ささやかな日々

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2020年04月08日(水) 
数年前の日記帳がぼろり出てきて、ぱらぱらと頁をめくってみる。こんなに私は日々を記していたのかといまさらだけれど吃驚する。当時はまだ、活字をこんなに追っていたのだなということにも。

解離だけじゃなく眼が悪くなって、活字を追うことがしんどくなった。それでも本屋に行くとつい、これも読みたいあれも読みたいと手を伸ばしてしまう。気づけば数冊の文庫本を手に、レジに並んでいたりして。そのたび、ああまたやっちゃった、なんて思うのだ。
息子と一緒にカブトムシの幼虫の土を替える。半月そのままにしておいただけなのに、虫籠の中の土は幼虫の糞だらけ。息子とふたり、せっせと新しい土を入れてゆく。今幼虫は四匹。息子がそおっと、幼虫の腹のところをひろげてチェック。メス二匹にオス二匹という具合らしい。私にはちっとも分からない。「カマキリ先生が言ってたよ!おなかに徴があるかないかで分かるんだ!」と、彼はちょっと自慢気。
コロナのせいでお友達と遊ぶこともできないから、エネルギーが有り余っている息子。今日もふたりで自転車に乗り川縁を走る。ずいぶんスムーズに走ることができるようになってきた。帰りの坂道も、一気に昇れるようになった。いい具合。これならじきに、ふたりで長距離を走れるようになるに違いない。自転車大好きな私にとってそれは、ちょっとした楽しみ。

ふと思いついて、日ごろお世話になっているひとたちに生姜茶とあずき茶をお裾分けすることにする。息子にも手伝ってもらって四人分、分包する。宛名を書いてあとは明日投函するだけ。息子が「母ちゃんの大好きなお茶でしょ?こんなにあげちゃうの?」と訊いてくる。普段お世話になってばかりのひとたちにあげるからこれでいいんだよ、と応える。家に閉じ篭るしかない毎日だから、せめてお茶で気分転換でもしてほしい。せめてもの私の気持ち。

明日は娘と孫娘が遊びにやってくる。本当はそういったことも控えなくちゃいけないのだろうけれど、母子家庭でひたすら毎日ふたり密着して過ごすのはしんどい。かつて母子家庭をやっていた私にはそれが嫌と言うほど分かる。娘と孫娘の息抜きに、このくらいいいだろう、と、心の中で言い訳する。
SNSなどをちらり見やると、ひとびとの心が疑心暗鬼になってきている気配を感じ、げんなりする。

コロナ。どこまでひとの心を侵蝕してゆくのだろう。ぞっとする。


浅岡忍 HOMEMAIL

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