てくてくミーハー道場
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2014年11月22日(土) |
宝塚歌劇団月組公演『PUCK』『CRYSTAL TAKARAZUKA−イメージの結晶−』(東京宝塚劇場) |
【おことわり】この記事は2015年7月に書きました。白状しますと、ショーの方はすっかり忘れてしまいましたので、『PUCK』に関してどうしても書きたいことがあるため、8か月も後になってから記したものです。
ぼくは『PUCK』が初演された当時はまだヅカオタではなく、この作品はテレビで放映されたものを視て知ったのですが、当時はタカラヅカにはまり立てだったので、何を見ても面白いんだろうと自分の感覚を分析していました。
ですが、今回再演されたこの作品を実際に観て、この作品自体がとにかくすごくよくできていることを再発見。
空前絶後のはまり役と言われた涼風真世でなければこの“パック”という役は演じることが無理であろうと長年言われていただけに、再演が決まったときにはあらゆる方々が「不安でいっぱい」という心境でいたとお察しします。
そもそもなぜ涼風真世でなければ無理だったのかといえば、かなめちゃん(涼風)がそうであったように「歌が上手い」は大前提、それよりも「妖精そのものであること」が最低限必要な役だから。
してみると、歌うまに関しては特に心配がいらないことに加えて、まさお(龍真咲)も「フェアリータイプ」と言われればそうかもしれない感じ(歯切れ悪いなー)の男役なので、かなめちゃんがいなくなって以降の歌劇団の中で、PUCKを演じられそうな男役トップとしては満を持しての登場と言えた。
てな感じで、ぼく個人としては平常心で出かけたのです(正直に言えば、かなりタイプの違うハーミア役の方がイメージを完全崩壊させないかと心配だった)
で、実際に観劇してしみじみ思ったことは、
細かい役のイメージの違いなんかどうでもよくなるほど、作品自体が「タカラヅカ」にぴったしなんだ
という発見でした。
これぞまさしく、
世界最高峰の学芸会 (・・;)なに? その評価
トップ・オブ・学芸会である。
宝塚歌劇団を未だに「お嬢様芸集団」と目する人々もいると思うが、お嬢様芸や学芸会も、ここまで極めれば芸術になる、とぼくはこの作品に教えてもらった気がする。
むしろ、“お嬢様色”を払拭しようとして迷走している作品(具体例は出しません!)に比べて、いかに完成度が高いか。
時代設定不明(現代もの、のわりには風俗がダサいのが小池作品の特徴)&登場人物が性別不明(妖精ですから・・・といっても、一応人間たちと同じように男女の区別はあるっぽい。むしろ、「人間たち」の方が性的に未成熟な雰囲気を醸し出しているところが、ファンタジー色をさらに強めている)
『ベルサイユのばら』が、等身大の着せ替え人形に骨太ドラマを演じさせている“大人の女性のお人形遊び”なら、『PUCK』は、未婚の少女たちによる“まだ見ぬわが子たちの学芸会鑑賞”と言える。(ちょっと何言ってるかわかんないですけど)
22年ぶりに“伝説の名作”に挑んだ現役生徒たちの奮闘振りについては、後日(また8か月後・・・?)追記いたします。
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