てくてくミーハー道場
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2017年02月08日(水) |
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(赤坂ACTシアター) |
初演がついおとといのことのようで、再演がつい昨日のことのようなホリプロのドル箱演目は、三演目にして“若者チーム”だけではなく“大人チーム”もガラッとキャスト交代がありました。
そしてまたもや“若者チーム”すべてがダブルキャスト。
ホントめんど(オイ)
キャストスケジュールとにらめっこして、全員かぶらずに観れる日程(2月6日マチネと本日のマチネ)を決めて、それに合わせて仕事を調整しました(本末転倒)
というわけで、内容についてはもう知り尽くしているので、以下、意地悪にもキャスト寸評。
あ、ただ今回、演出も多々変更があったので、それについても。
プロローグ
戦争映像か。・・・まあ、気持ちは解らないでもない。が、惜しいことにこの演出、ぼくはすでに13年も前に別の演出家がストレートプレイ版でやったのを観てしまっているので、既視感が半端なかった。
・・・別に同じことやってもわるかないんだけどさ・・・やっぱ、オリジナル感薄れちゃうじゃん。
(ちなみに、13年も前にやってた才能ある演出家とは、鴻上尚史氏である)
死
この役は前回から持ち越しのダブルキャスト(中島周さんが抜けた)
やっぱ先入観かしら、宮尾俊太郎の体の(というより「筋肉の」)使い方が、ええ感じに気持ち悪くて(おい)良い。
“死”の不気味さが、その「この動き、本当にヒト?」ってウネウネ感に見事に集約されていた。
大貫君の動きは、普通に「怖さを出そうと上手に演じてるな」って感じだった。
決して悪くはないんだけどね。芝居の中に溶け込みすぎてて、他の“生きてる”登場人物たちとは別世界にいる存在に見えない。
勝手なこと申してすみません。ぼくが変なことを求めすぎるのかもしれない。
ヴェローナ
前回までは、このお話を“現代”の話にするために、ヴェローナが世界遺産であることをネタにしてたりしたんだが、今回はそれはナシ。ただ、相変わらず、ワカモノたちはケータイ(「スマホ」って言ってないところが引っかかる)命だったりしてる。
こういうのって、ちょっと経つとすぐ古くなるからやめればいいのに、と思うんだがな。
小池先生、イマの子たちはメールでなんか連絡しませんよ、LINEですよ(←お前こそ若ぶるな)
この他にもちょいちょい流行語とか挟んでくるんだが、・・・正直やめたほうが・・・と思うのよね。
でも、一新されたダンスは迫力があって良かったです。このあたりのスタッフの選び方はさすが“日本ミュージカル界のTOP演出家”と言えます。
大公
まー、今回“大人チーム”の方々は皆さん安心感しかないような面々で、何のストレスもなく観させていただいたのですが、岸祐二さんも声にめっちゃ迫力があり、最初にぼくがフランス版オリジナルキャストの映像を視て「大公めっちゃカッコいいなあ」と思ってたまんまの大公でした(いや決してこれまでの大公をディスってるわけでは←余計なことを言うな)
ベンヴォーリオ
矢崎(広)君て、プログラムとかの写真で見ると普通にイケメンなのに、ぼくが観る舞台ではなぜかちょいちょい猪八戒キャラ(ぇ)が回ってくるのはなぜなんでしょうか。
つーか、ベンヴォーリオって猪八戒キャラ?!(←自分で言ったくせに)
んーまあ、前回(尾上)松也が演じたベンヴォに近かったかなイメージが。
んで、本日馬場徹のベンヴォが最初に目に入った瞬間、
「何この池ベンヴォ!」(訳:まあ、なんて見た目が美しいベンヴォーリオなんでしょう)
と驚愕してしまいました。
いやー、いくらぼくが馬場君贔屓とはいえ、すみませんこの評価の差。
馬場君、歌の方は今回の若者チームの平均点レベル。ただ声が非常にイケボ。そしてセリフ回しがもうぼく好み。正直、彼が出ていなければ(そしてキャピュレット夫人がたぁたんでなければ)今回の公演はぼく見送っていたかもしれないってくらいの期待度だっただけに、それが裏切られなくて本当に良かったです。
ただ唯一の残念感といえば、ロミオ(今日は大野君だったが、おそらく古川君とであっても)と顔を近づけると、そのサイズがバレてしまうところであろうか。
いや!顔のデカ○は役者としては美点!(必死)
そんなことより、すばらしい演技力(必死2)
矢崎くんのベンヴォがお調子者の猪八戒なら、馬場君のベンヴォは、モンタギュートリオの中では一番冷静でやさしさがある沙悟浄みたいな(西遊記から離れろ!)
「どうやって伝えよう」を、“歌唱力”ではなく“演技力”でモノにしていたのも本当すばらしかったです(や、矢崎君の評価との差が・・・)
はい、はっきりとえこひいきさせていただきます!(開き直り)
でもやっぱ馬場君だったら次はつか芝居が観たいな。
マーキューシオ
今回のお二人さんどちらも甲乙つけがたい。
どっちもめちゃめちゃキレキャラを思う存分楽しそうに()演じておられました。
なぜか今回の(以前もそうだっけか)マーキューシオは、デカいロミオがWキャスティングされてるせいか、どちらも小柄なお二人。
マーキューシオってどちらかというとダンスシーンが多い役なんだが、それでも、グループダンスを散々やった直後にソロで歌い始めたりすることが多く、ぜえはあを客に悟られないように歌うそのすごさに脱帽しました。
ティボルト
研9対研6(笑)※この日の日記ご参照
まぁどっちも長身筋肉質のイケメンで、キャピュレット夫人でなくても見てるだけでおばさんじゅるり(下品ですわ!)なのですが、研9(笑)の渡辺大輔クンには、とにかくそのヒーロー声(*≧∇≦*)にヤラれちまいました。
ロミオとジュリエットの結婚を知ったティボルトが激昂して、出入りだ野郎ども!!(え?チガウ・・・)みたいに吼えるシーンがあるんですが、決闘だぁ!っていうより、悪を倒すぞ!みたいにしか聞こえない(さすが元ウルトラマン・・・/笑)
広瀬友祐クンの方は3学年下だけあって(すみません、ぼくが勝手に決めた学年です)少し凄みは足りないけれども、「本当の自分じゃない」の歌に切々とした悲しみがあふれていて胸がきゅんきゅんしました(おいおいおばさ/略)
でも、今更ですがこの話、ティボルトもマーキューシオも常にイライラカッカしすぎ(いまさら?!)
だから死ぬんだよ、な?(今そんな話されても・・・)
短気は損気だよってことをシェイクスピアおじさんは言いたかったんだろうねー(そ、そうかな?)
ロミオ
やっと主役までこぎつけた。
今回二人ともビジュアル最大重視ですか?(こら、今までだってそうだろ!)てくらい見目麗しい二人のロミオ。
そして“ルドルフ学園卒業生”(^^ゞ(古川君の方は実はテニミュ出身者なのだが)
二人ともルドルフとして初お目見えのときは、正直「歌○タ!」と厳しく見てしまったぼくですが、あれから4年半すか。お二人とも見事に成長されて、感慨深いっす。
それも、ただ音程はずさずに歌うレベルではなく、しっかり芝居歌になっていた。
若者の成長は、早いものだ。(気分はすっかりロレンス神父)
あ、ロレンスといえば、ロレンスの登場シーンでロミオがちょっとしたアドリブらしきことをするのだが、ここは二人ともまだまだだったなあ。まぁ、本題とは関係ないからいいか。
ジュリエット
木下晴香ちゃんとやら(?)
知らん子や。
おそらく、日本のミューオタの皆さんの99%の感想がこれだったろう。
だって、ド新人なんですもの。
でもそのせいか、手垢がついてない感じがすばらしくジュリエット。
そのくせイマドキの子らしく、初舞台というのに、非常にそつなく「16歳の乙女」役をこなしていた。
しろうと特有の不器用な動きがなく・・・と書いてひとつだけ思い出したが、仮面舞踏会の前のシーンで「神様!」と膝まづく姿勢がなんだか変だった。深窓のお嬢様の膝まづき方じゃない。
タカラヅカの娘役っぽい身のこなしをそんちゃん(秋園美緒)教えてあげてほしかった(なぜならお母様のたぁたんは元男役なので逆効果←)
敵方(そんちゃんはモンタギュー夫人)だったからダメなのかしら?(そうか?)
で、もう一人のジュリエット生田絵梨花ちゃんは“乃木坂”の子。
歌い方も非常にこなれており、最近のアイドル(特に女の子の)は本当に侮れませんね。基礎ができてるもの。
ただ、声がいわゆるアイドル声だったので、主役しかできないタイプなのかな(別にいいのか?)と思いました。
そしてとにかく容姿が華や(木下さんをディスってるのか?)・・・えと・・その・・・なんでもないです。ハイ。
二人とも可憐で良いジュリエットでした。
乳母
シルビアさんお腹に布団入れてがんばってました(笑)
ぼく、「見て、彼女は恋してる」を初めて聴いたのがなんせマヤ・ハクフォート版(しかもナマ!)だったので、その後どなたのを聴いても今ひとつだったんです。歌唱力に定評のあるシルビア・グラブでさえも、やはりマヤさん(と、ぼくの記憶の美化)は超えられなかった・・・もう一生だめなんだろうな・・・もう一度マヤさんのが聴きたい・・・(感想になってない)
でも、愛のあるステキな乳母でした。ただただお嬢様の幸せだけを願ってるって感じがあふれてた。
キャピュレット夫妻
ごめん、ひとくくりにしちゃって(時間がないので)
ちょっと極道入ってるお二人(こら!)
そんぐらい迫力まみれの夫婦でした。
なんせ立ち姿が二人とも堂々と美しすぎて。ミュージカル俳優のお手本ですね。
ただ、これもやはりぼくの記憶の美化のせいなのか、前回までのキャピュレット夫妻の方が、この作品の二人の性質に沿っていた気がします。
特にかなめちゃん(涼風真世)のキャピュレット夫人なんて、
「あのころ私、きれいだった〜♪」
の歌詞が、
「そうでしょうとも!」
と掛け声かけたくなるぐらいドンピシャで(おい、たぁたんはそうでないとでも?!)
・・・う、なんていうか、あの・・・愛されていないことへの怒り、「女だから」と、当たり前のように人間として粗末に扱われていることへの恨みを全身にまとっているようなかなめちゃんのキャピュレット夫人に、前回ぼくは圧倒されていたので。
それにしてもこのキャピュレット夫人て、最初のナンバー「憎しみ、憎しみ」では両家の諍いに対して批判的なのかと思いきや、ティボルトを殺されるとダンナ以上に逆上して夜叉状態になるし、ジュリエットにお前は本当はあの父ちゃんの子じゃないのよ、とか教えたりしてかなりな毒母っぷりを発揮したかと思うと、ラストシーンでは「二人は愛し合っていたのよ!」とか鮮烈なセリフをはいたり、若干分裂気味なキャラに思える。
難しい役ですよね。
一方でダンナの方は、絵に描いたようなダメ父ですが、これまたぼくは彼のナンバー「娘よ」は涙なしでは聴けないのです。こういうのに弱いお年頃。
っていうか、「自分の子じゃないって知ってるけど、それでも俺はお前が大事なんだよ、幸せを願ってるんだよお!」って歌でしょ?不思議だよなあ、ダメ親父なのか男の鑑なのかよくわからんキャラですなあキャピュレットって。
モンタギュー夫妻
元々お話上キャピュレット夫妻に対してあんまり存在感ない二人ですが、今回夫人がそんちゃんになって、驚きのインパクトを残してくれました。
ビバ!歌唱力!(お、ここで大文字か/驚)
って、これまでモンタギュー夫人演ってた方たちに失礼じゃね? ・・・でも、実際そう思ったんだもん。ごめんね
モンタギュー夫人の存在理由がこんなにも大きかったことに、ぼくは感心しました。
まあ、その分やっぱりダンナの方はあんまりいる意味が(おいっっっ!!!)
パリス と ロレンス
なんでこの二人がひとくくりなのか疑問でしょうが、いわゆるコレがキーワード。
「コメディリリーフは笑いをとれなきゃ失格だが、ふざけすぎてもいけない」
・・・批判じゃないですよ。決して批判ではございません。
でも、率直に言ってよければ、パリスはそこがちょっと不足してたし、ロレンスは若干のやりすぎ感(上で書いた、ロミオのアドリブの受け方)があった。
まあ、ロレンスは大悲劇の部分でも重要な役割を果たすのでそこで挽回してたんだけど、パリスは、演出家がこういうの不得意なのもあって、かわいそうだったな(え?イケコをディスるの?)
タカラヅカでは、演出家が下手でもその役をもらった生徒が自分で何とかしちゃうことが多いからなあ。
と、あまりにも好き勝手なことを書き連ねて真夜中になってしまった。
なのでここらへんで〆ますが、最後に、ミューオタの皆さんには「あたしらにはかんけーねえし」と言われそうなことを書きます。
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