけばそのうち出ていくでしょーとか言って。
でも、本格的に酔っぱらっちゃう前に、お風呂入りたいよねという乙女らしい話になりまして。
これが冬場ならば「一日くらい、いいか」ってことになるんですが、真夏ですし。 自分たちの汗臭さもさることながら、バーベキューの後って、なんともいえない匂いになってませんか、服とか髪とか全身とか。要するにくまなく。 焼き肉のタレとソースと煙のいぶしたような匂いがミックスされた、このまま鬼に食われても文句は言えないようなあの匂い。 皆、これにはたまらん状態でした。
で、タマリンがお風呂の支度をしに行って。 順番で入ったんですがね。 みんな、風呂上がり無言なんですよ。何かそろそろ歩くような感じで。 一体これはどんな謎だ!何の魔法だ!と思っていたんですが、自分が風呂に行ってみてわかりました。
まず、風呂場へ続く土間には「すのこ」のようなものが置いてあって、そこを裸足で歩いて行くんですが。 壁には虫どもですよ。 とにかく虫と目を合わせないように、虫を刺激しないようにそろそろと歩きます。 で、目を合わせないようにするし、すのこの上をうまいこと歩こうと思うから、下を見るではないですか。 そこでワタシは、すのこのすきまから、見てはいけないものを見てしまったのです。
それは
ムカデの群れ。
ワタシ、緑色のムカデって、このとき初めて見ましたよ! 赤いムカデよりも小さいのね☆ とかそういう余裕ないですから。 ワタシ、ムカデとかゲジとか、足の多い系ダメ! ということで、そのままくるりとUターンし、みんなのいる場所へ戻りまして。
「む、ムカデ、ムカデいるし!」と。そりゃあもう、((((;゚Д゚)))ガクガクブルブルですよ。 「じょりぃさん、大丈夫です。まだ誰も刺されてません」と、既にお風呂を済ませた、お気に入りのJちゃん。
まだ ってことはこれからワタシが刺されるかもしれないじゃないの!
「いやだいやだよう。・・・お風呂入りたくない・・・入らないことにしちゃおうかな・・・」 「ダメです。入って下さい。じょりぃさん、くさいです」<Jちゃん
・・・大好きなJちゃんにそうきっぱり言われてしまっては、入らないわけにいきません。 じょりぃ、覚悟を決めました。
とりあえず、ムカデに注意しながら風呂場へ行き、服を脱ぎ、洗い場へ。
裸のまま逃げ出そうかと思いました。
それほどすごいんですよ!虫が!壁中に隙間なく!びっしりと!たぶんみなさんの想像を超えていると思います。 さっきの通路なんて風呂場に比べればかわいいもんでした! しかもなんか、かなり色とりどりなんですよ蛾どもが! ここはアマゾンか!っちゅうほどです。
ホントにそろ〜りそろ〜りと体やら頭やら洗いましてね。 あんなに緊張しっぱなしでお風呂に入ったのは初めてです。 だってこちらは正真正銘の丸腰、シンプルに言えば素っ裸です。怖いですよ。おそろしいですよ。 たまに「ばささっ」とか、蛾が飛びます。ひええええと思いますが、ここで慌てたらさらに蛾どもが大暴れです。 そろ〜り、そろ〜り。
お風呂を上がる頃にはそろ〜りそろそろの達人になっておりました。 なるほど。 お風呂から上がってきたみんながそろそろと動いていたわけがわかりました。
お風呂さえ済んでしまえば、あとはもう飲んで食って歌うのみです。 カラオケないか!と探したら、ハチトラが出てきたので、古すぎる歌をみんなで歌い。 「おじいちゃんも一緒に!」とか言って、仏壇の前でみんなで歌って踊って。
とにかくしこたま飲んだので、徐々に潰れる人が出てきましてね。 きょんが割と早かったんですが、水を飲みに行ったまま、台所の土間で寝てました。 酔っぱらっていたとはいえ、猛者です。 だって、台所の土間って、お風呂場の土間とすごく近いんですもの。
みんなも「そろそろ寝ようかー」という段になってきて、しかたないのできょんを起こしに行きまして。 だって土間ですよ?いくらワタシが薄情な人間でも、これは放っておけません。 冷えますし、寝ている間にどんな虫が顔体をはいずり回るかわかったもんじゃありません。
「きょん、ほら、二階で寝よ」 「んーーー・・・・」
起きず。
「ここ、虫すごいよ! だいいちアナタ、ゴミ袋に頭くっつけて寝てるよ」
ゴミ袋の横っ腹とはいえ、頭がめりこんでますぜダンナ。
「いい・・・ここで寝る・・・」 「起きてから後悔するよ」 「ん・・・・・」
ダメだこりゃ(´д`)
しかし、しめしめ( ・∀ ・)ウフフ
なんか、みんな酔いつぶれてるんですよ。 仏壇の前で寝ていたり、ハチトラの前でマイク握ったまま寝ていたり、なんかもうさんざん。 そんな中、ワタシのお気に入りJちゃんはまだ起きていて「じょりぃさーん、二階で寝ましょー☆」とか言ってます。
ふ た り っ き り で 、 に か い で ね る の ? (・∀・*)
Jちゃんもそーーーとーーー酔っぱらってますし! 何か間違いが起きるかもしれませんし! ワタシのこと好きでなんかなくてもいいの。 Jちゃんのかわいい顔で!ほっそい体で!大きな胸で!やわらかそうなお尻で!白い腕で! 抱き枕かなんかと間違えてワタシをむぎゅーーーとか抱きしめてくれるだけでいいの!
「うんうん。寝ようね(*´∀`*)」
と、ほくほくと二階へ。 あーあ。 こんな広いところに布団敷いてくれたのに、ちゃんと布団で寝るのはワタシたちだけですか!参ったなもー(・∀・;)ギラギラ
と、ギラギラしつつも、広いので、あんまり近くで寝てもなんか変に思われちゃうかなー、とちょっともじもじしておりましたら。
「じょりぃさん、この家怖いから、私の隣で寝てくださいね? じょりぃさんは、ここです!」
と、かっわいい顔して自分の隣の布団をぱふぱふ叩きながら、ワタシにおねだりするJちゃん。
「うんうん。寝ようね(*´∀`*)」
でれでれしながらJちゃんの隣へ行きまして。 にこにこと向かい合ってお布団に入ったと思ったら。
「私、こっち向きでないと寝られないんです。おやすみなさーい」
と言って、Jちゃん、くるりとワタシに背を向けて。
背を向けて。
すぐ寝ちゃいました(・_・)オシャベリモナシ?
なーーんーーーだーーーよーーーーもーーーーーーーー(´・ω・`)
酔っぱらっていたせいで、過剰な妄想&期待が膨らんでいたじょりぃはがーっかりですよ! ちぇーっ とワタシもJちゃんと反対側を向いてふとんをかぶりなおし。 でも暑いのと飲み過ぎたのもあって、なんとなく眠れなくてですね。 布団をはぎつつ、寝返りを打ちましたら。
Jちゃんも暑かったらしく、布団をはいでおりました。 さらに、Tシャツはまくれあがって、真っ白な背中から細いウエストラインがあらわに。
きゃーーーーーーー(*・∀・*)なんてラッキーーーーーー。
この子は細いんですが、特にウエストが細くて、そして胸とお尻が大きめなんですよ! なので、横向いて寝ている体の曲線がものすごく美しくて。 さらに、背中からウエストはご開帳でございます。 虫によって汚されまくっていたワタシのお目目も、ここにきてやっと至福を掴むことができましたですよ本当に。
朝になって、きょんがぷりっぷりに怒ってワタシのところへ。 「どうして起こしてくれなかったの!」だそうですよ困った女です。 「あんなところで寝ちゃうなんて!しかもあたし、ゴミ袋に頭つっこんでたじゃないの!きい!」と、そりゃぷりっぷりです。
「起こしたけど、起きなかったのよあなた」 「じゃあゴミ袋どかしておいてくれればいいじゃないの!」 おう。気が付かなかったよ(・∀・)ゴメンゴメン
ここでタマリンがやってきて 「きょんさん、すごいよねー。この土間で寝ちゃうって、あたしできないなー。ゴキブリすごい出るし」と。
きょん、頭を中心とした舞、すなわち阿波踊りめいた踊りを「いやーーーーーーー!」という絶叫とともに踊ってました。 髪をかきむしりながら。 さすがはダンサーですよ( ^ ∀ ^ )
とまあ、そんな具合に、何が恐怖かといえば虫が恐怖のバーベキューだったわけですが。 でもですね。
Jちゃんの背中と腰のラインに見とれて 「床がナナメなんだしJちゃんこっちにごろごろ転がってこないかなー」なんて思いながら、 一睡もせずにそれを眺めて朝を迎えたじょりぃ、というのも相当怖いと思います。
ムカデの群れにはかないませんがね(・∀・)
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