てくてくミーハー道場

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2007年11月17日(土) 『Mate Kamaras×姿月あさと×武田真治 SUPER LIVE』(銀河劇場)

ハンガリー出身のロックシンガーと、元宝塚のトップスターと、ホリプロ所属の“サックスも吹けて、色取りもできる(笑)”美青年俳優。

エリザオタにとっては“当然の競演”だったのだが、「それだけではないぞ」という期待を抱かせるスタッフ陣(演出・振付=広崎うらん、音楽監督=岡崎司)

果たして、「それだけでは」なかったのだが、エリザオタの期待も裏切らない、イイトコ取りの構成でした。

正直、マテの本来の職業(この人はでも、一応「ミュージカル俳優」でもある)寄りの、「知らん歌を延々聴かされる」事態にならなかったのは、良かった(いきなり毒かよ!)

いや、知らん歌は二、三曲ぐらい聴かされた(オイ)のだが、とにかくあまりにも上手いので、思いっきり聴き惚れてしまいました。

知ってる曲(全てミュージカルナンバーでした)にも、当然聴き惚れました。

ずんこの歌(これもほとんど全てミュージカルナンンバー)にも、当たり前ですが聴き惚れました。

真治くんは、可愛かったです(←オチ?)

い、いやその・・・サックス、上手かったです。実にセクシーな音色で。

で、真治くんは「サックス」&「可愛い」担当なのかな?(何しろ、他の二人より身長がやや10センチばかり、低い(−−;)ずんこがでかすぎるってのもあるのだが)と思っていたら、彼も歌いました。悪いのっ?!(怒)

いや、悪くありません。

ただ・・・まあ、ぼくも最近は歯に衣着せないお年頃なので、正直に申します。

(マテ&ずんこに)対抗できるレベルじゃありません。

「下手ではないよね」レベルです、真治くんの歌は。

去年の『エリザベート』真治バージョンは一回しか観ていないのですが、結局感想を棚上げのまま来てしまいました。

今簡単に書きますと、真治くんのトートは、舞台向きではなかった。

日本の可愛い男の人の「可愛さ」レベルは、ぼくは世界でも群を抜いてると思ってるんですが、その威力は、近くで見ないと発揮できない種類のものと思います。

でかい劇場で遠目で見る場合には、全身のシルエットの良さや、近くで見たら「退く」ぐらいデカ造りな顔立ちの方が、必要なのです。

多少大味でも、遠目で「わっ」と来るような人の方が、舞台人に向いてるのです。

真治くんは、映像で見ればわかりますが、きめの細かい美青年です。

トートの役づくりも、きめ細かかった。

でもあれは、映画でなら発揮しがいのある工夫だった。(端的に、「ジョニー・デップがトートを演じたら?」風ではあった)

日生劇場でさえ(そう、帝劇よりも狭い日生で演ったのよね)大きすぎた。




日本の俳優をほとんど映像作品では観ない質のぼくは、真治くんの出世作『NIGHT HEAD』も『南くんの恋人』も視ていないのだが(映画は何本か観たことがある)、ナマ真治くんは、『エリザ』の他にも『電車男』とかを観たりしている(←マニア)

『電車男』は小さいコヤだったので、すごい近くでナマ真治くんを観たのだが、それこそ女優さんに対するみたいに、「ホンマ美形や」「お肌トゥルットゥルや」(なんで大阪弁?)と感心したものだ。

芝居は上手なんだけど、舞台俳優には向いてないかもな、と、思ったことである(近くで見れて得はしたが)




閑話休題。

まあ、そんなわけで(どんなわけだよ)客席のほとんどはエリザオタだったと断言してしまうのだが、そんなエリザオタさんたちは、まさか今回のライブが、(全曲ではないが)スタンダップで、頭上で手拍子状態で、ダンスダンスさせられるなんて、思ってもいなかったであろう。

ぼくも、思っていなかった。

こういうのって、やらされると、恥ずかしいのだが、とにかく、マテの“煽り”が上手いんである。

上手いのは歌だけじゃないんである。

なんか、あらゆる部分で「かなわん」と打ちのめされた。

女装のキモチ悪ささえも、レベルが高かった(←褒めてないだろっソレ)

いや、“あれ”は、似合ったら逆にダメなので(『ロッキー・ホラー・ショー』のフルター博士だから)


でも、結局最も打ちのめされたのは、マテルドルフとずんこトートの「闇が広がる」でった。


なんだこのすごさ( ̄□ ̄;)

実は、この二人で「Dangerous Game」もデュエットしたのだが(念のため言っとくと、ハイドはマテでずんこはルーシー。当たり前だが)そっちはずんこの自己主張が強すぎた気がして、今イチだった。

ずんこは、やはり、“S”なのだ☆\(−−;)何ゆってんだお前は

いや、役の色として、ね(大汗)

このあたりでまとめますと、実に面白い試みであった。

で、最もつくづく思い知らされたのは、「本当に上手い人が歌うと、全然知らん歌でも退屈しない」という、当たり前のようだが、おいそれとは体験できない、貴重な事実であった。

マテ・カマラス、ちくしょう、すげぇ(←ほとんどちゃんとした日本語が出てこない状態)

彼のトートが、もう一度(いや何度でも)観たい。






真治くんのトートは、来年、観に行きます。










それより、ずんこ、またトート演んないかな・・・。

だいたいトートって役は、オリジナルプロダクションノートに「男でもなく女でもない存在」って書いてあるんだから、女が演じちゃいけないなんて規則はないんだ。

ウィーン版でたまたま男優が演じたからそうなってるだけで、宝塚以外ではトートは男じゃなきゃいけないなんて、クンツェさん言ってないだろ。

東宝様、小池先生、ご英断を!(実はこれが一番の望みだったりして)


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