ささやかな日々

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2020年09月25日(金) 
雨の通院日。といっても霧雨。細粉の雨がふわふわと。傘なんてなくても大丈夫そう、と思って歩いていると瞬く間に髪の毛がじっとり濡れてゆく。そのくらい細かな雨。仕方なくバスで駅まで。自転車に乗れないこの何ともいえない頼りなさ。いつも当たり前にかっ飛ばしている道を、バスでとことこ走る。
ぼんやりしていたら降りるのを忘れ、一駅越えてしまう。慌てて戻って改めて降りる。私は何でこんなにぼんやりしていたんだろう、と思い返すも思い出せない。
耳鳴りが酷いことを告げると、耳鳴りのメモをとるようにと主治医から言われる。解離のメモは困難だが耳鳴りなら何とかつけられるだろう。宿題一つ目。
何の話からそうなったのか覚えていないのだが、感情断裂についてのメモをとるようにカウンセラーから言われる。宿題二つ目。「簡単な現実エクスポージャーよ、慣れたものでしょ?」といたずらっぽくカウンセラーが笑う。慣れてるわけじゃないけれど、と思いながら私は苦笑で返す。
PTSDの治療として持続エクスポージャーが知られるようになって、いろんな人が持続エクスポージャーを受けたいと申し出るそうだけれど。持続エクスポージャー、そんな簡単じゃないよ、と時々言いたくなる。毎回宿題が出て、カウンセリング中に録音したデータを毎日聴き直さなくちゃいけないし、それについて今ここでの感じもメモしなくちゃいけないし、それ以外に課題がいくつか出されてそれもこなさなくちゃいけないし。そもそも、トラウマの最も核となる記憶を何度も何度も語らせられるから、もうそれだけで吐き気がするし。持続エクスポージャーをすればPTSDよくなる、って簡単に思っているひとたち多いけど、それは、それだけの大変なことを越えて、の結果だから。単純に、持続エクスポージャー=PTSD治療、なんてしない方が、いい。私のように持続エクスポージャーが合わない患者も結構いたりする。
でも。
縋りたい気持ちは分かる。治療方法があるならもうそれに何でもいいから飛びついて縋って、このしんどさを何とかしたい、って、誰だって思うに違いない。私だってそうだった。だから、縋りたい気持ちは痛いほど、わかる。

ニュースをぼんやり眺めていたら、某女性議員が「女性はいくらでもうそをつくから」なんて宣ったらしい。相変わらず品のないニュースだなあと思いながら眺める。暗に伊藤詩織さんを揶揄していることが透けて見えるところが下品で仕方がない。この議員さんは一体何をしたいのだろう。他人をむやみに攻撃して、それで一体何が得られるというんだろう。しかも、攻撃対象の相手がどれだけそれによって傷つくかを分かった上での行為に違いないそれらは、本当にえげつない。そういう行為によってしか救われない人種って、確かにいるんだよなあ、と、窓の外に視線を飛ばしながら思う。

そういえば昨日は大網まで出掛けたのだった。対話の会による少年院訪問。私もボランティアで加わった。5人の少年との対話。グループワーク。あっという間の数時間。毎回参加は難しいだろうけれど、二か月ないし三か月に一度のペースで参加したいなあと思う。家人に協力を仰ごう。

急に冷え込んできたので毛布を出す。昨夜は暗闇の中押し入れから引っ張り出したので、間違えて炬燵布団を出してしまった。朝になって息子に大笑いされた。今夜は大丈夫、ちゃんと毛布を出した。「うーん、気持ちいいこの感触!」なんて息子が毛布に包まりながら言っていた。うん、毛布って気持ちいいよね。


浅岡忍 HOMEMAIL

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