てくてくミーハー道場
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2016年12月26日(月) |
『十二月大歌舞伎』第三部(歌舞伎座) |
実は本日で五連荘であります。年末になって仕事も薄くなってきたので、反動がドドドと来ました。
歌舞伎座に入るのは何年振りであろうか。
去年は1度も来なかった気がするから、2年振り? いや、もっと振り?
もう覚えてない振りってことですね。
直前にゲ○不倫が発覚してしまった()神谷町の父子四人同時襲名披露興行も結局来なかったのは、別に×ス不倫にがっかりしたわけではなく(歌舞伎役者の不貞行為には甘いぼくはやはり古い人間なのであろうか)、時間をやりくりするほど熱意がなかったからで。
今月も、来られなければまあそれでもいいや、と思っていたのだが、知り合いが事情のため急に来られなくなったピンチヒッターとして入場。
五連荘目で平日だけど、第三部だけだから時間的に可能だし体力的にも楽だし、玉さんだしなかむらや兄弟(+α)だし。
なかむらや兄弟は今年四月に(忘れもしない熊本地震があった日)明治座で観てるからそんな久しぶりでもなかったんだけど、玉さんはまじ何年振りであろうか?
「生きる美の化身」「動く芸術」坂東玉三郎。
重要無形文化財保持者になって5年目。
化身であろうと芸術であろうと、生きている人間であるからして、玉さんでも歳をとる。
(き、急に何を言い出した・・・?!)
ぼくの記憶の中で超美化されている玉さんのままでいてくれるだろうか・・・?
というマイクロ(百万分の1)メートルの不安を抱きながら登場を待ちました。
「二人椀久」
大丈夫だった。←
玉さんカンペキだった。
と、思う(えっ?)
でも、ぼくの中の超現実な記憶が、ナノ(10億分の1)メートルだけ邪魔をした。
昔の玉さんだったら、もっと、人間味を排除した動きができてたんでは?(あまーりにー多くを望みすぎるよ〜♪c「夜のボート」)
ぼくが歌舞伎を観始めた時代に既にじいさん(こら)だった方たちなら、その辺、鷹揚に見れたんだよな。
動きが多少年寄り風味でも、「心の眼」で十五歳のお姫様にも臈長けた片はずしにも見ることができた。
玉さんみたいに、最初に完成された美の状態で見てしまうと、これから少しでもおからだの動きに鈍さが見えてくると、引き算しかできなくなってくる。
なんか、恐ろしい原理を発見してしまった気がして、妙に悲しくなった。
目の前にいる玉さんは、ピコ(1兆分の1)メートルしか衰えていない(と思う)のに。
え? 勘九郎?・・・うん。(←おいっ!/汗)
だってぇ、恋人に恋焦がれて拒食症になるようなナヨナヨ男に見えない(先入観です!)
それと、これも先入観かもしれないが、松山(玉さん)好き好き!って気持ちが感じられない、なんかビビッてる(こらっ)ように見える。
「しっかりやらなきゃ」みたいな。
みたいなばかなことを考えて観ているうちに終わってしまったです。
あと、今回、演出変わってない? 四月に明治座で観たのとなんか違うような。
より幽幻的になったというか、能っぽくなったように感じた。
隣の席のご婦人は、開始1分未満でおやすみになってました()
ぼくもけっこうよく寝るんだよね「二人椀久」って。
照明暗いし。
でも、今日は上記のようなことを考えてしまい、寝ることはなかったんだけど、内容もあんまり入ってこなかったな(バチあたり者が!)
「京鹿子娘五人道成寺」
いくらなんでも娘多すぎない?()
モーニング娘。じゃないんだから(←)
これまで、「三人」までは観たことありますが(音羽屋三代でやった記憶がある)、「五人」は本邦初演のようです。
全編を5人で振り分けるのかと思ったら、ひとつの場面を2人で演ったり、3人で演ったり、そしてオーラスには5人勢ぞろいする、という、ももいろクロ(略)状態。
おばさん厳しく感想を書きますが、この5人、とても実力が拮抗しているとは言えず、正直、見所はデコボコ状態。
道行(勘九郎)でひょおっ♪となって、スッポンから2人目(七之助)が出てきたところで盛り上がって、この二人が引っ込むと、
「えっ? まさかこれで出番終わり? うそだろ〜」(もちろんまた後で出てきました)
と思っていたら、早々と能がかりで玉さん登場。
実は正直言って、ここでも「二人椀久」の余韻をぼくが引きずっており、「なんか、若干(ここ以降書けない/涙)」と感じた。
まあ、そこは乗り切って、鮮やかな引き抜きから恋の分里になり、さっきの2人に新たな2人(梅枝と児太郎)も加わって、DOJOJI5(ファイブ)。
さすがにこれは舞台が華やか。
ぐだぐだ考えずに目を楽しませなさい、と言われてる気がしたので、無心で楽しみました。
ここで玉さん以外の4人を生意気にも一言ずつ論評。
勘九郎・・・アスリート系ダンサーだなぁとつくづく思う。今回のような女方だとそれはマイナス要因になっちゃうんだが。動きが大きくて、テンポの速いくだりになるとドタバタして見えるところがおとっつぁんそっくりで心が泣けてきた(実際には泣かなかったけど)
七之助・・・美しい。文句なし。何より、どんなときでも“女方”として鮮やかに動いているのが眼福。
梅枝・・・まあ、普通かな(←愛がないわねえ!)。いえいえ、そんなことはない、と言いたいのですが、確かに、さほどこれといって語りたいような部分がなかった。
児太郎・・・振り出し笠をソロで踊ったんですが、道具の扱いがぞんざいなところがおやじに似てるなあ(←好き嫌いがはっきりしてますなあ)と思いました。
そうだ! もう一人、ぜひ評したい役者が。
萬太郎・・・カワイイっ!(≧∇≦)(やはりここは「このショタコンがあ!」と罵られるところでしょうなあ。でも平気←)
■後日追記■萬太郎って“ショタ”ってほどではなかった。もう27歳なので。・・・でも、ぼくのようなオババからすると、平成生まれはいつまでも子供のイメージ。松也ぐらいになって、やっと「大人扱いしてやるか」となるんだがな・・・。
うーん、しばらく観てないと観劇勘(そんなもんあるんか?)も鈍るんだなということが判りました。
せめて、今回のように玉さん、なかむらや兄弟、そして仁左さまだけはすかさず観続けないと、と思ったことでござる(でも、関西まで追っかけていく熱意は今のところ冷め気味)
というわけで、次回はきっと二月(勘太郎と長三郎のお披露目『猿若祭』)に歌舞伎座へ足を踏み入れることでしょう。
あっ、玉さん、一月は歌舞伎座出るのか。
・・・うん。(←えっ?)
あ、お正月は浅草は絶対行くだろうな。(←どミーハーめが)
ではこれにて。
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