てくてくミーハー道場
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2014年03月16日(日) |
映画『イングロリアス・バスターズ』 |
パラリンピックは開会式だけは気合入れて視たんだけど、競技の方はうっかりしてるうちに終わってしまってた(コラ)
ともあれ、選手の皆さんお疲れ様でした。
んで、ぼくはとにかくこのところヒマで(おいっ)、ダンボール120箱分の本をとにかく整理すりゃいいものを、あまりの山の高さにひるんでしまい(だからこそ頑張れよ!)一向に手が付けられず。
ブリュール君が出てる映画をとりあえず徐々に観ていこうという新たな趣味ができたもんで、今回は、近所のレンタルショップですぐ借りられた、このメジャー作品を観たのでごんす。
ただ、
収録時間152分!
というのが最初に目に飛び込んできたとき、一瞬後悔。
だが、観終わった今、実に爽快。(←韻を踏んでみました)
初タランティーノとしては、我ながらナイスなチョイスだったと自負しております。
そ。初タラちゃんだったの。
お名前とあの特異なキャラクターだけは存じ上げておりましたが、作品をちゃんと観るのは初めて。
なので、逆に「タランティーノだから、きっとここはこうなる」みたいな先入観なく観ることができて、良かったなと思いました。
で、普通の映画レビューのセオリーをぶっちぎりに無視して、ダニエルのとこだけ感想を書こうと思ったんですが、やっぱり、この映画でクリストフ・ヴァルツを無視することはできないのよね。
なんならブラピを完全無視してもいいくらいだけど(オイッ)、ヴァルツを無視は無理。
語弊ありありだけど、すっごく、ひたすらカッコいい。
ナチス将校をカッコいいとか言ったらいけないのはわかってるんだけど、この映画でのヴァルツは壮絶にカッコ良くていやらしい。
この年の各種映画賞で助演男優賞獲りまくったんだよなあ。“助演”ってとこに文句付けたいくらいの怪演でした。
そして、日本人ならではの感想ですが、DVDでは声をやまじー(山路和弘)が充てていて、これがもう最高の出来!
洋画は基本的に字幕で観るぼくですが、この映画では字幕→吹き替え→字幕と、立て続けに3回観てしまいました。
ちなみに、DVDでは英語にしか吹き替えがついてなくて、吹き替えモードで観てもフランス語やドイツ語はそのまんまで、英語の字幕が出てきたんでびっくりしました(― ―;)
なので、ダニエルの声は本人の声ですべて堪能。
ただ、一か所だけ英語をしゃべるシーンがあって、そこだけちゃんと日本語に吹き替えられてて、そのたった一か所のためだけに誰がキャスティングされたのか、ちょっと気になる。
声の感じからすると、ブラピを吹き替えてたヤマちゃん(山寺宏一)が掛け持ったのかもなあと思う。オタクのかたは知ってるのかな。
さて、この映画をぼくなりに一言で表現すると、壮大なバカ映画。
「バカ」はもちろん褒め言葉であります。
決して「悪ふざけ」とは同義でないところが、ステキなポイントであります。
確かに、グロ場面も多いし、道義的にも「そんなん通るか!」てなストーリーなんだけど、そうでもしてこういうことやりたかったのかなぁ、とシンパシーを感じるような。
反ナチスを表現するのに、兵士狩りをする特殊部隊だの(頭の皮を剥ぐというオプション(?)は、この映画が西部劇へのオマージュだってことをわっかりやすく表している)、ドイツ軍幹部皆殺し計画だの(大爆発でハイおしまいって・・・ドリフか!みたいな)、いわば小学生の空想レベル。
ちょっと呆れてしまうんだけど、それを本気で「いい考えだろ?」とは提示してないところが、タランティーノの知性なのかなあ、と思った。
かと思うと、ダニエル演じるフレデリック・ツォラーは、フランス語セクションに登場して、西部劇から一転「戦時中のフランス映画に出てくるデロンとした二枚目担当」みたいなむずがゆい役。
ただ、この映画のヒロイン、エマニュエル・ミミュー(本名はショシャナ・ドレフュス)は、フランス映画みたいに彼と“国境を越えた許されぬ”恋に堕ちるわけじゃなく、もっぱらフレデリックの片思い。
フレディ君、全体的にまぬけっぽい印象です。
映画オタクの、気のいい青年なんだけど、彼がドイツ人で、ムダに射撃の腕が良くて、空気が読めなかったばっかりに(ひ、ひどい・・・)、タラちゃん、無慈悲にもあっさり彼を殺してしまいます。
ダニエル君目当てにこの映画を観た一人として、非常に腹が立ちました(`∧´ )プンプン←嘘ダヨー
ただ、この、彼が死ぬシーン、後になって(こじつけかもしれないが)ふと思ったのですが、この、プレミア上映会用に着た白く美しい軍服姿で死んじゃう彼は、もしかして『うたかたの恋』のルドルフ皇太子へのオマージュなのでは? と。
なんでかっていうと、まず、フレデリックとショシャナの死に方(正確に言うと、殺され方)が、トホホなくらい愛のかけらもない互いの「憎悪100%」で撃ち殺されちゃってるにもかかわらず、このシーンで流れている音楽が、それこそ「悲恋もの」みたいにロマンチックで甘ったるい旋律であること。
そして、このプレミア上映会のために真っ赤なドレスに着替えたショシャナを見て、マルセル(こっちがショシャナの本当の彼氏)が、
「ダニエル・ダリューみたいじゃん」(←こんな頭悪そうな口調ではなかったが)
と言うのです。
ダニエル・ダリューつったら、映画版『うたかたの恋』のマリー・ヴェッツェラその人じゃないすか!
ヅカオタ的知識が役に立ちました。(^^ゞ
ただ、このシーンのショシャナは、どう見てもダニエル・ダリューではなく、ナスターシャ・キンスキー(当時まだ生まれてへん)でしたがね。
そ、『キャット・ピープル』よね。ボウイの曲がまんま出てきたよね。
(調べたら、『キャット・ピープル』も、そもそもは1941年に作られてたそうな。さすがにそれは知らん)
とまあ、こんなぐあいに映画オタ度1000%なのがタランティーノ作品らしい。
ぼくはあんまり詳しくないので、気が付かないところもいっぱいあると思うのだが、とにかくそんな部分も含めて面白さ満点の映画なんだと思った。
さあ、特に肝心なところには言及せず(おい)話は終わりますが、あっそうだ、この映画では「アメリカチーム」「フランスチーム」「ドイツチーム」それぞれに、ちゃんとその国の俳優たちが出演してます(いわゆる「ドイツ系アメリカ人」とかじゃなく、ちゃんとドイツ人俳優がドイツ人役を演じている。三人だけイギリス人が出てくるんだけど、彼らだけなぜか全員非イギリス人)
なので、ナチス勢に見たことある俳優を発見。
ゲシュタポの将校を演じたアウグスト・ディール君。
『青い棘』の前に『イングロリアス・バスターズ』を観てりゃ良かったんじゃんか!(なぜよ?)
目つきの悪さ(おい)がサイコーで、マイケル・ファスベンダー(今は「ミヒャエル・ファスベンダー」って呼ぶのか?)演じるイギリス人スパイをねちねちと追いつめていくシーンはドキドキハラハラモーストエキサイティングでした。
クリストフ・ヴァルツが助演男優賞なら、ディール君を助々演男優賞にしてあげたいくらいゾクゾクしましたうふふ←
あまりに面白かったんで、他のタランティーノ作品も観てみようかなと思ったんだが、長いのが難ですよね・・・(そんなことで評価しちゃうの?)
だって、人生は有限ですから(←お前がそれを言うか)
『レザボア・ドッグズ』は短いのね。・・・いやそれより、ダニエルが出た映画をまだまだ観たいんで。近所のレンタルショップに置いてないのがなー・・・。(結局うだうだ言って終わるのね)
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