てくてくミーハー道場
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2016年04月09日(土) |
宝塚歌劇団雪組公演『るろうに剣心』(東京宝塚劇場) |
2.5次元舞台全盛の昨今だが、宝塚歌劇団こそが(あれ?これ、以前も書いた気が・・・)
とはいえ、“少年マンガ”原作に手を染め始めた(人聞き悪いぞ)のは、けっこう最近のことと思う。
それはそれとして、大傑作『ルパン三世』をやりおおせた雪組、これは期待してもよかろう、というわけで(主要メンバーは代替わりしてしまったが、雪組には『JIN−仁−』の成功例もあるしな)勇んで参上。
いきなり、
「えっ?一本もの(ショーなし)だったの?!」
と驚いて怒られる。
すみません情弱で(事前に知らなすぎだろ)
そして、
「えっ?小池先生だったの?!」
と驚いてまた叱られる(知らなすぎだろ2)いや、このテの話だからてっきり石田先生とかかと・・・
正直、一本ものにするほどの大作かしら?と、原作ファンを敵に回す考えが頭を掠める。
い、いや、つまり、原作を浅く広くなぞって物足りなくするより、一つのエピソードをすっきりと描いて「これが『るろ剣』の世界だ」と示してくれれば良いのではないの?と思ったわけで。
たしかに、小池修一郎という人は、一幕ものが苦手である(決めつけ)
90分で話をまとめることができない人である(酷評)
昔はそうでもなかったのにな。
あ、グチですねすみません。
長い長い原作を力技でまとめてしまった「『銀河英雄伝説』伝説」(なんのこっちゃ)を持つ小池先生だが、果たしてこれはどうなるのか。
と思っていたら(以下ネタバレ)、原作でいうと1〜4巻までの話をうまくはしょって+(怒られない程度に)オリジナルストーリーを加筆して構成しておられた。
うまくまとまっていたと思う。
てな感じで、いまいち歯切れの悪い感想でごめんなさい。
ぶっちゃけ、今回小池先生に申し上げたい言葉はこの一言のみ。
「先生、『アポロンの迷宮』から全然進歩してませんなあ」(←そんなにはっきり・・・/大汗)
今まで何回見たかしら、ああいうシーン(こらこらこら/汗ダラダラ)
いえ実は、『アポロンの迷宮』、すんごく好きな作品なんだけど。ただ、あれが最初だったから、そしてあのキャストだったから好きといいますか、そういうことです。
では続いて、生徒さんたちに対する感想。
まず最初に。
れいこ様、おステキィ〜〜〜ッ!!!q(≧∇≦)p←やはり今回も出たかこういう感想
れいこ様れいこ様れいこ様ぁーーー!(だ、大丈夫?/震)
大丈夫れす。ハァハァ←全然大丈夫に見えない
2016年4月現在、宝塚歌劇団に在籍する生徒の中でナンバーワンの美貌を誇る(と勝手に認定)月城かなとが演じた役は、原作でも群を抜いて女性ファンが多いという噂の美形キャラ・四乃森蒼紫。
おそらく、事前に原作を知っていた方は、蒼紫はだいもん(つまり二番手)が演じると思っていたのではないだろうか。
それだけ、「高荷恵編」(あ、ネタバレ)の中では大きい役である。
そして、明らかに女性観客人気ナンバーワンになるであろう役である。
たしかに(組事情により)原作ほど大きい役ではなかったが、そんな役を、えーと、たぶん5番手?のれいこに当てるとは。
英断。そして、快挙。
組事情など知らないタカラヅカ初心者(≒原作ファン)にしてみれば、“実物大フィギュア”そのものの容姿と歌唱力ダンス力とで、記憶に残ること間違いなしのはまりっぷりであった。
んもう、雪組の男役、充実しすぎだわ。ジェラしいわ。←
まあ、二次元キャラに容姿的にはまることにかけては他の追随を許さぬ宝塚歌劇団であるから、そこんとこはれいこに限らず。
まんま誌面から抜け出てきたような(大湖)せしるの高荷恵や、これまでで一番本人に“寄った”キャラを得たゆうみ(咲妃みゆ)の神谷薫、「これは絶対娘役が演るだろうな」と目していた弥彦は“やっぱり”の彩みちる(でもハマってた)など、娘役チームは安心して見ていられた。
男役に目をやると、デカデカ鳳翔(こ、こら・・・)にデカデカ左之助、男くささがウリ(?)の彩風(咲奈)に男くささ満載の斎藤一を当てたところまでは別に驚きもしなかったが、誰もやりたくないであろう(つうか、なんやかんやで他の役に吸収させちゃうかキャラ変させるか専科さまにやっていただくかと想像していた)武田観柳を彩凪(翔)に当てるとはなんと残酷な、と思っていたら、やはり“男役10年”はダテではありません。ビジュアルこそ原作みたいに崩してはいなかったが、ああきたかこうきたか、の意外においしい造形。きちんと路線として扱われていて(ぼくにはそう思えた)ありがたや。
そして、謎のオリジナルキャラクター(なのに、新選組ファンならば皆な知ってる)加納惣三郎という役を与えられた我らが(←勝手に)だいもん(望海風斗)
まあこれが、小池作品二番手キャラ色100%なやつで(おやおや、旗色が・・・?)
まあ、だいもんだから許してやるけどさ(←例によってなぜ威張る?)
プロローグの総踊りでは、だいもんの一人“異次元”なダンス力に目が釘付けになった。あのシーンだけでもチケット代のモトがとれたと思ったでござる。
感想が珍しく最後になりましたちぎちゃん(早霧せいな)ですが、低身長(こ、こら/汗)に朗らかさと殺気を併せ持つキャラという、これまたちぎちゃんにドンピシャの役で、役づくりそのものは成功していたのだが、思ってたより(期待値が高すぎたのか)殺陣にキレがなくて。
まあ、マンガでしか実行不可能であろう「飛天御剣流」を舞台上で見せるのは思い切り大変だったろうから、こっちはそこまで望んでいたわけではなくて、いわゆる“見た目かっちょいい”剣捌きを見たかったのだ。そこがちょっと残念だった。
その点では、“剣心の影”(回想シーンの剣心)を演じた永久輝せあの方が立ち回りはうまかった。
日本舞踊の素養が関係しているのではないかと想像する。
と、いろいろ書いてきたが、もうぼく的には、れいこが素敵だったからもう何でもいいや。←
安定のておどる感想であった。
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