ささやかな日々

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2020年11月01日(日) 
アメリカンブルーの葉は元に戻らないまま。それでも私は水を遣り続けている。一体どうなってしまうんだろう。大丈夫だろうか。心配になる。不安になる。でも信じて待ち続けている。その隣で、薔薇たちが次々蕾を開花させてゆく。薔薇の花弁はどうしてこうも美しいのだろう。一枚一枚がまるで生き物。いや、生き物なのだが、それでも。瑞々しく花弁を拡げてゆく蕾を指先でそっと撫でる。ありがとう、咲いてくれて。
ノースポールや三色スミレの芽は順調に育っている。でも中には、芽と芽の間で蔭になって小さく縮こまっている子もいたりして。だからそっと、頑張れヨと声をかける。

家人は搬入・設営二日目。家人が出掛けた後、家人に頼まれて動画を作り、送信する。そんな私の横で息子が、「遊んでよー、暇だよー!」と繰り返し喚いている。だから送信後、一緒にサツマイモを賽の目切りにする。
「サツマイモの灰汁抜きをちゃんとしないと美味しくないよ」
「灰汁?」
「ほらこういう感じの。お水につけるとよくわかるでしょう?」
「ふぅーん」
「手がぺたぺたしてこない?」
「する!」
「それ、灰汁のせいだよ」
おしゃべりしながらせっせと切る。芋ご飯を作る。お昼に食べようと約束をして、炊飯器のスイッチを入れる。
水泳教室を終えて出てきた息子を出迎えるプール前。出てきた息子が「カエル泳ぎ難しすぎ!」と顔を顰める。今日から新しいクラス、平泳ぎの足かきが加わった。「そうなの?難しい?」「うん、全然わかんない!」「へえー!母ちゃんはカエル泳ぎの選手だったんだよ」「え?!そうなの?!」「うん。だから、君が上手になったら競争しよう!」「えー…いいよっ」。息子がにまっと笑う。だから私もにまっと笑い返す。
昼食を終えて息子が遊びに行った後、私は息子と孫のマスクを作ろうとミシンを引っ張り出す。せっせと作っていて、最後、あと三か所縫うだけ、という段になって、ミシンが壊れた。いきなり壊れた。うんともすんとも言わない。泣けてきた。この間買ったばかりなのに。ショックでかすぎ。
そんな時ちょうど娘からLINEが入ったのでミシンのことを涙目で告げると「何それ、ウケる!」と返ってきた。ちくしょうめ、と苦笑しながら「手縫いでいい?」と入力、「もちろんだよー」と返ってきてほっとする。

2004年、2005年、今、2005年の10月まで日記を読んできた。正直、落ち込む。こんなひどい時期があったっけか、と。喉元過ぎれば熱さ忘れるとはこのことか、と自分に呆れる。でも。
堕ちるところまで堕ちたら、あとは這い上がるだけ。穴も掘るだけ掘ったら向こう側に出られるというもの。そこには太陽が燦々と輝いているかもしれないのだから、落ち込むだけ落ち込めばいいのだ、とことんまで。中途半端が一番よろしくない。
慰めにも何にもならんが、そんなことを改めて思う。堕ちる時も徹底して堕ちればよいのだ、私みたいなのは。そうすれば這い上がりも早いに違いない。

そう、明けない夜はないのだ。誰にも等しく、朝は来る。


浅岡忍 HOMEMAIL

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