ささやかな日々

DiaryINDEXpastwill HOME


2021年03月05日(金) 
どんよりと横たわる雲、でも地平線のすぐ上に雲はなく、そこから漏れてくる朝焼けの色。その色に向かっておはようと声をかけながらいつものようにシャッターを押す。クリサンセマムはこれから春だというのにほぼ咲き終わっており。イフェイオンと菫が今、見頃になっている。我家のベランダ、春の先取りみたい。見ていて楽しい。
秋に植え替えたラベンダーも順調に育っており、唯一、先日ひっくり返したプランターの中の薔薇の挿し木が。これはもうダメかな、という様相を見せている。申し訳ないことをした、あの時私の足が引っかかってプランターをひっくり返していなければ、今も無事育っていたかもしれないのに。心底後悔。

今日は通院日。カウンセリングの部屋に入り、カウンセラーと向き合う。私があまりに二週間前のことを失念しているのでそこを軽く辿り直し、そうしているうちに私も少し思い出し、話を続けてゆく。
私のフリーズは、私が本当は感じたであろうことを凍り付かせ、なかったことにしてしまう。このフリーズをまず何とかしよう、ということで。次のカウンセリングまでに、宿題が出た。この課題、無事こなすことができるんだろうか。ちょっと心配。
PEの治療にトライした過去、でも私の度重なる被害ゆえのトラウマにどう切り込むべきか、カウンセラーや当時の主治医があれやこれや工夫を凝らしてくれたのだろうが、当時の私はそれらを一切合切受け付けられなかった。結果、PEの中断。今に至る。
今のカウンセラーは私に基本的には無理強いしない。時々思い出したようにぎゅうぎゅう押し込んできて私が慌てふためくところはあるけれども。当時のPEの失敗も、当時の主治医が私の納得を待たずに無理強いした結果だと今のカウンセラーは捉えているようで。それは或る意味ありがたい。
だからというのも何だが。今のカウンセラーが言うのなら、もう一度トライしてみようか、という気持ちになった。どこまでついていけるか分からないけれども。

処方箋を受け取る際、ちょっとした行き違いがあって。私は混乱する。どうしてこんな混乱しているんだろう私、どうってことのない行き違いなのに、と何度も自分に言い聞かす。そうして気づいた。背格好が私の加害者の一人に酷似しているんだ、ってこと。ああ、そうか、とようやく胸を撫で下ろす。理由が分かったことで、ひとつ安堵する。

あっという間の一日だった。私の記憶が時折断絶しているせいなのかもしれないが、でも、今日はあっという間に過ぎた。今窓の外は闇色に沈んでいる。もうすっかり夜だ。息子と家人には風呂に入った。私は窓の向こうの闇をぼんやり、眺めている。

ちょっと疲れた。


浅岡忍 HOMEMAIL

My追加