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2005年11月26日(土) 早い

秋の撮影を不思議ちゃんEさんとiプチ姫としなければならないのですが。
今回、中心のEさんが「あたし時間がなくてやる気もないんです〜。iプチさんとじょりぃさんで進めてくれませんか〜」と投げやり状態なもんですから、iプチ姫に連絡を取ってみました。

「撮影の件、Eさんからどれくらい聞いてます?」とワタシ。
「いや、全然聞いてません」 困った(´・ω・`)

続けてiプチ姫
「あのね、 うちのスタッフのA川って覚えてます?」
「ええ、もちろん」

ハーフみたいな顔立ちしてスタイルバツグン、よく笑ってよく働く、iプチ姫のショップのフラワーアレンジメント担当の女の子です。
会えば軽くおしゃべりする間柄でした。

「A川がね、ついこのあいだ亡くなっちゃったんです。ガンで」

え!!!! え!!!!  え!!!!!

と、ホントに大声で三連呼するワタシ。

「だからEさんも、あたしに頼みづらかったのかも。バタバタしていたから」
「・・・・えー・・・だって、ついこの間まで元気だったのに・・・」

桜の季節に撮影したときは、全然元気だったし。
でもワタシ、いつからA川さんに会っていないんだろう。
5月? 6月?
夏に一度会ったような気もするし。
でもガンて・・・。


iプチ姫の話によると。

A川さんはスタバでもバイトしていて、でも5月の終わり頃に
「体がキツイからスタバやめることにしましたー」と、iプチ姫のショップの仕事のみに絞ることに。
でも6月の終わり頃には、仕事中に「立ってられない」と、座っていることが多くなり。
その頃から「お医者に行っておいでよー」とまわりのスタッフも声をかけるようになったのですが。
で、お医者に通ったのですが「原因がわからない。疲れじゃないか」という診断で。
が、「でも良くならないから、まあ念のため」と自発的に検査した結果「肝臓ガン」とわかったのが7月。
この時点で本人にも告知。
どの程度の告知だったのかはわかりません。
そして入院。

でも、「8月になったら退院できるし、土日だけでもお花を手伝わせてほしい」とA川さんが言っていたので、iプチ姫たちは「良くなるんだー」と思っていたらしく。
実際、一度手伝いに来てくれたらしいのですが、でもやっぱり体力持たなくてかわいそうだったと。

結局9月に再入院。
この入院で本格的な治療が始まることになり、「やせちゃったし、病人ぽいところ友達に見られたくない」ということで、お見舞いはできなかったそうです。

今月末に、ショップのM田さんの結婚式があるのですが。
そのブーケはショップの女の子みんなで作ってプレゼントしようね、ということになっていたので、10月の終わりに同じお花担当の女の子が打ち合わせのために病室に呼ばれ。
その子の話によると「もともと細かったけど、ますますやせちゃっててかわいそう。でも元気でしたよ」ということだったので、11月2日にiプチ姫もお見舞いに。

「でね、あたしは一週間後の9日にも会ったの。それが最後。
 このあいだの20日に亡くなっちゃった」
「知らなかった。早い。・・・気の毒だ」
「うん。本当にあっと言う間だった。じょりぃさんに知らせるのもどうしようかと思ったんだけど・・・言わなくてゴメンね」

あまり人に言いたくない気持ちもよくわかるので、それは気にしないでとお伝えし。

「A川さん、いくつだったの?」
「32歳」

27歳くらいかと思ってた。いつの間に30超えていたのだ。

それにしても早かった(亡くなるのが)。そして早かった(病気の進行が)。

すごく親しかったわけではないし、涙は出ませんでしたが、「もうA川さん、いないのかぁ」というぽっかりとした不思議な感情が。
あんなに若々しくてキレイで死の影も人生に暗さもなかった人が。
告知から半年足らずで亡くなってしまった。
半年間、どんな気持ちだったんだろ。

M田さんのブーケ、重たそうだなあ。

それにしても。
もうA川さんのあのキラキラした笑顔を見ることはないのか。
人が(ペットとかでもだけど)亡くなるって不思議です。
今まであたりまえにあったものが、突然日常から奪われてしまうのですね。
iプチ姫は
「同じ32歳の11月20日に亡くなるのなら、事故とかで突然命を奪われちゃうよりも残りの時間を大切にできたし、家族もある程度覚悟はできるし、ある意味よかったかな。闘病期間も短かったし。・・・と、無理に良い風に考えてるとこ」
と言ってましたが。

弱虫なワタシは、できれば突然死にたいです。
半年間、今までの人生を振り返ったりこれからの人生をあきらめたりする作業はツライ。

ワタシは過去に執着のない人間なんですが。そして未来に展望もないつまらない人間です。
なので「心残り」というものはあまりないように思うのですが。今は。

でも、どうしても忘れらない、幸せだった感覚というのがひとつだけありまして。

死ぬときに、何やら幸せな幻覚を見たりすることもあるそうではないですか。
死の恐怖がやわらぐようにうまいこと何かが脳から分泌されるとかされないとか。

だとしたら、ワタシが死ぬときは、その「どうしても忘れらない、幸せだった感覚」を甦らせてほしいなあ。
そうすればものすごく幸せで安心した気持ちで死んでいけそうです。

なんて考えたら、不覚にも涙が。じわりと。
死ぬのが悲しいのでなくて、その感覚に対する未練と自分への憐憫で。
ああいやだワタシったら。
体調も悪かったので、余計に自分をかわいそうがってしまったのかもしれませんが。

A川さんの訃報では泣かなかったくせに、自分のことでは涙が出るのか。
しかも自己憐憫。ワタシってつくづく自分のことばっか考えているのですねえ。

でもほら。 人間だもの。byみつを


というわけでみなさん。
ちょっとでも「あれ?体調悪いな」と思ったら即検査してくださいね。
うっかりA川さんの話をしてしまったら、うちも昨日からきょんが「検査してこい!」とうるさくてしかたありません。
これ以上自己憐憫するのはイヤなので、そろそろちゃんと検査してこようと思います。


A川さん、向こうでは働きすぎないでね。
合掌。


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