てくてくミーハー道場

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2014年09月14日(日) 宝塚歌劇団星組公演『The Lost Glory』『パッショネイト宝塚!』(東京宝塚劇場)

久々の理事(轟悠)さま特別出演作品だったのですが、東上直前にトップコンビ(柚希礼音&夢咲ねね)が退団を発表してしまいまして、思いもかけず(コラ)大激戦になってしまいました。



いやー、組のトップさんが主役じゃないのに、なんだこのチケット入手困難ぶりは!と、方向違いの怒りを爆発させたところで(お前、いちいち失礼だよ?)、改めて公演を拝見しましたが、これがなかなかの出来。



若いヅカオタさんたちにはピンと来なかったかも知れないが、ぼくらあたりの年齢層(というより、「歴」)以上だったら、皆「うーーーーーーむむ、イシちゃん、さすがだ!」とうならざるを得ない出来栄え。

アラウンド大恐慌時代のアメリカを舞台にした、ある種タカラヅカ大得意のスタイリッシュ愛憎劇なのですが、三つ揃いのスーツを着て生まれてきたんじゃないかと言っても過言ではないほどお似合いの理事の存在感。

ひょっとして主演娘役より背が低いのではないかと思うのですが、そんなの、全然かんけーねえ!(←いちいち古いよ?おばさん)

「男のドス黒い怒りと憎しみが、お前の体を引き裂く前に!」(←ちょとうろ覚え)とかいうセリフを、演技的な息切れなしに言えてしまう生徒が、今何人いるであろうか。



ぼくは例によって何の予備知識もなく観てしまったんですが、このお話、『オセロー』をモチーフにしているそうだ。

道理で大芝居なセリフが出てくるのであった。



ただ、『オセロー』だって気づかなかったぼくも鈍いのだが、というわけで今回は日頃主人公を演じているちえは、『オセロー』でいうイアーゴを演じていたわけなのだが、ぼくはこのイヴァーノという男が、なぜここまで執拗に“あるじ”であるオットー(つまりこの方がオセロー)を憎み陥れようとするのか、よく理解できなかった。

オットーの若い妻であるディアナ(デズデモーナ)となにやらあったわけでもなさそうだし。

ただ、トップになるとなかなか演じる機会が減る“根っからの悪”をこの時期にやることができたちえは、重畳だと思いました。

しかしながら、組事情で(こらまたそういうことを!)キャシオーの役をさゆみ(紅ゆずる)が演ったロナルドと、ゆりかちゃん(真風涼帆)が演ったカーティスに分裂させてしまったせいで、シェイクスピアよりもちょっと話が複雑になってしまったところは「・・・」だった。

多少入り組んだ方が面白い、と思うときもあるが、今回はどうなのかな、なんかぼくは感心しなかったな。

実をいうと、演じた二人も、なんか今回さえなかったような・・・。さゆみはともかく(何だとぉっ?!)ゆりかちゃんがさえないなんて・・・役不足のせいかしら? とかいろいろ考えてしまった。

それにひきかえ、なんてことはない街頭の靴磨き少年パットを演じた礼真琴ちゃん。役自体はほんとなんてことない役なんだけど、歌がめっちゃうまい。もうこれだけで“歌うまびいき”のおらの心をわしづかみしてしまったのである。



まぁ、結論としては、理事の基礎力の前に組子たちはまったく(というほどではないが)歯が立たなかったな、という感想である。











ショーの方は、理事が出なかったので、いつもの「体育会系ダンス部の星組」健在。

まぁ、あたくしが苦手な黒塗りショーではあったけど、楽しく観れました。ちえは黒塗りが似合うしね。

細かい場面は・・・あんまり覚えてない(おいっ)

最近どうも、ショーの内容をすぐ忘れてしまう。

これはぼく自身が歳とったことが最大の原因なのだろうけれども、印象に残る場面を構成できない演出家にも罪はあると思うぞ。



とりあえず次回作はちえねねのサヨナラ公演なわけで、これまた今回以上に大激戦になるであろうが、それよりも「良い作品」でこの人気トップコンビが有終の美を飾れますようにとお祈りしております。

さー次は鉄板『エリザベート』(花組)。ルドルフがダブルキャストなので最低2回は当然として、何回観れるかなあ?


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