川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
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2007年10月28日(日) さらば?

 
引っ越しを目前に、段ボール箱に埋もれてる。
これを機に、随分色々なモノを捨てたけど、
それでもこんなに段ボールダンボールなわけで、
自分の管理能力に見合った分量だけの荷物で生きられたらいいのに!と
切実に思う。

世の中がアウェーに思える毎日で、
味方というか、子分というか、何か愛しいモノが欲しくて、
本当は、ずっと犬を飼うのが夢なのだけれど、
やはりどうにも無理なので、こんなのを育てはじめた。
ああ、なんとかわいらしい。

髪振り乱して引っ越し準備してる合間に、
松尾スズキの「キャバレー」を見る。
阿部サダヲが出てくると、客席がうお!っという感じに前のめりになる。
すごい人だわ。
こないだ「シェイクスピア・ソナタ」を見に行ったとき、
サダヲさんを客席で見かけたのだけど、
思ったよりも普通に馴染んでいて、保護色っぽい感じだったのに、
この舞台上での熱さはナニゴト??!
テレビで「フラガール」を見て、松雪さんにうっとりしたばかりだったので、
楽しみにしてたんだけど、こちらは何かが足りないかんじ。
でも、皆に嘲笑されながら「私は女優よ!」と叫んだ後の松雪さんは、
グッと凄みを増して、そうそう!それが見たかったのよ!と拍手してしまう。
個人的には、本当はとても悲しかったり悲惨だったりするのに、
そこをちょっと外して、笑う!みたいな、そこがツボすぎて、
概ね笑顔で舞台を見てる若者の中で、なんか涙してしまう。

名古屋にも行った。
(どこにそんな時間の余裕が?という状態だったのに、
 全てを放り出して馳せ参じた)
御園座では、海老蔵と菊ちゃんで「かさね」をやってるんだもの。
菊ちゃんの、なんと麗しいこと。
ますます色っぽくなった気がする。
一つの物語の、悪い男役を映画で、悲しい女役を舞台で、
どちらも演じた役者さんなんて、菊ちゃんくらいなんじゃないか?
その経験が生かされてるのか、これまでの清潔感とは違う美しい凄みが加わって、
女心に圧倒されて、涙涙であった。

昨年の演舞場では「白クマ」?と笑われてた海老蔵の狐も、
痩せて、こなれて、随分と愛らしく、人ならざる獣の悲しさとか出てた。
名古屋のお客さんは、イヤホンガイド片手にどれどれ?という感じだったが、
フェイクの狐の出には、気持ちいいくらいに騙され、客席が沸き、
聞き慣れない狐言葉と、海老の意外(?)な高音に笑ったりしてたが、
次第に、狐の親を思う心のいじらしさに、涙誘われる様子。
私も新鮮な気持ちで観劇できた。

名古屋と言えば、きしめんみそかつひつまぶし!
前回の遠征では、
ひつまぶしの弁当なんかを食べてお茶漬けに出来ない〜と残念がってたんだった。
なので今回は、幕間に食事するのはやめて、
昼の部と夜の部の間に、ゆっくり食事する計画にしてみた。
1日目は御園座から徒歩3分くらいの一冨士 (いちふじ)でひつまぶし。
2日目はさらに近く、徒歩2分くらいのキッチンマツヤで味噌カツ。
どちらも昼の部終演後3時くらいの半端な時間に空いてるのがありがたい!
ひつまぶしは鰻が香ばしくて美味しかったし、
味噌カツって初めて食べたが、クセになる味だわ。
きしめんだけは、どうにも時間がなくて無理みたい〜と思っていたのだが、
夜の9時過ぎの新幹線に乗るべく、ホームに出ると、
あの向こうの輝く看板は!どうやらきしめんだ!
わずかな時間で、ハフハフしつつ鶏と玉子のきしめんをすする。
御園座名物の最中アイスも、かわらず激うまで、大満足なり。
いや〜楽しかった。

で、今日、引っ越しの日にちがずれたために、
ポッカリ1日時間が空いた。
あら、明日どうしよう?などと思いつつ、ふと見つけたお知らせは、
豊洲ユナイテッドシネマの「クワイエットルームへようこそ」の
松尾スズキひとりぼっち舞台挨拶だと!
もう売り切れだろうと思いつつ調べてみると、120席の劇場なのに、
まだ残席アリだ。
独りぼっちの松尾スズキを思い浮かべたら、悩む間もなくチケットゲット。

絶対見たいと思ってたけど、いかったなあ〜。
松尾臭が心地よくて、クドカンがクドカンで、
そして蒼井優が、いい!
壊れそうにホッソリ痩せて、痛々しくて切なくて、たまらん。
「ハチクロ」のはぐみちゃんを実写でやって、こんなにピッタリの人がいるのね〜と思ったし、
「フラガール」も号泣しちゃって、いがった〜と思ったけれども、
私はこの映画の蒼井優が一番好きだ。
で、また、いつのまに、笑ってたくせに、涙ながれちゃって、まいった。
舞台挨拶の松尾スズキは、なんか監督っぽいというか、大人な感じで、素敵。
大人計画の舞台で見てると、こんなにグズグズのグダグダなのに、
なんかとっても色っぽい人だな〜とあらぬ事を考えたりしがちの松尾さんだが。
120の客席は、残念ながら満席にはならず、
ちょっとした大学の講堂Bでの講義みたい。
活発に次々と客席から質問なんか出たりして、学級会っぽかったりして、
勿体なくも楽しいひとときであった。
松尾氏の「ストレスはいつもあるよ」という言葉、ほんとうにね。


そのようにして10月も終わるので、私も都民卒業。
当分は月に一度くらいの上京は確保したい。
そのつもりで、あれこれ計画画策中。
その時は、どうぞ遊んでください。よろしくね。


しま |てがみ もくじを見てみるひとつ前

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