てくてくミーハー道場
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(演歌のタイトルみたいですが)
積年の夢が叶い、とうとう桜の季節の吉野山散策を体験しました!\(^-^°)/
元来無計画が身上のわたくし、突発的に仕事がヒマになったので、突発的に激安バスツアーを見つけて、突発的にぼっち参加。
予約してそわそわ待つこと2週間。
観光協会の公式サイトを日々チェックしていると、ぼくが行く予定の4月7日は、下千本がドンピシャ満開予想。
中千本が五分咲き、上千本が三分咲き!\(^ ^)/奇跡の日程
ところが、前日になって「雨でめちゃめちゃ気温低下」という非情の天気予報。
月曜日の東京はそこそこ暖かかったので、防寒着を詰め込んだリュックを背負って職場に行くのが若干恥ずかしかった(どうでもいいじゃんそんなこと)
さて、しっかり仕事を片付けてからその夜のうちに深夜バスで出発。一晩中ほぼ不眠のまま(電車では居眠りできるのに、「さあ、朝まで寝てなさい」とお膳立てされた深夜バスではほぼ眠れないという困った体質)早朝から(ガイド不在)登山開始、自己責任で決められた時刻までにバスに戻って帰京、という弾丸ツアーでした。
この年で、この体力で、果たして乗り切れるのか?と我ながら不安だったのですが、エンドルフィンがどばどば出てたせいか、自分でもびっくりするほど元気に山道を計18km(!)歩き続けることができました。
それもこれも、想像していた以上に美しかった吉野山のおかげ。
結局ずっと雨だった(といっても山の雨なので、粒子が細かく、雲の中に入ってる感じ。もちろん濡れるんで傘はさしたけど、本当は全身レインウェア姿で傘はささないほうが良かったのかもしれない。足元が滑るのがやっかいだった)けど、それすら「風情があるわー」と喜べるぐらいステキだった。
桜自体は事前情報どおり下千本が満開で、バスを降ろされた駐車場から眼下一面朝もやの中に桜、桜、桜。桜てんこもり。←もうちょっと文学的に書けないのか?
「吉野山、きたどーーーーー!」
と興奮状態。
(繰り返すが)ほぼ寝てない状態で朝ごはんもまだなのに、朝6時前に簡易な地図を渡されて、各自勝手にスタート。
やけにスパルタなプログラムなのだが(さすが激安ツアー)、吉野山のハイキングコースは終点(奥千本の金峯神社)まで道が舗装されてるので、普段着&スニーカー(ただし、底が滑らないものであること)で行ける。
変な気を起こして横道に入らなければ(ここ重要)、over50のおばさんでも無事に行って帰ってこられます。
ただ、とにかく6時前に出発したもんだから、道なりに軒を連ねているお店(柿の葉ずしとか、葛きりとか、この辺の名物が食べられる飲食店やおみやげ物屋さん)が、まだぜーんぶ閉まってる。
それはいいんだけど、ぼく的に予定していた「登りは行ける所までバスを使って、下りはゆっくり歩いて帰ろう(つまり、ラクしよう)」という目論見が、バスの始発が2時間ぐらい後、という事実のもと、見事に打ち砕かれたのであった。
しかたないから、静御前になったつもりで(←うぬぼれるな)、今回の第一目的地・義経の隠れ塔(これが奥千本の涯にある)目指して歩き始める。
当然、行きはずっと上り坂。
同じツアーの人たちと道連れになるっていう手もあったが、ほとんどの方は「奥千本までは行かないわ。だって疲れるし、まだ全然桜が咲いてないもの」ということだったのと、元来のマイペース性格により、結果一人で踏破しました。
歩き始めたとたんに、“本物の”うぐいすの声がひっきりなしにぼくを励ましてくれて、大感激。
本物の野鳥の声なんて、何年ぶりだろうか。
都会に住んでると、カラスとハトぐらいしかお目にかからないもんな。
そういや、最近スズメすら見ないよな。どこへ行ってしまったんだろう?スズメ(話がそれてるぞ?)
朝から本物のうぐいすの声を当たり前に聴き、連日こんなに美しい桜の雲海を見ることができる、ここ吉野に住む人たちがすんごくうらやましいと思ったが、それは物事の一方しか見ていないわけで。
半端なく不便だもん(こら、失礼だぞ)
いや待てよ。ぼくが今都会に住んでるから、「山の上に住むなんて不便」と思い込んでるわけで、このあたりに住んでいる人たちは、当然のごとく一家に一台お車所有なわけで、働くにしても、おそらく、自宅やごく近辺でお土産屋さんや宿を営んだり、公共施設に勤めたりなわけで、ぼくみたいに、満員電車に揺られて一時間強通勤、なんて方がよっぽど不便な生活ではないか。
いまどきの日本、山の上だろうが、テレビの電波も届くしネットもつながってるんだから情報格差もたいしたことないし。
うーん・・・(歩いてる間、そんなことを考える理屈っぽいアタイ)
しかし、人に会わないな。(当然だ、まだ7時前だもの)
この、人に会わない、というのもこのツアーの売りらしいことを、下山した後に知った(一通り見て歩いて10時過ぎに降りてきたのだが、「これから登ろう」っていうものすごい人数の観光客に遭遇してしまったのだ。「観光地のにぎやかさ」を楽しめる人ならそれもいいけど、「この景色、独り占め!」感を楽しみたい人には、不向きだろう)
たまーに、同じツアーの人たちとすれ違ったりしながら(皆、自分が好きなコースを好きな速度で歩いてるので、そうなる)、ひたすら歩く。
「銅の鳥居」を見て、「うぉー、デカい」と普通の感想をもらしながら進むと(なぜかくぐるのを忘れた。だって、くぐった先は人家の裏口で、何か他人の家に勝手に入り込むみたいで気が引けた)、金峯山寺が見えてくる。
二王門が修復中とかで、全体にカバーがかかってるが、通ることはできる。
カバー(網状)越しに二王様を拝見して境内に入ると、若い僧がお庭を掃除中。
さすが坊さんは早起きだ。
ただし、庭の落ち葉を箒で掃いてるんじゃなく、ブロワーで「ブォー!」っと吹き飛ばしてた。
ふ、風情が・・・(−−。)時代よのぅ・・・
今ちょうど青の権現様のご開帳の時期なんだけど、まだ拝観受付前だったので、お線香だけ上げて境内を一周してまた登山開始。
勝手神社に着いて、大海人皇子と静御前に思いをはせる。時代がバラバラだが。
大海人にお告げをしたという天女が降りてきた振袖山が背後に見えるはずだが、雲がかかって全然見えない。
仕方ないから、静御前の舞の碑に、「ダンスがうまくなりますように」(←何のためだ?)とお祈りした。
ところでこの神社、本殿が不審火(!)で焼けちゃったらしく、元来社殿があったあたりは柵で囲ってあるだけで草ぼーぼー。
まさに「バッタやコオロギの住処」って感じである。
なんか見るも無残な感じがやるせない。
「御神体は吉水神社に移してあります」と表示してあったので、帰り(だって、まだ門が開いてない)に寄ることに。
さらに上って上って上りまくる。
こんなにたくさん桜が群生しているのを実際に見ると、圧巻を通り越して、現実じゃないかのようだ(霧雨なので、なおさら幻想的)
なので、まったく疲れを感じないうちに、いつのまにか「中千本公園」に到着。
ふと見ると、「奥千本行きバスのりば」という看板があったので、勇んで(やっぱ疲れてたんじゃないか!)行ってみると、その先は階段状に山肌を登る感じになってて、これがきつかった!
後悔しつつひいこら登ってやっと着いたら、案の定始発が1時間後。
(−−。)変な欲を出さなければ良かった・・・
諦めて、再度その横の坂を上り始めて下を見て分かったが、この階段状の道を登ったおかげで、だいぶショートカットできたらしい。
マップどおりに来てたら、ゆったりとした坂を延々と歩いてこなければならなかったみたいだ。
で、このあたりから上千本に差し掛かったようで、桜の咲き具合がまだまだ。
観光客なのか、住んでいる人なのかはわからないが、時々降りてくる車がある。
もちろん、この上にも人家はたくさんあるのだ。
こういうところで生活するのって、どんな感じなんだろうなー。乗せてくんないかなー、とわがままな考えが一瞬頭をかすめたが、「静御前はこの山を、裾引いて歩いたんだぞ!」(それは芝居の嘘だろうが!)と自分に言い聞かせ歩く。
ぼくには忠信がついてないから、ひたすら自分の足で歩く。
その忠信(史実上の本人)が大活躍したと言い伝えられる花矢倉(展望台)にもうすぐたどり着くわけだが、ちょっと長くなってしまったので、本日はここまで。
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