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2004年04月15日(木) 温泉宿の恐怖体験

これは話そうかどうしようか、ほんとにすごく迷ったんですが。
だって、ただの気のせいかもしれませんし。
それに「言霊」という言葉があるくらいですからね。
口に出すことによって、現実味を帯びてしまったりしたらイヤだな、なんても思ったわけです。

でもやっぱり、せっかくなのでお話してしまへー、と。
だって、ひとりで考えてても怖いんだもの。
きょんやなっちゃんに話したくても、ふたりとも怖い話ダメだし。
なので、ここでお話させていただこうかなと。 くだらない話なんですが。

そうなんですよ。

ワタシ、このあいだの温泉旅行で、ちょっと怖い目に遭ってしまった、という、そーゆー話なんですわ。
体験したワタシは怖かったんですけど、読む人にはぜんぜん怖くないかもしれません。
怖くなくても許してください。
とにかくワタシは話してスッキリしたいんでございます。


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宿につきまして。
部屋に入って、はーどっこいしょなんて感じで、まずはくつろいでおりました。
しばらくきょろきょろ部屋を眺めた後に、ナナがワタシをからかうの半分、本気半分で
「どお? 嫌な感じはしませんか?(笑)」みたいなことを言ってきまして。
ワタシも笑いながら「ないねー」なんて返した途端。

ごおおおおおおおおおおおおおおおん と、嫌な感じが。

なんですか?
この耳の奥が斜め後ろにひっぱられるような感じ。
貧血?
寝不足だしなワタシ。

ワタシはテレビの音ってキライなんですが、ナナはつけておくと落ち着くみたいで、テレビつけまして。
古ーーーーいテレビですよ。
チャンネルはひとつひとつスイッチになっているやつで、そのスイッチの下に、いちいちそれぞれのスイッチ用のチューナーがついている、という、ワタシは見たことのない型でした。

「映らなかったりして」
と、馬鹿にしながら電源入れましたが、ちゃんと映りました。

しばらくテレビを見てましてね。
そろそろお風呂に・・・なんてことになって、テレビを消すことに。
リモコンなんてないですから、ずりずりとテレビのところに這っていって、プチンとテレビを消したじょりぃ。

画面が暗くなりまして。
そうすると、部屋の様子が画面にうっすら映りますよね。


察しがつくと思うんですが、もうひとりいたんですよ。画面の中に。


手前に大きくワタシが映って、その影になるようにナナ、ワタシが座っていたテレビ正面の席に、長い髪の女性が。
顔はよく見えません。
見えないのに、うつむいているその女性が上目遣いにワタシを見ているのはよくわかるんです。

そりゃあもうびっくりしましたよ。

画面を介して、ワタシったらその女性と目が合っちゃってるんですから。
やっぱ、ほら、女だから、ナナよりワタシの方が波長が合うのかしら。
なんて冗談いってる場合ではなかったりするわけですが。

思わず振り返って確認しましたが、もちろん、テーブルにはナナしかおりません。
画面の中では、相変わらずこっちを見ている女の人。

口説いちゃいますよ?

なんて余裕はもちろんありません。
怖いよ怖いよ怖いよ。

しかし。

ワタシが動揺すれば、ナナなんてビビリまくるに決まってます。
そうなったら、せっかくの旅の思い出が、すべてパー。
お互い、やっと、段取りつけて、時間つくってここまでやってきたというのに。

ナナが気がつかないんだったら、ワタシも気がつかなかったことに・・・・・

って、できませんそんなの。
怖いんだもん、女の人。こっち見てるのに、顔が見えないんだもん。


もう一度画面を見ましたら。
今度は女の人、顔を横に向けてナナを見てます。
しかも、ワタシを見ている時は無表情だったのに、今度は「にいいいいいいいい」という感じで笑ってるんです。
それでも顔はよく見えないんですけど、でも確かに笑ってます。

てことは、ワタシよりナナのほうが気に入ったのかしら。
たぬき顔よりキツネ顔がお好みですか?

って、だからふざけている場合じゃないってば!

当然考えられる善後策としては「部屋を変えてもらう」なわけですが。

予約時に「お客様が今のところ最後のご予約となりますので、お部屋を選んでいただくことができないのですが・・・」と言われていたのでした。

まずい。 まずいです。
ていうか、お姉さん、あなたは誰ですか?
ていうか、清算時に3人分ついちゃってたらそれがいちばん困ります。
なんてことはもちろんそのときは考える余裕なんてないわけですが。

「お風呂行かない?」とナナが言ったので、とりあえず部屋から離れられるし「行こう行こう」とワタシ。

「鍵はどっちが持とうか?」と聞かれたので、迷わず「ワタシ」と。

そもそもナナのほうが長風呂ですし。
だいたい、この女の人とナナとふたりっきりになってしまったら、危なくてしょうがないじゃないですか。
呪われちゃうのも困りますが、ふたりがねんごろになってしまったりしたらもっと困りますからね。

と、今はこんな軽口を叩いておりますが、そのときはマジで「ナナを部屋にひとりにしちゃマズイ」と、眉間にシワ寄せて真剣に考えていたじょりぃ。

まあとにかく、お風呂に入りまして。

歴史の古い建物ですから、まあ、何か曰く因縁のあることもあったかもしれません。
ワタシには霊感てありませんが、この建物、そういうかたがいらっしゃれば、もうびしびしと何かを感じっぱなしで大忙し、ということになりそうな風情はたっぷりです。

部屋に戻りまして。
とりあえず見渡したところ、何の変哲もない部屋ですけど。

ひとりだと怖い。
ふたりでも怖いけど。

どうしよう。
見なければいいのかな。
って、テレビの画面のことですよ?
あれさえなければ、別になんてことないんですから。
なかったことにしちゃおう。
そうだ。
テレビ、部屋の外に放り出してしまいましょうか。
って、そんなことしたら美人女将に怒られます。

なんて考えてたら、思わずテレビを見ちゃいました。
きゃあああああああああああ。

と思ったら。

なんだ。
何もいないじゃん。



さっきのは気のせいだったんですね。
ほら。ワタシ、仕事が忙しかったもんで、きっと疲れていたに違いありません。
と、一瞬ほっとしましたが、そうなってくると、あんなもんをハッキリと見てしまった自分が、今度は心配になったりして。
とうとう頭がイっちゃったかしら?
でもまあ、ワタシの頭なんて、もともと危ない感じだったし。気にしない気にしない。

なんてひとりで一喜一憂しておりましたら。
ナナが帰ってまいりまして。
「露天、気持ちよかったよー」なんて具合に。

そうかそれはよかったねー、なんて返事をしまして、ワタシも腰掛けました。よっこいしょと。

あ。
テレビの正面の席に座っちまった。
と気がつき、テレビの画面を見てみると。

またいますよ。しかもすぐ隣に。


こえええええええええええええええぎゃあああああああああ。


今度はワタシの方にはっきりと顔を向けて、にいいいいいっと笑ってます。
そうなんですよ。年上からモテちゃって困るんですよ。
なんてうそっぽい冗談言ってる余裕はもちろんありません。

でもここで騒いじゃうと、ナナもびつくりです。
そろーーーーっと場所を移動するじょりぃ。
女の人は、ワタシの動いた通りに、上目遣いな角度のまま、顔を動かします。
怖いです。

ていうか、さっきひとりでいたときは、アナタいなかったじゃないですか!
なんで今はいるの?

と思った時に。

ナナが連れてきたの?



ていうか、このナナ、ホントにナナなんですか?


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って、わかってるとは思いますが、この話はウソです。
先日、業者さんのところで3時間ばかりひたすら待つばかりの時間を過ごしたときに、ヒマつぶしにこんなもん打ってみました。
あくまでもヒマつぶしだったために、話が尻切れトンボです。
しばらく放置しておいたものの、せっかく打ったのでアップしたのですが、今読み返してみたら、ちっとも怖くありません。ちぇ。
つまんない話につきあわせてしまって、どーもスミマセン。

実際こんな目に遭ったら、大騒ぎして宿を出て、近くのラブホにでも宿替えするであろう弱虫じょりぃであります。


ああ。

それもよかったかも。


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