てくてくミーハー道場
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2015年04月16日(木) |
『団子売』でも可(←本文参照) |
十七代目中村勘三郎丈が亡くなって、今日で27年目。
今までぼくは4月16日について特別に書くことはなかったけれども、さすがに今年は書かざるを得ない。
だって、なかむらやファミリーのファンなら間違いなく全員が大好きな中村小山三丈が、ほんの10日前に亡くなってしまったからである。(合掌)
89年(!!!)もの長きにわたって中村屋一門を支えてきたスーパーお弟子・小山三さん。
100歳超えして、中村屋四代に仕える日も夢ではないと思われていたのに(いっとき、ご病気をされて危なかったこともあったが)
とても残念です。
「ダンナ、アタシ参りましたよ」
「おや、ずいぶん早かったね」
「だってダンナ、おっしゃったじゃありませんか。『ボクが死んだらね、棺桶に小山三を入れるんだよ』って」
「あれはシャレだよ、お前さんだって判ってるだろうに」
「ですからね、27年お待たせしました。その間に、雅行さんが立派に勘九郎を継がれて、結婚もされて、男の子二人ですよ。中村屋は安泰ですよ」
「それにしたって・・・あいつはずいぶん早く来ちゃったしねぇ・・・」
「それだけは・・・アタシも悔しくて、残念で・・・(涙)」
罰当たりですが、こんな空想をして悲しみを紛らわせているのです。
罰当たりついでに、こんな妄想も。
「ちょっと、寿ちゃん?!あーた何やってんのこんなところで!」
「え? いやね・・・(照)、ちょっと、早く来すぎたかな?」
「当たり前だよ!だめじゃないの。光寿くんどうするの。それに、うちの倅たちのことも頼んどいたのに・・・」
「面目ない。こればっかりは寿命だからさ・・・」
「それはそうだろうけどさ・・・まぁ、俺も人のこと言えないわな」
「そうだろ?ぼくだってね、歌舞伎の今後のことも考えてね、がんばろうと思ったんだけど・・・、やはり病気には勝てなかったよ。残った者を信じて任せるしかないと思うよ」
「そうかねぇ・・・」
「それより、久しぶりに哲ちゃんの顔見たら、何か一緒に踊りたくなったよ」
「いいね!『棒しばり』をさらいたいと思ってたんだよ。どう?」
「いいねえ。あそこにお殿様もいるし。おーい、兄さん!」
「・・・おや? 寿ちゃん! ずいぶん早いお着きで」
「よしてくださいよ。夏雄兄さんも、こっち来られるのは早すぎたって、下じゃみんな口々に言ってましたよ」
「最近こっちに来る人が多いのが心配だね。下界は大丈夫なのかね?」
「若い人たちががんばってくれるとは思いますが」
「そう。何とかふんばってほしいね・・・」
調子に乗ってると、どんどん往年の名優が出てきそうなので、この辺で止めときます。
よく考えたら、あの世の方が“層が厚い”のは当たり前ですね。歴史が違いすぎるんだから。
何年前だったかの俳優祭の寸劇で、「あの世の“顔見世”はスケールの違う大顔合わせ」みたいなギャグがあったけど、そのときは、今登場した方たちがこんなに早くあっちの座組に入るとは思ってもいなかった。本当にさびしいです。
といいつつ、新しい歌舞伎座にはめっきりご無沙汰のわたし。
だって、いまいちそそられな(今日一番の罰当たり発言!)
話は冒頭に戻りますが、(歌舞伎座はともかく)平成中村座には、長寿のシンボル小山三さんにパワーをいただきに行く気満々だったのに、すっかり「ダブル追善」の様相を呈してしまいました。
でも行くから!ぱネェ競争率を勝ち抜いて手にしたチケット(それも安くない←)、ムダにしてたまるもんか!(何の決意だよ?)
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