てくてくミーハー道場

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2015年12月23日(水) 『とりあえず、お父さん』(天王洲銀河劇場)

未だ仕事が通常運転ですので全然年の瀬のせわしなさを感じないのですが、着実に2016年がその辺り(ってどの辺り?)まで来ていることにはたと気づき(遅いぞ)本日やっと年賀状を買ってきました。

親戚に未だ昭和初期生まれが多いので、嵐に頼まれなくても()けっこう枚数多く年賀状を出します。

絵面は印刷だけど、宛名まで印刷だとぼく自身もらった時にムカッとするので、自分も宛名だけ手書きで書いています。そんな苦労するほどの枚数でもないしね。





といいつつ、京セラドームコン(今年のKinKiコンは通称何ていうのかなあ?アルバムが出てないから決めづらいな。公式では「2015-2016」の「2」と「KinKi Kids」の「s」を同じフォントにして、ペンライトにもそのデザインをつけてるので、「2コン」? 正直意味が分らん)の余韻に浸る間もあらばこそ、連日の長時間バラエティ(例によってすまぷ兄さん方多し!)録画のためのHDDの整理に半永久的に忙殺される不毛な毎日。

でも芝居は待ってくれないので(泣く泣く4本ばかり諦めました←チケットを無駄にしたわけではないので、まあ良し)、明仁陛下のお誕生日で休みなのをいいことに(実は持ち帰り仕事があるのだが)本日もてくてくしてまいりました。





重量系(?)舞台の多い(藤原)竜也くんにとっては珍しい翻訳もののコメディで、そういう軽妙な竜也くんというのが何か想像できず(これまでコメディをやったことがないわけではないのだが)、むしろシェイクスピアものより緊張した(←)

いやしかし、さすが元天才少年(“元”は“天才”ではなく“少年”につきます念のため)、このテの芝居に一番必要とされる「自然な芝居」がやっぱり上手い。

いつだったか、「藤原竜也のマネ」をしてるモノマネ芸人を見たことがあって、なんか、わざとらしく声を殺したセリフ回し(多分、映画版『DEATH NOTE』の夜神月を模してたんだろうな)をしてたのを見て、ムカッとしつつも「あー確かにそう見えるかも」と納得していた自分もいたので、それが「フジワラタツヤ」のデフォルトになっちゃう危惧はしていたのだ。

でも、やっぱ実力派であることに間違いはなく、実にイヤミのない憎めない好青年ぶりで安心しました。




アラン・エイクボーン作の今作は、その、竜也くん演じる好青年が早とちりをしてしまったせいで話がこんがらがるという絵にかいたような勘違いコメディ。

えもっちゃん(柄本明)が出ていて演出が綾田俊樹さんなので、東京乾電池のお芝居の雰囲気なのかな、と思ったが、こういう作劇はむしろ東京ヴォードヴィルショーだ。

誰かが早とちりしてしまったせいで話がどんどんこんがらがっていくというストーリーは、ちゃんと描かれないと本当にわざとらしくなって観客の心が離れてしまう、喜劇の王道であるにもかかわらず、書き手にとっては一番難しい内容だと思う。

「なんでそこでわざとセリフをぼかすの?」とイラッとさせたらおしまいだからだ。

話を引っ張るために登場人物を勘違いさせておかなくちゃならないんだなー、と客に思わせてはダメなのだ。

その点、今回の話は、そういうことろがあまりなく(皆無、というわけではなかった)本当にウェルメイドな芝居だった。

出演者は、前出の竜也くんとえもっちゃんのほかに、本仮屋ユイカちゃんと浅野ゆう子ねえさん。

ユイカちゃんは、舞台経験は浅いが、立ち姿やせりふ回しなど、基礎ができてるのがわかる、すごく感じのいい芝居ができる子(彼女が演じたジニィは、はっきりいってしょーもない女なんだが、なぜか憎めない)だった。

ゆう子ねえさんは、まず、あの落ち着いた声が素晴らしい。外国人女性を演じるにふさわしい成熟した魅力があった。

まあ、年の瀬のバッタバッッタした時期に観るような芝居ではない(コラ!)気もしたのだが、・・・え? これ、クリスマスちょい前ぐらいの設定なの? あー、じゃ、ぴったりなのね。失礼しました。

東京公演は今日が楽日だったのだけど、来年になってからちょろちょろ地方を回るようです。

肩の凝らない素直に楽しい芝居なので、お薦めでありますホリプロ(←語尾に余計なものがついてますぞ?)


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