2004年03月20日(土) |
もうすでに、思い出。 |
あと、1年だなあ。 と 彼が言った。 出先での待ち時間。
私はまるでそんなことは 気にしにないように そうだね〜 と答えた。
心臓は バクバク となっていて 苦しい。 でも 顔に出さないように 細心の注意を払う。
名刺、もう少ないけど 異動するし。 という。
私。あなたの名刺持っているよ。 前に貰った。 その時は、作ったからと 見せてくれて 1枚くれた。ずっと前のこと。
まだ持っている事を話すのは 告白する位、恥ずかしいことだったかも。 その時は気付かなかったけれど。
え。そうだっけ。 と言う彼に、名刺入れから出してみせる。
じゃあ、オレにもちょうだい。
これ? いいよ。 と私の名刺をあげる。
わーい。 喜ぶ彼を、不思議な気持ちで見ていた。
長椅子に、並んで座っていて 他の客も来たからつめて座った。 彼にとても近づいていた。
壁際に並んで立っていた。 彼がすごく近くにいて 私の腕が彼に触れる。
きっと。 時間にすれば、1分もなかったけれど 咄嗟に。錯覚を起こす。 暖かい腕に。
仕事を終えて 外に出ると、雨だった。 彼と出かけるときに 雨は多いと思う。 雨が好きで、傘をささないで歩く事が 好き。 という彼。
車に乗り込むと 昼過ぎだった。
私の希望を込めた 欲目でみれば。 食事に誘ってくれていたようにも 受け取れた。 どうする? とも聞かないし まだ、戻れる時間だね。 としか言わなかったけれど。 なんとなく。
でも、彼と出るたびに 食事をして戻る事を 周りの人に、怪しく思われない為にも 今日は戻るべきとおもった。
ううん。 本当はそう思わなかった。 帰り道、ずっと彼から言ってくれるのを 待っていた。 だから、会話もあまり覚えていない。 その事に気をとられていて。
車から降りると すごく寒くなっていた。 雨もまだ降っている。 私は耐えられず、走って戻る。
彼も追いかけて走ってくる。
こんな風に 私を追いかけてくれればいいのにね。
去年一緒に、桜を見たことを 覚えているんだろうか。 何度となく 桜の話題になったけど。 私もその事には触れなかった。
あのときが 2人で出かけた最初。 あれから、今回で 5回目。
あと1年。 寂しいけれど それで、もうやめよう。 それまでは、きっと大好きだから。
それから先のことを 今。 考える事は 今日でおしまい。
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