ホトトギスの鳴く頃
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結局一度も顔を見せない、剣崎順・影道殉の父母。 (兼 剣崎麟童・大村竜童の祖父母)
万博後の太陽の塔の丘にあのような大掛かりな特設リングを作り、 日本ジュニアと影道で事実上世界大会への出場権をかけさせた黒幕とおぼしき剣崎財閥....
目的はなんだったんだろう?とたまに考える。
ネネちゃんが「高嶺竜児くんだね...日本ジュニアチャンピオンの」と確認しにきたように現れ、野火たちが菊ねえちゃんをさらって竜児一人を消そうとした出来事は、 高嶺竜児ひきいる日本ジュニアを退けて自分たちが世界大会に出て日の光を浴びることが目的だと自分たちで語っていた。 それは総帥である殉ちゃんには無許可でしたことであることも。 そして夜が明けるとなぜかマスコミが動いて、影道vs日本ジュニアの決戦のお膳立てがされていた。 その黒幕が剣崎財閥であることが、大村のとっちゃんの話の中でほのめかされている。 もし本当にそうなら、剣崎家は、この戦いで、殉ちゃんが竜児に勝利する目算があって、自分たちの息子順と殉を二人を世界大会へ...という目論見があったのではないかなと私は妄想している。
捨てた我が子が、実は兄に勝るとも劣らない天才だった。このまま影に眠らせるのはおしい。そういう利己的な親心が....?(そこに剣崎順と戦わせる想定はない) 我が子同士でつぶしあいはさせたくないが、殉ちゃんが我が子順のライバル高嶺竜児を倒せば、わが子同士で共闘の世界大会にいけるのではないか....みたいな下心があって影道の申し出に協力したのではないか? みたいなことを考える。 ネネちゃんのいうことなど蹴っ飛ばしそうな剣崎が、最初おとなしく自宅に待機していたのはなぜか? 引っ張り出された弟の気持ちを慮っただけではなく、もしかしたら親からのいいつけがあったのではないだろうか。 と思うとなんとなく、窓にもたれかかって外を見る剣崎の姿を見て、自分の中では辻褄があうような気がしている。
剣崎は結局現場に駆けつけ、「表の世界に出たいなら」実力が必要なことを己で示し、日本ジュニア側についた。 親や影道(殉ちゃん以外)の思惑を蹴ったのだろう。 竜児が殉ちゃんと対戦するときに、竜児が負けることも想定して日本ジュニアチームに傷がつくことを恐れているような口ぶりまでした(弟の強さを知っている理由は、順と殉の伏線で後で描かれた)。
あの時の参戦するしないで揺れていた剣崎の端切れの悪さや、殉ちゃんと決着をつけようとする竜児を止めるような言動、敗戦した影道を連れて去っていく弟を見送って涙していたのを見ると、そんな気がすごくするんだ... あの涙は、親の勝手で振り回される弟と自分への悲しみの涙であるかもしれないと...
殉ちゃんはそんないろんな思惑が絡む中で、それでも自分の役割(総帥として勝利すること)を果たそうとし、また影でずっと生きてきた自分の存在を証明する機会をいまここに、と腹をくくったにちがいない。 その思いを受け止めてくれるのは、兄剣崎順ではなく、高嶺竜児その人だった。 だからこそ、後に「高嶺くん、あなたにだけは(知っておいてほしい)」と自分の秘密を打ち明けた手紙を竜児に出したんだと思う。 宿命のライバル、竜児との勝負を望む兄の気持ちを汲みながら竜児と拳を交えたあとは、潔く影道の完敗を告げ、また日陰に戻っていった。
私はどう考えても、剣崎父母への好感は一切持てない。 けれどリンかけ2の最終、大村姉弟の住む月島の大村ジムを狙う地上げ屋を引き上げさせたとおぼしい描写があり、ここで無印以降ずっとホトトギスの悲劇の根源だったあの家へのマイナス感情が回復できたと思う。
リンかけ2は無印で残してきたものを全部回収しているね、と友と語るんだけど、ここもかな...と今度語りたい。
じんこ
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