てくてくミーハー道場

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2015年08月16日(日) 再演二題

扁桃の腫れは全然治っておりませんが、体のきつさは二日間寝倒して改善したので、本日はマチソワに挑みました。





マチネ

宝塚歌劇団宙組公演 三井住友VISAカード シアター『王家に捧ぐ歌―オペラ「アイーダ」より―』(東京宝塚劇場)

冠公演でタイトル長すぎるわ(余計なダメ出し)

この初演ってもう12年も前なのか。

90周年直前の歌劇団て、人事がわやくちゃで次のトップコンビがどうなるのか本当に予想つかなかった時代だよなあ。

というBBAの記憶を念頭に置いて以下の感想をお読みください(実はそんなに関わってこないよ、安心して)


木村(信司)先生のオペラを下地にした作品は、この『王家に捧ぐ歌』(「アイーダ」)と『鳳凰伝』(「トゥーランドット」)が大成功作で、『FREEDOM』(「カルメン」)と『炎にくちづけを』(「イル・トロヴァトーレ」)が大失敗作なのですが(※個人の意見です)、特にこの『王家〜』は、初演当時からべらぼうに評判が良かったです。

よくぞここまでオリジナル曲だけで分厚い作品を作り上げられたなー、と、本当に感動しました。

・・・って、それって結局、甲斐(正人)先生の手柄じゃね?(そ、それを言ったら・・・/大汗)


それはともかく、再演の方たちはどうしても初演キャスト(当然上級生なので、“記憶フィルター”もかかっており断然不利)と比較される運命。

その点では、今回主役となったまぁくん(朝夏まなと)の、美貌も実力も兼ね備わった資質で安心感しかなかった。

まー、当時の(湖月)わたる君の“男役オブ男役”の存在感にはまだまだ及びませんが、その分なにか、初々しさというか若々しさが、ある種脆さとか危うさにつながってて、えもいえぬ色気を醸し出していた。

初演もすごく感動した作品だったんですが、今回ぼくは、ラダメスが地下牢に入ってセリ下がりながら、

「エジプトは、これからもずっと戦い続けるのですか?」

と歌う短いフレーズ、激高するでもなく、嘆き悲しむのでもなく、ただ“これだけが疑問なんだ”と言いたげなある種クールな歌い回しが、ぐさっっっっっと刺さってきて、あられもなく大泣きしてしまいました。

その後もべそべそ泣いていたんですが、華やかなフィナーレに本当に救われた。

あのまま終わって場内が明るくなってたら、大惨事()だったぞ。

観た日(終戦記念日の翌日)も、効いたのかもな。プログラムを読む限り、キムシン先生の意図からはどうもまったくはずれてるようだが。



ともあれ、まぁくん、実に堂々としたトップぶり。しかも、みりおん(実咲凜音)やゆりかちゃん(真風涼帆)との並びも非常にバランスがとれていて、新生宙組の旅立ちは順風満帆と感じました(実は『トップハット』も観ているので、それはすでに思っていた。その時はまだゆりかちゃんがいなかったのでね)

ただし、ちょっと最後に苦言を呈しなければならんことがひとつ。

アムネリスという、アイーダとがっぷり四つに組む娘役としての大役を今回得た伶美うららちゃんなのですが、キムシン先生、いくら前回の檀(れい)ちゃんの評判が良かったからって、キレイなだけで歌がダメダメ(←例によって、見えぬ)な娘が何度も許されると思うたら大間違いやぞ!

あれは、檀ちゃんだから許されたんだってことを覚えとけ!(なぜかお怒りのておどる様)

・・・まぁ、ラダメス、アイーダ、ウバルドの安定力に免じて今回は許してやるが(←偉そう)

他の宙組生も、よくがんばってました。

それにしても、主題歌「世界に求む」の歌詞はあんなに感動的なのに、「すごすご♪つよつよ♪」みたいなバカな曲をなんで途中で入れるんかなキムシンは。そこが毎度謎だ(散々褒めといて最後に余計なこと書くなよ・・・)






ソワレ

『もとの黙阿弥』(新橋演舞場)

実を申しますと、先月ぼくはこのコヤで『阿弖流為』を観たときに、

「2015年は、この作品を観られただけでもう充分!他はいらん!」(暴言)

と強く思ったのであります。

そんぐらいぼくの観劇ダイアリーの頂点に君臨する作品に出合えたと思いました。

作品の内容・ストーリー・セリフ、演出ほかもろもろのスタッフのお仕事、そして役者の力、すべてがそろった大傑作だと感じました。

その気持ちは、幸い未だ上書きされておりません。

ですが、本日の『王家〜』そしてこの『〜黙阿弥』も、間違いなく2015年ベストテンに入る作品です。

前回の上演は、ラストシーンを知らずに観たぼくでしたので、あの終わり方が本当に衝撃でした。

井上ひさし先生の恐ろしさ()をまざまざと感じたものです。

今回は、あの幕切れを知っているので、ラスト近くになると胸がざわついてしょうがなかったのですが、板の上の役者さんたちが真摯に演じていたこと、栗山民也せんせいのけれんのない演出が効いて、「うーむ」と唸りつつもしっかりと納得できた終わり方でした。

ラブリン(片岡愛之助)が巧いのは言わずもがな、まとぶん(真飛聖)の基礎力の高さに大満足。ほんとに素敵な女優さんになったと思います(ちょっと痩せすぎかな? 顔が細すぎて男顔に見えた)

(早乙女)太一くんは、いまいち口が回ってないのが気になった。ひよひよした若い書生の雰囲気を出そうとしたのか、本当に口が回っていないのか判断がつかずモヤモヤ。前回の(柳家)花緑が立て板に水だっただけに、やはり、こちらの記憶力に邪魔された感じ。

貫地谷しほりちゃんも、下地がちゃんとできてる女優さんらしく、良かったな。

どうしても前回のキャストと比べてしまった訳だけど、資料を見ると、初演(今回は三演目)のキャストがすごい人たちすぎて、のけぞってしまいます。当時ぼくはまだ演劇の「え」の字も知らない貧乏学生だったので(『銀河鉄道999』に夢中でしたすみません)まったく知らなかったんだけど、タイムマシンに乗れるなら、100万円までは出すかもしれない(こらこらこら)

あっ、まだ書きたいことはあるのだが、もう寝ないと明日がつらいので(また扁桃炎がぶりかえずぞ!)一応今日はここまで。


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