てくてくミーハー道場
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2016年01月17日(日) |
宝塚歌劇団月組公演『舞音−MANON−』『GOLDEN JAZZ』(東京宝塚劇場) |
『マノン』という作品については、かつて瀬奈じゅん&彩乃かなみという月組の一時代を築いた黄金コンビが、二人とも花組にいた時分に初コンビを組んだ作品(2001年!)を観ております。
と、またもやBBAの長い回想で始まりました。
回想したわりに、その肝心の『マノン』の内容をあんまり覚えてないのよね(←)
原作も読まない人間なので(文学に疎くて本当すんまへん)ストーリーも知らず、一般的な知識(マノン=ファム・ファタール)で臨んだわけですが、「マノンって、ぼくが思い描いてたような魅惑的な悪女じゃないなあ・・・かなみんは可愛いけど、この子に振り回されて人生棒に振るこの男(あさこが演じていた主人公ロドリゴ)がただ初心っつうか世間知らずすぎなだけじゃん。それより(マノンの兄貴を演じてた)らんトム(蘭寿とむ)かっこええーー!」(←)という感想しか抱けなかった。
そして、「それより、瀬奈じゅんを売り出そう作戦が見え見えの作品ですな。いちいちスパニッシュダンスシーンであさこの脚の長さを強調してるし」とひんがら目評価。
で、今回も、「あの、なんとなく納得いかなかった『マノン・レスコー』を、ケイコたん(植田景子先生)はどのように料理するのだろうか」と、期待と不安ないまぜで臨みました。
そうしましたら、原作フランス、花組版スペインときて、今回の舞台はインドシナ。
なのに主人公の名前はシャルル。
フランス人なの? あ、そうかこの辺は当時フランス領だったからね。
で、ヒロインとその兄は、そんな国情を象徴するかのようにベトナム人とフランス人のハーフ。
え? ミス・サイゴ(略)
全然内容の話にならないということは、やはり今回も「主人公の男って、なに、バ○?」という感想しか抱けなかったと。
ほんっっっっっとに、○カにしか見えぬシャルル。←い、いくらなんでも言い過ぎでは?(大汗)
だってねえ。・・・なんか、説得力がないんだよ行動に。
ええとこの坊ちゃん将校が(いや、だからこそか?)、ちょっとぐらいいろっぺえ美人を見たからって、任地に着いたその足で発作的に女連れて脱走って・・・中二か!
なんか、理解しがたいんですよ田舎で品行方正(?)に育ってきた年寄としては。
こういう、発作的に行動する男女って、すごく苦手で(だから『アンナ・カレーニナ』も正直あんまり好かん)
個人的な好き嫌いで判断してすみませんね。
ただ、さすがはケイコたんだと思ったのは、そんな中二満開のシャルルの行動に若干の説得力を添えるためなのか、単に月組生徒の使い道に困ったからなのか(余計なことを書くな!)、“もう一人のシャルル”とかいう異様な()キャラをミヤ様(美弥るりか)に充てたこと。
こいつがいちいち(言葉が悪いですね今回も)舞台上をふわふわしてるせいで、困ったちゃん100パーセントのシャルルの行動が、なんとなく説得力ありげに思えてくるというタカラヅカマジック(デモボクニハアマリソウハオモエマセンデシタケドネ)
それにしても、ミヤ様、得なのか変なのかわかんない役をもらったなあ、立場的にこれどうなのかなあ(余計な心配です!)と思ってたら、ラストのラストに一言だけセリフが!(ネタばれ)
ところが、そのセリフというのが、それまでずーーーーーーーっと黙っていたキャラが最後に一言だけ発して、お客さんが「そうだったのか!これで全部理解できた!さすがだ!!!」と思えたようなセリフだったかというと、全然(もうそれ以上書くな/涙)
何だったんでしょうこの作品。本当に残念としか言いようがない。
ちゃぴ(愛希れいか)も、かなみん以上に一所懸命“ファム・ファタール”を演じてまして、その頑張りは認めたいんだけど、そのせいで逆にまさお(龍真咲)よりすごーく年上に見えて、男を破滅させる悪女というよりも手練手管に長けた熟女みたいだったし(まさおの“中身”がフェアリー感満載のミヤ様という舞台上のエヅラのせいで、シャルルが本当にガキに見えたのだよ)
原作でも大切な役である主人公の親友(今回の作品ではクリストフ・モランという名前)を充ててもらったカチャ(凪七瑠海)も、大してしどころがなかったような。つうか、カチャって前はすごーく重用されてたのに、次第に路線から外れてきてない?(←これが杞憂でも何でもないことが、この1時間後に判明)
そうなのよ。花組『マノン』の伝でいくと、男役二番手が演るべき役・マノンの兄の役を演っているのは、珠城りょう研8ではありませんか!
この子(実はよく知らないのです)が、その・・・そういう立場なの?(←遅いですよ?ておどるさん)
まあ確かに、最近また男役の高年齢化が問題視(以下、わたくしの最大の贔屓生徒に火の粉が降りかかるので強制終了)
そうなのか。そういうことなのか。うかつでごめん。
でも、やはり研8レベルの演技だなあ。組が違うけど、ゆりかちゃん(真風涼帆)ほどの子はそうそう出て来んということよな。(ド贔屓発言)
てな感じで、組事情とかを考えながら観てしまったせいで(それだけが理由ではないが)、「(主人公の)男!結局何をしたかったんだお前!」という感想でした。
破滅も何も、死ぬのはマノンの方だけだしな(ネタばれネタばれっ/汗)
いくらなんでももうちょっと理性というものを持ってほしいわ、と思いつつ周囲に目をやると、今度はこういう設定の物語にありがちな「自由と独立を目指してテ○に明け暮れてる」ワカモノたちが騒ぎばっか起こしてる(←もっと優しく表現してください!)
そんな中、ちょっと目を惹いた生徒が、カオという青年を演じた朝美絢ちゃん。目鼻立ちがすごくはっきりしていて目立った目立った。今後の公演以降、注目しようと思いました。
と、本編への感想はかなーりわやな感じになりましたが、ショーの方でさらなる衝撃。
上にも書きましたが、フィナーレのパレードで、羽をしょってちゃぴ(娘1)の直前に大階段を降りてきたのが、カチャでもミヤ様でもなく、珠城だったという事実に、組事情に疎いライト客は戸惑いを隠せませんでした。
い、いや、珠城ファンの皆さんを敵に回す気はさらさらないんですが。
ただ、本公演で彼女の場面をまともに見た記憶がないからなだけで。
え?『PUCK』でボビーを演ってた?
ああ、あのガタイの(略)か。
“天海二世”(ってほどではないんだろうけど)扱いなのか。
え? ダイキンのCMに出てる? え? あの、“美人総合職”を絵に描いたような(どういう表現だよ?)女優さん(だとばっかし思ってた)が、この子なの?
・・・舞台化粧へたやな(おい)
でもまあ、明らかに“これから”の生徒でしょうからね。温かく見守っていきましょう。
珠城に関してはこれくらいにして、ショーの感想はといいますと、月組名物(?)“男1そっちのけでちゃぴがぶいぶい踊りまくる名場面”(Rhythm)が今回もありまして、ぼくも大満足いたしました。
これでいいのかよ?月組(知らん)
けど、やたら“男役トップ二番手偏重娘役ないがしろ”よりは、こうやって“デキる生徒が大活躍する”方がぼくは好きですけどね。
ただあの、(ぼくから見れば)スター男役が複数いるわりに、使い方が下手ですなあという印象。
「Go to the Luxury Club」みたいな、だっさいカッコした田舎者がクラブに入るといきなりカッコよく変身して(たいていタキシードに着替える)踊りだす、みたいなワンパ(略)な場面をカチャぐらいの立場の男役に与えるのはかんべんしていただきたい。
それなら女装の方がなんぼかよかです。
趣味100パーセントです。すんまへん。
なんか、月組にはカラいかしらあたし。
いや、素直な感想ですわ。
公演を観て、ストレートに思ったことを書いたまでですわ。
ごめんあそばせ。(わけわからん終わり方をするな!)
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