ヒバリは夕暮れ時まで鳴き続け 夜空に飛び上がることなく 草にまみれた田んぼから 届け物
緑に染まる春になれば水が満ち カゲロウの羽の模様した 用水が廻りながら潤してゆく
前川の下を流れる新堀は新たに築かれた川で 底までは2メートル 前川の下にトンネルを掘り交差させてある さらに川下では5メートルの掛樋を築き 川の上を水が流れていた 川下に探検に行った頃の思い出
水温む春になればヒバリは鳴き続け 用水を通す願いもかなえられた トンネルはコンクリートに代わり 掛樋はサイホンになった
日が暮れると聞こえてくる国道2号を通る車の音 届けたかったものはどこに行ったのか 届ける道はどこにあるのか
|